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“代役3番”坪井が1号&V打 お見事っ! 阪神が執念で首位をキープした。7回に今岡のタイムリーで同点にすると、坪井の幸運なイレギュラー安打で逆転に成功した。5度目の挑戦で積み重ねた念願の貯金「10」は92年以来、10年ぶり。チームのセ・リーグ2ケタ貯金1番乗りは優勝した85年以来という快進撃。負ければ首位の座を明け渡すピンチだったが、試合を見事にひっくり返す底力を見せつけた。
5度目挑戦で“壁”突き破った坪井は祈った。「打った瞬間にはねてくれ! と思ったんです」。平凡な一塁ゴロは魔法をかけられたように捕球体勢に入ったロペスの前で大きくはねた。ムーアが踊るように逆転のホームを駆け抜ける。5度目の挑戦でついに貯金「10」の壁を突き破る坪井の大きな逆転V打。阪神のラッキー7は文字通り、ラッキーの連続。星野監督も「勝負というのはこんなもんや」とニヤリ笑った。 ヒーロー坪井はその前の打席でも1点差に迫る今季初アーチを右翼席に放っていた。腰痛の片岡に代わり3番に入って2試合目。「3番は意識していない。3番目に打っているだけと思っている」。だがそれまではベンチを温めることが多かった。じっとチャンスを待っていた。 0―5と完封負けを喫した1日の中日戦後、甲子園の室内練習場に深夜まで打撃音が響いた。響かせていたのは坪井。今岡が居残り特打を終えた後、マシンを相手に黙々と打ち込んだ。坪井が球場を出たとき、日付けは変わっていた。キャンプから1日も休まずバットを振る。手術した右肩の影響で満足に打撃練習もできなかった1年前を振り返り「バットを振れないことほど辛いことはなかった。だから今、楽しいんです」と話したこともあった。その気持ちを失っていない。努力が招いた幸運、そしてヒーローの座だった。 「久しぶりに疲れたわ」と星野監督は苦笑した。初回にいきなり奪われた3点差を逆転し福原、バルデスの必勝リレーで1点のリードを守り抜く。執念のミラクル逆転劇を演出したのは攻めのさい配だ。7回1死一塁。ムーアの打力にかけたのがズバリ的中する。カウント2―1から2球ファウルで粘って右前打。一、三塁とチャンスを広げて今岡が同点打。そして坪井の逆転打へと、星野監督の攻める姿勢が流れを呼び込んだ。 巨人に0・5ゲーム差と迫られていた。この白星の価値は計り知れない。「貯金10? ああそうか。全然思わんかった。ひとつの壁だったからね。みんな頑張ってひとつひとつクリアしてきた。30(試合)手前でよう頑張っとる」と星野監督は虎ナインをホメた。5月5日こどもの日。星野阪神は虎ファンの子供たちの夢を膨らませる執念の逆転勝利で首位の座を死守した。 <写真=7回表2死一、二塁、坪井の打球は決勝のタイムリーを右前に放つ> 85年以来2ケタ貯金1番乗り▼阪神の貯金10は、92年9月22日(63勝53敗2分け)以来、10年ぶり。セ・リーグで阪神が2ケタ貯金一番乗りは前回優勝した85年以来になるが、85年の貯金10到達は6月2日の37試合目。開幕から30試合以内で貯金10を記録したのは、14試合目(11勝1敗2分け)に到達した76年以来、26年ぶり。1リーグ時代には今年より早く貯金10を記録したのが6度ある阪神だが、2リーグ制後では76年に次ぐ2番目のスピード到達だ。この日は3点差を逆転。開幕から4月23日までは逆転勝ちが1試合だけだったが、24日以降は7勝のうち6勝を逆転でものにしている。
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