第44戦 (5月25日)
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井川、今季最短3回KO

調整狂い?中8日が裏目…

 勘弁してよ、空中戦。阪神投手陣が、巨人が誇る大砲軍団にコテンパンに打ちのめされた。まず満を持して中8日で先発、頼みの井川が松井に先制パンチ。3回には清原にも8号ソロで今季最短のKO。あとは雪崩現象の5発献上で、ついに借金は2ケタ「10」になった。打線は上原を攻略できず、これで3年越しの10連敗。甲子園4万8000人観衆も、完全力負けにため息も出ない?

◇25日◇甲子園
  1 2 3 4 5 6 7 8 9
巨 人

12
阪 神

【巨】(勝)上原、条辺、岡島―阿部
【神】(敗)井川、伊達、谷中、吉野、遠山―矢野、カツノリ
【本】松井11号(1回、2ラン=井川)清原8号(3回、ソロ=井川)
江藤15号(6回、2ラン=谷中)松井12号(6回、ソロ=谷中)
桧山3号(7回、ソロ=上原)クルーズ9号(8回、3ラン=条辺)
マルティネス2号(9回、3ラン=遠山)

今季初の「2被弾」5失点

 井川で勝てない―。重苦しい空気が試合後の通路に漂った。その中を放心の井川が歩いていく。「……」。報道陣から何を聞かれても、無言のまま。少し上の方を見つめながら、口を固く閉ざした。2連勝中のGキラーがまさかの3回KO。今季最短の降板にチームは浮上の翼を失った。

スタメン
阪 神
巨 人
浜 中仁 志
赤 星元 木
ペレス江 藤
クルーズ松 井
桧 山清 原
塩 谷高橋由
矢 野二 岡
田 中阿 部
井 川上 原

 たった「1球」で井川はリズムを崩してしまう。立ち上がり、仁志、元木を連続三振に斬って取り、絶好調かと思わせた。しかし3番江藤にカウント2―3から内角へのカーブが外れ、四球を与えてしまう。今季初めてスタメンで井川と組んだ捕手矢野はこの1球を悔しがった。「調子はよかったんだ! あの球が『ボール』と言われて、変わってしまった。ストライクだと思ったんだけど…」。続く4番松井にインコースの球が甘く入り、2ランを浴びる。3回には清原にも1発を浴びた。今季初の2被弾。失点も最多の「5」となった。

 変則的なローテーションが井川の微妙な制球を狂わせている。この日は中8日での登板。本来は22日の中日戦(富山)で登板し、中4日で27日の巨人戦に向かう予定だった。しかし中日戦は雨で流れ、巨人との緒戦に変更となった。野村監督が「巨人に通用するのは、井川しかいない」と最優先に井川の登板を組むため、5月に入ってから、中9日、中5日、中8日と間隔はバラバラ。「経験がないから分からない」。ローテーションに対する質問に、井川はこう答えていた。調整の難しさを感じていたのかもしれない。

借金10、対上原10連敗

 頼みの「綱」が切れ、借金は今季最多の「10」。ついに2ケタに突入した。野村監督は試合後、「井川? 若いからな。こういう時もあるやろ…。こういう日もあるわ」とポツリと話した。今季4度目の3連敗。「こういう日」が繰り返され、事態は深刻になりつつある。

 <データ>▼阪神は25日の試合で巨人上原に、99年5月30日の10回戦から10連敗となった。ここまで12試合(2敗)に先発している上原だが、完投勝利は10勝のうち3試合(うち1試合が完封)。ただ、10連勝の試合の通算イニングは77回で単純計算すれば7回2/3以上は投げている。ちなみに10連勝中の四死球は13個で、こちらの1試合あたりは1・3個。抜群の制球力が連勝の一因になっている。

クルーズ意地の9号3ラン

巨人戦4本目

 甲子園の沈んだムードを一瞬、振り払ったのが、阪神主砲クルーズだった。1―9で迎えた8回表2死一、二塁の打席。巨人2番手・条辺の直球に、鋭く反応した。初球の144キロを、思いきり叩いた。大きな放物線を描いた打球が右翼席に飛び込むと、甲子園が25日一番の歓声に包まれた。9号3ラン。胸を張り、悠々とベースを1周してみせた。

 4番の意地だった。17日の巨人戦(福岡)の試合中に左肩を痛めたが、ひとり必死のリハビリを続けてきた。遠征先富山、金沢の宿舎で取り組んだのが、左肩のエクササイズ。ゴムチューブとダンベルを使い、6種類の運動を1日2セット。注意深く、患部の回復に努めた。打撃陣の不調は、痛いほどわかっていた。4番の仕事も理解している。だからこそこの日も、ひと太刀だけは浴びせたかった。巨人戦4本目の1発には、4番の意地が詰まっていた。

 意地は見せたC砲だが、試合後は厳しい表情。「チームが負けたときは、話すことはないよ。ノーコメントだ」。自らの打棒が勝ちにつながらないうっ憤がにじみでていた。

桧山、3号も笑顔なし

 上原に一矢報いた会心3号の桧山は試合後、厳しい表情を貫いた。「何も言うことはないよ」。0―9で迎えた7回裏先頭の打席。巨人上原のストレートをフルスイングし、右翼席に運んだ。守備でも序盤に2度ダイビングキャッチを試みるなど奮闘。雰囲気の悪いチームにあって快調な動きを見せていたが、勝利にはつながらなかった。

(17勝27敗:5位)


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