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井川凄い!3連勝3冠 あっぱれ井川! 虎の若きエース井川が、横浜打線を6安打に抑え、今季初完封で3勝目を挙げた。3試合26イニングで失点はわずか1。勝ち星、防御率0・35、29奪三振の成績は堂々たるリーグトップ。チームは44年ぶりの両リーグ10勝一番乗り。もう春の珍事とは言わせない。胸を張って首位ロードを突き進む。
2度打球受けても仁王立ち
い・が・わ! い・が・わ! 最終回のマウンドへ向かう井川の背を、甲子園が後押しした。3万ファンから沸き起こった「井川コール」。1点あれば十分だ。最後の打者、種田を難なく二ゴロに打ち取った。マンモスがしびれた1−0の完封劇。本拠地での今季初登板で最高のパフォーマンスを見せた。 決して調子は良くなかった。立ち上がりから3回まで毎回、二塁に走者を背負う展開が続いた。「きつかったですね」。しかし、崩れなかった。成長の証(あかし)だった。3回には鈴木尚の打球を、ダイレクトで右足ふくらはぎに当てるアクシデント。治療でいったんベンチに下がったが、すぐに戻った。「当たるところが良かったんですよ。投げてたら大丈夫でしたし」。9回1死にも小川の打球を右手親指に当てたが、トレーナーを自ら制して投げ切った。 「アイツの下半身を見てくれよ。バズーカが来ようが、ミサイルが来ようが…、でも、心配したけどな」。星野監督は笑った。絶大な信頼を置く井川が打球を受けた時は心配でたまらなかった。が、やってくれると信じていた。「頭が下がる。風格もある。(点数を)取られる気がしなかった」。最後までベンチにドカッと腰をおろして完封劇を見守った。 井川の成長は練習のたまものだ。開幕前の3月27日、大阪ドームでの練習終了後のこと。チームメートが帰途に着くなか、井川は葛西投手兼任コーチとともに鳴尾浜の室内練習場へ。オープン戦で失敗を連発したバントを特訓するためだった。投手のバント練習はデリケートなもので、やり過ぎると肝心の左手の親指付け根に負担がかかる。しかし、この時すでにプロ初の開幕投手を告げられていた井川は、自らの欠点を補うため練習を続けた。 味方が無死満塁の絶好機を逃がした直後の8回、最大のピンチが訪れた。1死二塁で、この日3安打を浴びていた鈴木尚。三塁から片岡が「4安打はないぞ!」と歩み寄った。佐藤投手コーチは「打たれてもいい。力勝負をして来い」とハッパをかけた。スライダーで空振り三振。派手なガッツポーズはない。わずかに帽子のつばに手をやった。 今季3試合目で早くも3勝目。22イニング連続無失点と完ぺき。勝ち星、奪三振数29個、防御率0・35と投手3冠でトップ。「まだ11試合目ですよ。でも、投げた試合は勝つつもりでいきます」。もう誰も、井川の実力を疑わない。 <写真=お立ち台で深々とお辞儀するアリアスの横でエースの風格を漂わせファンに手を振る井川>
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