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安藤8回2安打完封プロ初星!!

 「何てたって安藤や」。開口一番、星野監督が絶賛した。阪神の安藤優也投手(24)がプロ2度目の先発で8回を投げ、被安打2の無失点に抑え初勝利を飾った。キレのある速球を武器に横浜打線を抑え、7日の初登板で白星を逃がした悔しさを晴らした。帽子には肩を脱臼して登録抹消になった矢野の背番号39を書き、魂の熱投をみせた。

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◇14日◇甲子園
  1 2 3 4 5 6 7 8 9
横 浜

阪 神
×
【横】山田、(敗)前田、竹下、木塚―中村
【神】(勝)安藤、(S)バルデス―吉本

帽子には「39」…「矢野さんの分まで」

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 土で汚れたボールを見つめた。安藤の心に喜びがにじんだ。「ああ、よかったぁ」。バルデスから受け取ったプロ初めてのウイニングボール。右手で握り締めたまま、ゆっくり歩いた。目の前にはお立ち台。そして4万8000人のファンが待っていた。だれもが自分の名前を叫んでいる。安藤の声は弾んだ。「最高です!」。高校時代に夢にまで見た甲子園で8回2安打無失点。安藤が猛虎の一員となった。

 常に冷静な男が1度だけ感情を表に出した。8回表2死一、三塁。3番鈴木尚との対戦は最大のピンチだった。「この展開は確かに苦しかった。粘っていくしかなかった」。1点許した方が負け。そんな緊張感の中、安藤は攻めの姿勢を貫いた。カウント2−2に追い込んでから、捕手吉本の変化球のサインに2度首を横に振った。「自分が真っすぐを投げたかった。自分の持ち味ですから。今日は悔いを残したくなかった」。4球後、143 キロ ストレートを胸元に投じた。膝を突きながら、目の前の打球をさばき、一塁へ。ピンチを乗り越え、安藤はバシッとグラブを叩いた。

 試合前、安藤は白のサインペンで帽子に「39」と記した。13日に負傷した矢野の背番号。「いろいろアドバイスをもらっていた。矢野さんの分まで頑張ろうと思った」。初登板となった7日のヤクルト戦は6回1失点。その試合後、矢野から「もっとメリハリをつけろ」と教えを受けた。この日は序盤から腕が振れ、直球の最速は前回より2キロ増しの144キロ 。左打者にはキレのあるスライダーで内角を攻めた。110キロ台のカーブも有効的。「小さくまとまってほしくない」と言い続けた矢野の期待にこたえた。

 安藤は社会人時代までスパイクを履いて、ダッシュできなかった。大腿裏の筋力が弱く、肉離れの心配があったからだ。しかし自主トレで走り方を矯正。今では何本でも走ることができ、体にキレができた。「飲み込みが早い。何よりも前に前に、という気持ちが伝わってくる」と続木トレーニングコーチ。ルーキーは総じて体重が落ちるが、精力的なウエートトレでベストの87 キロ でほぼ変動がない。キャンプでは右ヒジに違和感を覚え、オープン戦では思うような投球ができなかった。それでも安藤はじっと我慢して鍛錬に励んでいた。各選手に配られる練習メニューの余白に、安藤は強い筆圧でこう書いている。「今しかやるっきゃない」。

 苦労の末につかんだプロ初勝利。安藤はこれまで同様、ウイニングボールは実家に送るつもりだ。「今日で終わりじゃない」。黄金ルーキーのプロ人生はここから始まる。

<写真=先発でプロ入り初勝利を挙げた安藤は13日負傷退場した矢野捕手の背番号39を帽子の左側に書き力投した>

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佐藤コーチの目

 佐藤投手コーチ(安藤の投球に)「2試合目だったけど、落ち着いて投げてくれた。真っすぐにキレがあった。球数? それは考えてない。『150球でも投げてこい』と言ったんだ。(初勝利が)1番よかったね」

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