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八木様!球団新の代打12号 いぶし銀はその時を待っていた。8―6となった6回表2死一、二塁。井川の打順で代打八木が告げられる。「与えられた場面で打つことが仕事なんだ」。神様とまで言われた代打の職人は気合十分。カウント2―2から外角への134キロスライダーに食らいついた。打球は右翼スタンド最前列ヘ飛び込んだ。今季第1号3ランは球団新記録となる通算12本目の代打本塁打となった。 好調なチームの中で、八木はまだ波に乗り切れていなかった。これまで9試合に代打出場し、たった1安打。しかし自分の成績よりもチームの快進撃を誰よりも喜んでいた。「すごく励みになっているんだ」。優勝した85年の翌年のドラフトで入団。生え抜き選手では最長16年目のシーズンを迎えた。同じ岡山出身の星野監督を迎え「これからは自分のことだけじゃなく、チームをサポートしていかないといけない」と新境地に立っていた。この試合でも「井川が先発するからね。出番はないと思っていた」。後輩の力投を願っていた。 両エースが乱れ、思わぬ展開で打席が回った。そして新記録を打ち立てた。「記録? 意識はしていなかった。でも打ててよかったよ」と笑顔をこぼす。そんな八木の生還を星野監督は手を叩いて喜んだ。「(広島に)追われているところで、しかも2死から。あれが1番大きかった」。22安打18得点の猛打で多くのヒーローがいるが、指揮官は八木をMVPに選んだ。 「どんどん(記録を)伸ばしていきたい」。これからもファンの期待にこたえるつもりだ。「代打の神様」がようやく本領発揮した。星野阪神はさらに厚みを増した。
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