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星野さん12年ぶり開幕星に雄叫び

 仙ちゃん燃えた! G倒発進! 昨年12月、阪神第29代の監督に就任した星野仙一監督(55)が東京ドームで雄叫びをあげた。井川が炎の完投劇。桧山、アリアスの1発で難敵上原を粉砕。9人野球で原巨人を下し、12年ぶりの開幕戦勝利へ導いた。猛虎再建に乗り出した闘将がまず一つ、ガッツポーズを披露した。

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 星野監督が吠えた。1発が出ればサヨナラの大ピンチは、併殺で阪神の勝利に変わった。ゲームセットの瞬間、闘将は右手をグッと突き出して雄叫びを挙げた。島野ヘッド、田淵チーフ打撃コーチとガッチリ握手した。最後まで投げきった井川を我が子のように抱きしめた。ウイニングボールを手渡されると、ギュッと握って右ポケットにしまいこんだ。阪神では12年ぶりの開幕星。不名誉な記録にストップをかけ、猛虎復活を成し遂げたのは、男・星野仙一だった。

 「最後はヒヤヒヤさせてくれたな。しかしあんなトリックプレー(併殺)で終わるなんてな。井川が抑えてくれると信じていたよ。代えるつもり? 全くなかった。今日はやられてもええ、というぐらいやった。でも絶対に抑えてくれると思っとったんや」。

 2点リードの9回無死一、二塁のピンチ。オープン戦で何度も試してきた伊藤−バルデスという逃げ切りの選択肢もあった。しかし星野監督が選んだのは井川との心中。投手出身の監督だからこそ、最後は若き左腕を信じた。

 この日はいつもより早く午前6時過ぎに目が覚めた。阪神監督として迎える開幕戦。2日続けてランチに好物のオムライスを注文し、囲んだ報道陣にポツリともらした。「ペナントは長い。その覚悟はできている。ただ、どういう気持ちでいられるかやな」。12球団最多の通算11年のキャリアを持つ星野監督でさえ、不安を隠せなかった。「(開幕勝利は)12年ぶり? そりゃ、意識しとったに決まっとるやろ」。勝てばさらに勢いは増すが、負け方によってはオープン戦の快進撃は吹っ飛びかねない。選手、チーム、ファン、そして何より自分自身のために勝ちたかった。

 開幕戦で巨人に勝つのは39年ぶりの快挙。最近は4連敗中。伝統の一戦ではいつも阪神が引き立て役で、ピエロだった。しかし虎はようやく長い眠りから覚めようとしている。「めでたいこっちゃ。でも今日はこれで忘れる。また明日や」。カリスマ指揮官によって虎は確実に変ぼうした。今年のペナントの主役は、星野阪神がもらった。

<写真=4回表1死一塁、アリアスの2点本塁打が飛び出し、ベンチ内で星野監督は雄たけびを上げてガッツポーズする>

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田淵コーチも大喜び

 忠実なまな弟子たちに、阪神田淵幸一チーフ打撃コーチ(55)も感激だ。「試合前、井川に3点以上とってやると言ったんだ。少ないチャンスを最大限に生かしてくれたね」。クリーンアップの効果的な1発で3点をたたき出した打線を称えた。

 「狙い球を絞って、思い切って振れ。ウエーティングはだめ」。試合前のミーティング通り「イチかバチか戦法」で好投する上原を攻略した。2回、桧山の先制本塁打はカウント0−1から。4回に出たアリアスの2ランも、0−1からファーストストライクを叩いてのものだった。4回、矢野は初球のストレートを迷いなく振りぬいて二塁打。「きょうは格別に味のある試合だったね」。選手たちが教えを守ってのG倒劇に心を熱くした。

 島野ヘッドコーチも打線の積極性を評価した。「上原攻略はあれしかないやろ。選手にいいプレゼントしてもらったよ」。この日が58歳の誕生日だったことを自ら報道陣に話すなど、上機嫌でバスに乗り込んだ。

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