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上から横からムーア初星 変幻自在…G打線ほんろう眉ひとつ動かさず、ムーアはヘルメットを脱いだ。わだかまりはまったくなかった。6回まで1失点の好投。7回以降も「自分としてはもう少し投げられた」。しかし、1−1の同点で迎えた7回表、2死二塁の勝ち越し機の打席を、代打八木にたくした。結局、八木は敬遠されたが、ムーアはハイタッチで出迎える。いつも陽気な助っ人左腕は、何よりもフォア・ザ・チームを優先する。直後の赤星の勝ち越し打も、自身の来日初白星も、そのチーム一丸精神が運んできた。 開幕戦の井川に続くベストピッチングだった。上から横から自在に投げた。2回先頭の松井には、横から投げる伝家の宝刀SSS(スーパー・シークレット・スライダー)で追い込み、143 キロ の真っすぐで空振り三振。4回、清原にソロアーチを浴びたが、6回を1失点、6三振を奪う危なげない初登板だった。 重量打線には気をつかった。「すばらしい打者が並んでるのでボールを低めに集めた」。四球はわずか1つ。抜群の制球力で牛耳った。交代については「すばらしい監督の、ベストの考えなんだから」と闘将の決断に異論なし。「今はタイガースのために投げてるんだ」と胸のTigers≠誇らしげに指差した。 普段は家族サービスに時間を割く心優しいパパ。開幕前には、練習で疲れていながら、長男フォード君(8)のために通学用自転車を買いに走った。ゲームになればチームに尽くす頼もしい助っ人。23年ぶりの開幕連勝には「本当か?」と驚いたが「僕らはいいチーム。ネバー・ネバー・ネバー・サレンダーだ!」と叫び、次なる戦いへのバスに乗り込んだ。
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