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星野監督「まだ10試合や」 打球の行方は歓声に教えられた。星野監督はベンチから身を乗り出した。だがその視界はいろんなお尻に阻まれた。「みんな立ち上がるから見えへん。歓声だけや。ワーッときたからね。ツーベースとホームランじゃ歓声は違うからな」。サヨナラの音色を聞き分けると勢いよく飛び出してヒーローを出迎え、ギュッと抱き締めた。 我慢の勝利だった。分岐点は8回。谷中が連打を浴びて無死一、二塁。送りバントを失敗した広島は長谷川に代えて野村を送った。その野村を打ち取ったが緒方に死球を与えて2死満塁。だが星野監督は微動だにしなかった。「あそこまでいい投球してたんだから。自分で落とし前つけろということや」。闘将の強気はピンチを断ち、劇的なフィナーレへと結びつけた。 区切りの10試合を9勝1敗。10試合目で9勝以上は自ら率いた99年の中日以来15チーム目。貯金8も92年10月以来の「快挙」となる。だが星野監督は表情を緩めない。「まだ10試合やないか」。その厳しい視線はいずれ訪れる正念場を見据えていた。
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