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谷中も吠えて完封2勝
谷中は鬼の形相で矢野のミットをにらんだ。0−0の8回表2死満塁で広島東出を迎えた。昨季10の4と打ち込まれた過去は頭にない。「昨年のことは忘れていた。1つ1つ打ち取るだけ」。こん身のストレートを2球続けた。どちらも141 キロ を計測した。2球目、やや内角にスライドするクセ球は好打者のバットを詰まらせ、二塁への飛球に変わった。 ベンチで腕組みしたままの星野監督の気持ちがうれしかった。代わる代わる声を掛ける内野陣に盛り立てられた。「代えられるかと思ったけど燃えた。みんなも思い切っていけと言ってくれた」。捕球を見届けると、はねるようにベンチに戻った。 昨季2度の完封は8点と4点の援護をもらった。今季初勝利の3日横浜戦も早々と6得点を得た。だがこの日は8回まで両軍が無得点。「根比べは初めて。でも雰囲気がいいから最少失点でいけば大丈夫と」。開幕7連勝したチームの勢いと甲子園の大声援で支援は十分だった。8回以外は二塁を踏ませない鬼の快投ショーだった。 昨季途中の移籍で7勝をマークした。右の先発の軸として計算される立場になっても危機感から離れられない。「だめなら次がないというのがありますよ」。井川、ムーア、藪…。開幕から好投リレーが途切れない先発ローテーションの座は、安住の安らぎより強い刺激として谷中の尻を叩く。堂々の5安打完封ショー。チーム防御率を脅威の1・29へとさらに上昇させた。 8回裏も代打はなく、打席に立った。信頼してくれたベンチに気迫でこたえた。9回表2死から四球を出すが、代走岡上をけん制球で刺す。その裏、延長戦へのキャッチボールを始める直前にベンチ後列で今岡の快音を聞いた。打球は見なくても「行った〜」の声で勝利を確信した。 お立ち台では目と口が線になった。こんなに変われるものかという柔和な顔で受け答えした。「あさって(12日)はヨメの誕生日。何よりのプレゼントになりました」。しばしの休息を挟んで谷中はまた鬼になる。 <写真=3回表2死一塁、東出のフライで三塁手片岡へ指示を出す先発の谷中は、完封で2勝目をゲット>
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