| 第103戦 (8月17日) |
|
井川、プロ初体験“完封の味”カベ突き破った左腕エース…さらに成長若虎はスクスク育っています。井川が横浜打線をわずか4安打に抑え、プロ初完封勝利。6月14日以来2カ月ぶりの白星を見事な投球で飾った。ルーキーの赤星は3盗塁を決め、大量点を誘発。盗塁数を23としリーグトップに躍り出た。野村監督は「会心のゲーム」。こんな試合、もっともっと続けて欲しい。
64日ぶり7勝にホッマウンド上にできた歓喜の輪。その中心に井川がいた。たった1人で投げぬいた。記念すべきプロ初の完封勝利だ。三塁側ベンチ前で首脳陣、ナインと祝福のハイタッチを交わした瞬間、勝てなかった苦しみなど一気に吹き飛んだ。 野村監督「初めてか?」。 井川「ハイ、そうです」。 今季21試合目、プロ通算37試合目の登板でつかんだ完封勝利の実感は、すぐにはわかない。でも、長いトンネルを抜け出したことが何よりだ。復活を告げる今季7勝目。井川はウイニングボールをそっと左後ろポケットにしまいこんだ。 長かった。6月14日の中日戦(大阪ドーム)を最後に勝ち星から見放された。いつしか白星と黒星の数が逆転。若き左腕エースとして脚光を集め、球宴にも初出場。順調にステップアップしてきたが、大きなカベにブチ当たった。
6月中旬以降スタミナ不足を露呈した。左肩の違和感にも見舞われ、1年通して投げることの難しさを痛感した。後半戦からは、いい投球をしても不思議と勝てなかった。勝てない苦しみはボディーブローのように効いた。 だが、苦悩の日々ともオサラバだ。バッテリーを組む山田とは何度も打開策を話し合った。山田は「井川の場合、来年以降のこともある。たまたま勝っていてはダメ。(負け続けていた間)安定してストライクを取ることを話し合いました。今日は苦しいカウントでもストライクを取れましたよ」。一緒に苦しんだ分、女房役の笑顔も弾けた。 27アウトのうち17個が飛球。9つが内野への飛球だった。三振は5つだけだが、安打は4、四球は2。9回裏の投球でもこの日の最速142キロを記録した。攻めつづけてもスタミナはきれない。投球術、メンタル面。すべてにおいて成長の跡を見せた。井川は「山田さんは攻める気持ちは忘れるなと。これをきっかけにもっと勝てるように頑張りたい」と話した。 野村監督は「2カ月ぶり? 何をしとったんや。6勝までバタバタいってエエと思ってたけど、うまいことイカン。順風満帆とはイカン。紆余曲折。いろいろ経験して自分の肥やしにしてくれればいい。悪い時にどうするか。それが大事だ」と初完封のホメ言葉の代わりに人生訓を与えた。 「勝てたことがよかったです。とにかくホッとしています」。これが井川の偽らざる気持ちだ。実に64日ぶりの勝ち星。防御率も2.67で2位に浮上。もう、うつむかなくてもいい。 赤星、プロ初3盗塁リーグトップ「23」赤星がプロ初の1試合3盗塁で23盗塁に達し、リーグトップに返り咲いた。しかも速攻劇を呼ぶ足攻。1回、四球で出塁すると、2番今岡の打席で二盗、三盗。4得点のビッグイニングのお膳立てで快勝に貢献した。 「横浜だからとかは関係ないですよ。相手はどこでも走らなくては…」と言う赤星だが「でも石井さんがいるので、意識はしますよ」とライバル心を垣間見せる。この試合前まで1差つけられていた石井琢の目の前で3盗塁だから、してやったりだ。 試合前は悔しい残像が、赤星の脳裏にあった。15日の広島戦(大阪ドーム)、阪神先発のカーライルが崩れた。赤星のもう1人のライバル東出の足でかき回されたからだった。悔しかった。だから…。「今度は僕の番」とばかりに、横浜先発ホージマーを揺さぶった。「あれだけモーションが大きければ(成功するのも)当たり前」。結局、赤星の足に狂わされたホージマーは1死もとれずに4失点KOの憂き目にあった。 23盗塁は阪神では1988年、大野久がシーズン24盗塁して以来。新人の盗塁となれば、吉田義男(日刊スポーツ客員評論家)がルーキー年の53年に22盗塁を記録しているが、それも一気に抜いた。阪神の盗塁王となれば、その吉田が獲得した56年(50盗塁)以来出ていない。赤星が45年ぶりのタイトルに、また1歩近づいた。 桧山3打点いい仕事桧山が、まさに4番の働きだ。初回、無死満塁のチャンスには中前に先制打。そして5回には再び無死一、二塁という得点機に左中間二塁打で2走者をかえし中押しし、この試合3打点を挙げた。「初回は絶好の場面を逃がすわけにはいかないからね。5回は追加点のほしいところ。とにかくランナーがいたので、積極的にいこうと…」。完勝劇の打の立役者に、野村監督も「いいところでベテラン、桧山と広沢がいい仕事をした。言うことなし」とご満悦だった。 (45勝58敗:5位) | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
![]() | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||