第100戦 (8月14日)
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3連勝!広沢連発だ

桧山の連続試合安打ストップ

 桧山の連続試合安打記録が「28」で止まった。そして、広沢の300号が見えてきた。阪神は大阪ドームで13安打5得点で3連勝。この日の主役は桧山ではなく広沢だ。5回には逆転の特大2ラン、7回にも2打席連続で8号と1試合2発で勝利を導いた。広沢はこれでプロ通算297号。区切りの300号にあと「3」と迫った。桧山にヒットはなかったが、夏の虎はベテランも元気だ。

◇14日◇大阪D
  1 2 3 4 5 6 7 8 9
広 島

阪 神

【神】谷中―矢野
【広】高橋、小山田、酒井―西山、瀬戸、木村一
【本】広沢7号(5回、2ラン=高橋)広沢8号(7回、ソロ=高橋)

広沢、拙攻救う逆転&ダメ押し

 ゲームも乗っていたが、試合後も乗っていた。2打席連続本塁打でお立ち台に登った広沢が、いきなりインタビュアーからマイクを奪った。そして3万3000人で埋まった大阪ドームの観衆を前に、自ら切り出した。「あのお、前もっていっときますけど、大阪ドームで六甲おろしは歌いません」。その瞬間、期待していたファンは「エーッ」。

 そして「でも今度甲子園でお立ち台に立ったら必ず、六甲おろしを歌います! 一世一代なんで、甲子園で歌わせて下さい。みなさん、甲子園で六甲おろしを歌いましょう。待ってて下さい」。吉本も顔負け。広沢節全開の大熱弁、にスタンドは拍手カッ采大爆笑となった。

 前代未聞のマイクパフォーマンスの理由があった。「どうもみんな勘違いしてるんだよなあ」と試合後、頭をかく。6月21日の巨人戦(甲子園)でサヨナラ打した時「今度サヨナラを打ったら、お立ち台で六甲おろしを歌います」と宣言した。「でも、それがどうしてか、会う人、会う人に『次のお立ち台で六甲おろしですね』って言われる。俺は『次にサヨナラ打したら』っていったのに」。

 世間は「次にサヨナラ打」ではなく「次にお立ち台」のムード。だから、さすがの広沢も「みんなそれぐらい期待してくれてるんだから」と覚悟を決めた。ただ、どうしても譲れなかったのが舞台。「恥を忍ぶんだし、後のちまで(記憶に)残るんだから」と、晴れ舞台を甲子園にこだわり、この日の“お断り”となった。

 そこまでエンターテイナーになれるのも、この日の大活躍があればこそだった。1点を追う5回、高橋の内角142キロ直球を左翼席に叩き込む逆転決勝の7号2ラン。7回には8号ソロを同じ左中間へ運び、7日の巨人戦(東京D)に続く1試合2発。4回の中前打と合わせた3度目猛打賞は、虎の連勝を3に伸ばす価値ある働きだった。

 「広沢はどうなってんの? この球場は打ちやすい。この球場が本拠地だったら…。いてまえ打線とはいかないけど、阪神もイケイケ打線ぐらいにはなれるで」

 目を丸くした野村監督は、そんなジョークも飛び出すほどの上機嫌。何しろ、前半戦は出場51試合で打率2割6分1厘、3本塁打、15打点と低迷した元主砲が、後半戦は13試合で打率3割3分3厘、5本塁打、13打点の大活躍。引退危機どころか今や桧山と並ぶ絶好調男だ。

 「明日から、朝起きたら発声練習するよ。でも本当に歌ったらどうなるんだろう。今からドキドキしてるよ」(広沢)。この日、桧山の連続安打が28で途切れたが、ファンには新しい楽しみが出来た。広沢は通算300号まであと3。そして甲子園での残り試合はあと14。球界史上前代未聞、広沢一世一代のパフォーマンスに、乞うご期待だ。

スタメン
阪 神
広 島
赤 星木村拓
今 岡東 出
浜 中緒 方
桧 山金 本
広 沢ロペス
矢 野野 村
塩 谷ディアス
沖 原西 山
谷 中高 橋

桧山、29試合連続ならず

 真夏の夢がついに終わった。28試合連続安打中の桧山のバットから快音が途絶えた。あと5試合で高橋慶彦氏が持つ33試合連続安打の日本記録に並ぶ快挙達成だったが、この日は広島高橋に4打数無安打。更新中だった球団記録も28試合でストップした。

 東都2部リーグ時代から友人の高橋(拓大出身)に対し、桧山(東洋大出身)は98年から13打数0安打。苦手左腕にこの日も沈黙。二ゴロ、遊飛、投ゴロ、三振に仕留められ、屈辱の4年越しの17タコで快挙を阻止させられた。

 「3打席ともヨミはあってたんですが、打ち損じた。特に2打席目の甘いスライダーを逃したのが痛い。唯一の甘い球でした」。試合後はサバサバ。8回にあと2人出れば5打席目が回るチャンスだったが、四球出塁の赤星がけん制死。ベンチへ帰って謝る赤星に、選手会長は「気にすんな」と逆に声をかけて励ました。「記録はいつか止まるもの。それより8回、ベンチで『もう1打席回ってくればいいのに』とみんなが言ってくれた方がうれしかった」。快進撃は止まったが、28試合連続安打で球団記録(それまで99年の大豊の26試合)を更新。近日中にも特別表彰される。

桧山、歴代7位・28試合連続安打

 ▼桧山が無安打。7月3日の中日戦(ナゴヤドーム)から続けていた連続試合安打が「28試合」で止まった。28試合連続安打は99年、大豊(現中日)が記録した26試合を抜いて球団新記録。これまで29試合以上は高橋慶彦(79年、広島)の33試合から6人おり、桧山は歴代7位(2リーグ分立後なら6位)になる。▼広沢はこの日、2本のホームランを放ちプロ通算300号にあと3本と迫った。阪神在籍中に300号を記録したのは田淵幸一(69〜78年に320本、西武で154本)、掛布雅之(74〜86年、349本)の2人。

谷中、完投5勝

4安打3失点お見事コイ料理

 ベンチに谷中を交代させる気はなかった。最終回。ディアスの中前適時打で2点差。野村監督は座ったままだった。木戸バッテリーコーチが、マウンドに出向いて“間”をとる。120球目、最後の打者・木村一を中飛に仕留めた時、谷中に派手なガッツポーズを決める余力もなかった。

 今季2度目の完投で5勝目。「今まで4年で5勝しかしてないのに、阪神で5勝ですから…。出来すぎです」。照れ笑いを浮かべた顔に不思議と汗はなかった。さわやかな笑顔で、谷中は「出来すぎ」を連発してみせた。

 9回を4安打3失点。まず、序盤に崩れかけた。谷中の武器は、真っスラとシュート。そのシュートが抜け気味で、3回まで2つの死球を与えてしまう。「強気? 僕からそれがなくなったら打たれますから」。内角を見せ球にして、外角球で勝負するコンビネーションで乗り切れば、あとはスイスイだ。

 お盆休みの真っ只中のこの日、ドームに両親と愛妻伯子さん(30)を招待。家族の見守る中での熱投だった。チームメートで先輩の中込がもらす。「谷中がオレと同じ真っスラで勝負するタイプなんだよね。負けてられないよ」。競争で相乗効果が芽生えるチームは強い。広島、横浜相手に続く6連戦の初戦に谷中完投は大きい。この夜、自宅の居間に、プロ10個目の大切なウイニングボールが並んだ。

塩谷、効果的5点目

 ダメ押しのダメ押しは矢野&塩谷の7、8番コンビの連打だった。7回2死から、広沢のソロで2点差とすると、続く矢野も左中間三塁打を放って高橋をKO。代わった小山田からも塩谷が右中間二塁打し、矢野をホームへ迎え入れた。矢野が「谷中が頑張っていたので、少しでも助けてやりたかった」と援護射撃を強調すれば、塩谷も「何とか矢野さんを返したかった」とエッヘン。9回に2点差まで詰め寄られただけに、効果的な5点目だった。

(44勝56敗:5位)


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