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片岡待ってました!1号 阪神片岡篤史内野手(32)が21日、安芸キャンプでの紅白戦で待望の一発を放った。1回裏の第1打席。星野伸の甘く入ったストレートをライトへ豪快に運んだ。この日の一戦は、久万俊二郎オーナー(81=電鉄本社会長)の見守る御前試合。その大舞台で「タテジマ1号」の記念弾。昨オフ日本ハムからFA移籍した虎史上最高額補強男が、「5年総額12億円」に値する勝負強さを証明した。
御前試合で記念弾
虎ファンの大声援に後押しされるように、打球がぐんぐん伸びた。5000人のギャラリーの熱い視線を、一斉に浴びた。1回裏の第1打席。カウント1−3から、片岡は星野伸の甘く入った真っ直ぐをジャストミートした。打球は大きな放物線を描き、右翼浜中のはるか頭上を越えて防御ネットを直撃。紅白戦2試合目、通算3打席目に飛び出した移籍1号。「実戦で結果が出ると気分的に楽になるね。安心するわけじゃないけど、ホッとする」。普段はめったに感情を表に出さない片岡が、珍しくにこやかに話した。 この日は、久万オーナーが視察する「御前試合」だった。お披露目となる舞台での勝負強い打撃が、周囲をうならせた。球団史上最高の5年総額12億円の補強費に値する器を証明。パ・リーグ時代の宿敵・星野伸には「あまり打った記憶がない」と振り返ったが、通算174勝左腕からの価値ある一発でもあった。 決して狙ったわけではない。しかし、体が自然に反応した。「打つというより我慢するという感覚でした。星野さんとの読み合いが楽しかったです」。打たれた星野も「さすがだね。完ぺきに打たれた」と舌をまいた。重圧との戦いでもあった。昨年12月「命がけで大阪に行く」と、日本ハムからFAで阪神移籍。地元関西の人気球団に入って、一躍スター扱いされた。アンケートで「今年の注目選手1位」に選ばれたことを聞いたときには「素直に喜んでいいことなんか?」と複雑な表情を浮かべたこともあった。期待への喜びと重圧が、片岡の頭を交錯したのだった。 精神面だけでなく、体に蓄積された疲労もピークだった。16日の紅白戦後には、罰走で球場から宿舎までの10 キロ を超える道のりを完走。「今までとは違う筋肉が痛くなった。ほんまにエライ」と、宿舎前の坂道を上がるのにも苦労するほどだった。 そんな逆境を乗り越えた片岡に、指揮官も“星野流”の賛辞を送った。「別にあんなもんは気にせん」。結果に一喜一憂しないのは信頼の証し。「本番はまだ1カ月以上も先。地に足をつけて、いいカッコせずにやりたい」。そう静かに話した片岡。どんなに騒がれようとも浮かれない。虎の移籍男は、黙々とヒットを打ち続けることでファンの期待にこたえるつもりだ。 <写真=紅白戦1回裏2死、片岡は星野伸(左)から1号右越え本塁打を放つ。捕手は矢野> 大石氏「引っ張るクセなくなった」 久しぶりに片岡らしい打撃をみせてもらった。球を呼び込んで打つのが片岡の長所。本塁打は高めの半速球を自分のタイミングでしっかり捕らえた当たりだった。2日続けてフリー打撃を注目して見たが、体が突っ込んで引っ張り気味になっていた。実戦で軌道修正できるのはさすがだ。 片岡とは長年、同じパ・リーグで戦った。引っ張って良し、流して良しの巧打者。ピンチで打席に迎えるのは守っていて嫌だったのを覚えている。昨年は一時期、引っ張り専門になり、体が突っ込む悪い癖がでていた。だが、紅白戦を見た限りでは心配なさそうだ。 持ち味はあくまでも広角打法。チャンスに強い打撃は大きな戦力になる。阪神ではアリアスとともに本塁打量産を期待されるが、一発にこだわらず、自分の長所を生かしてほしい。 (日刊スポーツ評論家) 田淵コーチ、打線構想明言 02年型猛虎打線が、23日のオープン戦初戦(対西武、安芸市営球場)で披露される。田淵チーフ打撃コーチがこの日、打線の構想を明かした。「片岡、アリアスは使ってそこそこのオーダーを組む。安芸のみなさんにお披露目したいしね」。1番赤星、2番上坂の核弾頭コンビに3番片岡、4番アリアス、5番桧山のクリーンアップ。さらに浜中はオープン戦全試合で使っていく意向だ。
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