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桧山は猛打賞も…
痛みはあった。しかし、選手会長は責任感と気合でかき消した。思い切り振ったバットが、打球をライト前へと運ぶ。6回2死一、三塁の先制機。桧山のタイムリーで重苦しい0―0の均衡は破られた。5万人が「桧山! 桧山!」と繰り返す。歓声の異様な長さがそれまでのストレスを物語っていた。「ランナーをかえすことに集中した」。桧山の集中力は右手の痛みを抑え込んだ。 初戦で右手甲に死球を受けた。今季8個目、巨人戦だけでも3個目。試合後、病院へ行くほどの痛みとシビレだった。診断は幸い打撲。しかし、1日では消えなかった。試合前、桧山は「痛み? ないと言えばうそになる」と本音をもらした。が、球場入り直後に室内練習場でティー打撃。「行ける」と確信すると、試合前練習でのフリー打撃を自重した。「試合オンリーで燃えるよ」。G倒へ並々ならぬ決意だった。 5回には中前打。6回の先制打に続き、1点ビハインドの9回には、先頭で左前打を放った。4打数3安打。痛みをこらえながらのプレーで、背中で、チームに“あきらめるな”と伝えた。矢野が復帰したとはいえ、赤星、片岡、坪井と主力が相次いでリタイアする現状。桧山は、主軸のプライドで引っ張った。 しかし、チームは無念の逆転負け。「勝たなきゃ意味がない」。桧山は自身の猛打賞を振り返ろうとはしなかった。甲子園でまさかの7連敗。「5万人がプレッシャーになることはない」。大声援をくれるファンのために、桧山はもう1度、猛虎をけん引する。 <写真=6回裏2死一、三塁、桧山は右前に先制タイムリーを放つ>
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