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星野守護神バルデス、揺れる魔球だ

 虎の魔球ストッパーがベールを脱いだ。マーク・バルデス投手(30)が26日、今キャンプ初めてフリー打撃に登板。打者の手元で微妙に変化するムービングファストボールを駆使して、対戦した松田、沖原、藤本の3人を完全に封じ込んだ。これを見た星野監督も、「ボールが動くというのは打者が最も嫌がるタイプ」と、その“魔球”を絶賛、ストッパーの本命に名乗りをあげた。

星野監督ニンマリ「打者が嫌がるタイプ」

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 なぜかバットの芯に当たらない。バルデスの右腕から繰り出される一見何でもないようなボール。だが、タイミング良くとらえたはずの打球は力なく内野を転がった。首をしきりにひねりながら、松田が、沖原が、藤本が同じような当たりを繰り返す。終わってみれば、3人合わせて71球。ヒット性の打球はわずかに5本。半分はボテボテの内野ゴロだ。来日して初めての「打者との対決」。ムービングファストボールを駆使して完勝した虎の怪人は悠然とマウンドを降りた。

 まさに“魔球”だった。「素直にまっすぐ来たボールなんて1球もありませんでした。手元で微妙に変化するんです。低めは全部沈みますし」。対戦した藤本は、その変化に目を丸くした。松田も「僕は左打者なんですが、内角に来るボールはスライダー、外角に来る球はシュートして逃げていくんです。打ちづらいです」と舌を巻いた。だが、当のバルデスは涼しい顔。「きょうのテーマはストライクをとることと、マウンドの感覚をつかむこと。でも、まだ80〜85%の出来だよ」。オレの実力はこんなもんじゃないとばかりに胸を張った。

 星野監督のおめがねにかない、ストッパー候補として入団。しかしなかなかペースが上がらない。第5クール初日の20日、投内連係の緩慢な動きが、星野監督の逆りんに触れた。「あんなもん、お遊びや。練習のじゃまだ」。カーライルとともにカミナリを落とされた。いったん失いかけた信頼を、もう1度取り戻すには十分な“怪投劇”だった。

 「ボールが(手元)で動くというのは、日本の打者がもっとも嫌がるタイプ」。ネット裏でじっと見守った星野監督も“魔球”の威力にニンマリだ。さらに「まだ6、7分の出来だろう。真っすぐはまだまだ早くなる。そしたら動くボールがもっと有効になるね」と今後の上積みを期待した。

 昨年20セーブをあげた成本に抑え転向案のあるハンセル。ストッパーの座を狙うライバルは手ごわい。「まだまだ満足じゃない。競争は激しいんだから」。独特のヒゲスタイルが安芸でも話題の的。魔球を操る新怪人バルデスが2002年虎の守護神に名乗りをあげた。

<写真=フリー打撃に初めて登板したマーク・バルデス。キレのいい球を披露し、ストッパー一番手に名乗りを上げた>

 ◆マーク・バルデス 1971年12月20日、米国オハイオ州デイトン生まれ。93年、フロリダ州立大からドラフト1巡目でマーリンズに入団。95年にメジャーデビュー。エクスポズ、アストロズを経て、昨年はブレーブスで9試合に登板し、1勝0敗。3Aリッチモンドでは29試合に登板し、9勝11敗2セーブ。メジャー通算成績は144試合に登板し、12勝15敗4セーブ、防御率4・95。サイズ 183 センチ 、86 キロ 。右投げ右打ち。家族はヘザー夫人。

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