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吉田義男は見た「星野監督は背中で語った」 グラウンドへ降り星野監督に「タテジマのユニホームは似合うね」と声を掛けると、彼は「先輩、気付いたことはどんどん言ってください」と気遣ってくれた。阪神監督就任から多忙を極めただろう。そこでは関西の人気球団の将たるを肌をもって感じたに違いない。星野監督は連日のようにマスコミ媒体を賑わした。しかし、キャンプ初日のこの日は、一転していた。まるで自分自身の存在感をかき消すかのようなポーズを決め込んだのだ。 怒声を浴びせるわけでもなく、もちろん鉄拳が飛ぶわけでもない。そんな静かな始動に星野監督の「したたかさ」を感じた。これからはお前たちが目立つんだ−。ひたすら熱い視線だけを送り続ける静の指揮官は、背中で選手たちにそう語っているようでもあった。 4年連続最下位に沈む阪神。そして、人材の米大リーグ流出、世代交代、野球人気凋落など、球界は過渡期に差し掛かっている。そんな逆風の中でも、プロ野球界の隆盛につながるのは、東の巨人ではなく、やはり西の阪神、猛虎復活であってほしい。そんな熱い思いを、星野監督の「静なる覚悟」に託したい。 (日刊スポーツ客員評論家)
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