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星野阪神、逆転サヨナラ劇的船出だ 星野阪神が超ミラクル発進だ。オープン戦開幕ゲームとなった23日の西武戦(安芸)。3点を追う9回、藤本の3点三塁打で追いつき、今岡の中前打でイッキの逆転サヨナラ。星野仙一監督(55)を迎え、4年連続最下位からの逆襲に燃える男たちが執念の白星奪取劇を演じた。今年は何かが違う。そして何かが起こる…決して屈服しない新生虎軍団が雄々しく立ち上がった。
9回イッキ4点、藤本&今岡決めた
劇的だった。ドラマだった。打線は8回まで西武投手陣に完全に沈黙させられた。9回表にはダメ押しともいえる3点目を許した。満員のスタンドも5回過ぎから、ため息をつきながら帰りを急ぐ人の足並みが続いていた。それがどうだ。9回裏、わずか10分後には「六甲おろし」大合唱のお祭り騒ぎ。昨季までのダメ虎なら、失望させたままファンを帰らせていた。だが今年は違う! 9回裏に凝縮された「星野イズム」をその目で確認した虎ファンは、絶頂の幸福感に陶酔していた。 一塁側ベンチ前に劇的勝利を喜ぶ輪ができた。だが星野監督はその輪に加わらない。最後まで腕組みをしたまま厳しい表情。吉竹、松山両コーチに求められた握手に応じただけでクルッと背中を向けベンチの奥に消えた。「結果としてはようひっくり返した。負ければ気分悪いがな。だが勝ったからといってミスを水に流してたらあかんな。チェック、チェック、チェックの連続でいかんと」。ミラクル勝利に浮かれずさらに引き締める。これぞ星野イズムの真骨頂だった。 8回までダメ虎の影は消えていなかった。絶望の完封負け寸前だった。好機を作っても凡打でつぶす。好球を簡単に見逃し、追い込まれて難しい球に手を出す。あっさり引っ掛けたショートへの打球は12を数えた。「何も変わってへんやんけ!」と心ないヤジが飛ぶ。観客席のフラストレーションは頂点に達していた。
そして迎えた最終回だった。先頭の八木が8球粘って四球で歩く。続く田中もファウルで粘って四球を選ぶ。「最後まであきらめない」姿勢が風向きを変えた。1死後、坪井が死球で満塁。左打席に藤本が立った。マウンドは左腕の帆足。代打を送る手もあった。だが星野監督は「代える気はなかった。ショートはあの子でいかなあかんのやから。それにいい当たりしてたからな」。星野采配はズバリ的中。左前で弾んだ打球は左翼手のグラブをすり抜け転がっていく。その間に満塁の走者が一気にホームを駆け抜けた。 ドラマは今岡が完結させた。21日の紅白戦、無死1塁の場面でカウント0−3から簡単に打って出て遊ゴロ併殺打に倒れ、星野監督の逆鱗(げきりん)に触れていた。オープン戦とは思えない緊迫感、盛り上がりの中、打席に立った背水の男は、冷静に状況を見ていた。「内野も外野も前進している。きた球に合わせればいい」。2ストライクと追い込まれてから5球目の変化球に合わせた打球が中前で弾んだ。「あそこは引っ張りにいったらダメだったな」と星野監督。今岡が「自然に出た」という右手のガッツポーズは指揮官の檄(げき)にこたえたものだった。 今季のキャッチフレーズとなった「ネバーネバーネバーサレンダー」そのまま、敗色濃厚の試合を一気にひっくり返してのサヨナラ劇。3年ぶりのオープン戦初戦白星となるドラマチックな勝利は、シーズンへの期待をさらに高める。「粘りが違う? まだまだ早いよ。みんなでチェックして反省していいもの出していきます」。生まれ変わる阪神は、星野イズムにさらに色濃く染まっていく。 <写真上=試合中、テレビインタビューに笑顔で応じていた星野監督。初陣白星予感の笑顔? 写真下=9回の土壇場で超ミラクル白星を挙げた阪神ナインと首脳陣は、詰め掛けた大勢のファンとともにグランドいっぱいに響き渡る勝ちどきを上げた>
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