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藪粘った3勝

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 敵地広島でも、割れんばかりの声援があった。「これからも、もっともっとおもしろいゲームを見せますので、球場に足を運んでください」。藪は大きく手を挙げてこたえた。今季3度目のヒーローインタビューもまた格別。背番号「4」が左翼スタンド横の通路に消えるまで「藪コール」がやむことはなかった。

 譲れない一戦だった。「昨日(23日)1つ、負けていたので、絶対に負けられない気持ちだった」。前夜は敗れたとはいえ、8点差を2点差まで詰める執念を、打線が見せた。味方の好リズムを保つこと、それがマウンド上でのテーマだった。「守ってる時間を短くするため、テンポ良く投げることを心がけた」。2回、緒方に先制2ランを浴びても、打球方向をほとんど振り返らない。藪は前だけを見て、投げ続けた。

 決して内容は良くなかった。先制点を許し、味方が勝ち越した直後の5回にも1点を失った。ボール先行の場面が目立ち、ストレートの最速も141キロ止まり。しかし、藪は「あまり気にしなかった」。失点してもすぐに切り替え、とにかくリズムを作った。

 藪が生み出すテンポは、確実に猛虎打線を活性化している。この日の11安打も含めて、今季、藪が先発した4試合すべてで、味方打線は2ケタ安打を記録。守備時間の短縮を優先する投球に、きっちりとこたえてくれている。「打たせて取る方がいいだろ」と笑う藪。投打の歯車はガッチリとかみ合った。

 井川、ムーアに続いて、藪も今季3勝目。先発投手の頼もしさに、星野監督も頬を緩める。「粘り強く投げたな」。決してあきらめない戦いを、復活したエース藪がけん引する。

<写真=4回裏1死一塁、打者前田の時、一塁走者の金本をけん制で刺した藪は、雄たけびを上げながらガッツポーズ>

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