| 第83戦 (7月18日) |
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八木同点、エバンスV打で6連勝6回に4安打集中…7月リーグ首位逆転の虎がキバをむいたのは6回だった。八木の同点打に続き、エバンスが決勝打。復活マウンドの巨人桑田をKOし、今季初の6連勝だ。対長嶋巨人4連勝で絶好調の7月を9勝4敗。借金もついに1ケタ。7月だけなら阪神首位! ウソのようなホントのお話です。
巨人・桑田KO、逆転G倒耳をつんざく拍手と大歓声が鳴り止まない。4万5000人を飲み込んだ甲子園が、六甲おろしと万歳三唱で揺れた。野村阪神がまた勝った。それも宿敵巨人相手にミラクル大逆転だ。強い。本当に強い。ついに今季初の6連勝! この日の主役は、4点をたたき出した八木&エバンスの“がけっぷちコンビ”だった。
まずは0―3で迎えた5回。「このまま沈黙してるわけにはいかないよ」。エバンス気合のひと振りが、巨人桑田の139キロ直球を左翼席へ。やっと出た18試合ぶり2号弾が反撃の号砲だ。そして6回、赤星&桧山のヒットで作った1死一、二塁のチャンス。「おれも気合入ったよ。たまには仕事しないとね」。今度は八木が、スライダーを左越えに運ぶ同点2点二塁打だ。後はもう押せ押せ。続くエバンスが間髪入れず、左前へ弾き返し、大逆転劇は完結した。 ともに赤星、上坂、浜中ら売り出し中の「若虎」の影に隠れ、存在感は薄れつつあった。八木はこの日まで打率2割4分6厘で1本塁打。今月初旬、野村監督は和田を1軍昇格させる代わりに、八木を降格する案を明かしていた。もし2軍行きなら、引退の危機。だがそんな時、支えてくれたのがファンからの励ましの手紙だった。「『私達中年サラリーマンのためにも、まだまだ頑張って下さい』とか、病気の子とかが『八木さんが打ってくれて勇気をもらいました』とかね。こっちも頑張らないとって思うよね」。36歳の体にムチ打ち、こっそり三塁側室内で早出特打を行い、結果を出した。 エバンスも同じだった。この日まで1本塁打。このままでは来季の契約は厳しい状況にあった。だが本人は「もちろん、来年も日本でプレーしたい」一心。神戸市内にあるマンションに対戦相手のビデオを持ち帰り、“1人反省会”を続けていた。「ようやく、日本の野球に慣れて来たところなんだ。これからを見ていて欲しい」。そして2安打2打点。ついに打率を3割ジャストまで押し上げた。 まだまだ若虎には負けられない。そんなベテランと助っ人の意地が鮮やかなG倒を演出した。連夜の日替わりヒーロー誕生に、もちろん野村監督も大満足だ。「あそこでよく集中打が出た。八木がよく打ってくれたよ」。この日の37勝目で、気が付けば3位中日とも白星1つ差。そしてついに6月22日以来、26日ぶりの借金1ケタだ。目指すは19日の前半戦最終戦、巨人3タテ、7連勝でのフィナーレだ。 “守備は上々”赤星超美技2回、巨人の追加点をもぎ捕った飛んだ。捕った。赤星のスーパーキャッチだ。仁志のライナーを、小兵が地面すれすれのところでつかんでみせた。4万5000人ファンが、そのファインプレーに惜しみない拍手を送った。 2回。序盤に3点をリードされて、なおも1死二塁の場面。仁志の左中間への打球が抜けていれば、さらに点差は広がっていた。「あれは赤星でないと追いついていないプレー。ナイスプレーでした」(吉竹外野守備コーチ)。 そこには赤星の巧みな“読み”が働いていた。仁志が打席に入った時、やや右中間寄りに守備位置をとった。ここで「仁志さんは引っ張ってくるかもしれない」(赤星)という意識をもった。まして、この日の甲子園は、右から左への強い浜風が吹き続けた。カーライルの初球に対して、矢野が構えたのは内角だ。カーライルが投げ込んだ瞬間、赤星の足はもう左中間方向へと動いていた。 「あのまま普通に(右中間に)守っていたら、絶対に捕れなかったと思います。(投手が)投げた瞬間にもう動いていました」 風向き、守備位置、打者の打球の特性、味方バッテリーの配球…。したたかな“読み”が、ここぞという瞬間のプレーを呼んだ。バットでも2安打で好守に働いた。競り勝った試合後、赤星のタテジマのユニホームは泥だらけだった。 鮮やか方程式、決まった必殺継投遠山が松井、福原が高橋由をK斬り勝利を呼び込んだのは、虎が誇るリリーバー陣の“0点リレー”だった。先発カーライルが5回3失点でマウンドを降りると、そのバトンを受けた男たちがゴールまで巨人打線に得点を許さない。6回から西川―谷中―遠山―福原―成本…。ベンチの狙い通りに勝利の方程式を完成させた。 痛快だったのは8回。1死一塁で松井を迎えると、遠山の出番だ。「粘られたというより、うまくシュートでカウントを取れた。最後はいい攻めができた」。1発が出れば逆転される場面だったが、カウント0―1から4球ファウルの後に外のスライダーで空振り三振。見事に第1関門突破だ。さらにバトンを受けた福原も仁王立ちだ。清原に左前打を許したが、次打者の高橋由をカウント2―3からフォークで空振り三振。第2関門を突破して、成本につないだ。 ご褒美をもらったのはリリーフ陣で最長の1回3分の2を投げた谷中だった。「1人1人に丁寧に投げるだけ。大観衆の中で投げさせてもらうだけでうれしいですからね」。しかし3勝目ゲットよりも、満員の虎ファンの中で好投できたことがうれしい。16セーブ目を挙げた守護神成本も「チームのムードがいいですからね。負けていたけど、必ずもつれて出番があると準備してました」と、チーム一丸の勝利を強調していた。 カーライル、女神に感謝先発カーライルは合格点の内容だった。不安定な立ち上がりは解消されず、2回までで3点を失った。しかし以後は巨人打線を3人ずつに抑え、5回でお役御免。この試合には婚約者のジェシカさん(25)が5勝目を挙げた11日横浜戦(横浜)に続き、2度目の観戦。「最初は1人でホームシックにかかったみたいだったけど、私がきたら元気になったわ」と熱い声援を送っていた。カーライルだけでなく、チームにとっても勝利の女神となりそうだ。 矢野、気合の犠飛貴重な追加点は、矢野のバットから生まれた。8回裏。わずか1点リードの1死満塁。「なんとしても得点が欲しかった。なにがなんでもランナーを返そうと思った。意地でも打ってやろうと気合が入った。気持ちで打てた」。巨人の5番手・南の投球に食らいついて右犠飛で1点を加点。最終回、ストッパー成本の負担を軽くするためにも好女房ぶりを発揮してみせた。 (37勝46敗:4位) | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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