第41戦 (5月19日)
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ペレス“鬼門脱出”の一発

4試合ぶりスタメンで発奮

 阪神が神宮連敗を「8」で止めた。奮起したのは“不振の右トリオ”。今季初の4番の広沢が先制打を含む2安打なら、4試合ぶりスタメン復帰のペレスが豪快に2号ソロ。今岡も3安打猛打賞で気を吐いた。先発カーライルは6回1失点で3勝目だ。18日の大敗後、スタンドからビール、ピーマンが投げつけられた野村監督だが、この夜は祝福と「六甲おろし」が降り注いだ。

◇19日◇神宮
  1 2 3 4 5 6 7 8 9
阪 神

ヤクルト

【神】(勝)カーライル、弓長、葛西、成本―矢野
【ヤ】(敗)山部、本間、ハースト、島田―古田
【本】ペレス2号(3回、ソロ=本間)池山2号(6回、ソロ=カーライル)

“不振の右トリオ”の1人、広沢もV撃

 心地よい感触が両手に残った。打球は阪神ファンに埋め尽くされた左翼席へ舞い降りた。3―0で迎えた3回、2死の場面。ペレスが今季2号ソロを放った。「余計なことは考えず、また、結果を恐れず、ただボールを強くたたこうと思った。いいポイントで捕まえられたと思う。久々に納得する一打だった。これを機にどんどんいきたいね」。

スタメン
阪 神
ヤクルト
浜 中真 中
的 場宮 本
塩 谷稲 葉
広 沢ペタジーニ
ペレス古 田
矢 野ラミレス
今 岡池 山
赤 星土 橋
カーライル山 部

 本当に、久々だった。本塁打は5月4日の対中日戦(甲子園)、第4打席で放って以来、39打席ぶり。スタメン出場も同15日の対巨人戦(福岡ドーム)以来、4試合ぶりだ。同僚クルーズは左肩痛のため2試合連続で欠場したが、不振を理由に外されたペレスとは意味合いが違う。その分「心の葛藤」があった。

 「ベンチの時も気持ちを切らさなかった。資料を見て、いつでもイケルよう準備していたよ」。初めてスタメンを外された16日(対巨人戦、福岡ドーム)の試合前。柏原打撃コーチからタイミングの取り方についてアドバイスを受け、左足を上げるスタイルに変えた。不振にあえぎ、技術的にも試行錯誤の連続だった。それだけに、復活を告げたこの1発は意義がある。

 ベテラン広沢も意地を見せた。昨年6月4日の対広島戦(甲子園)以来、約1年ぶりの4番でチームを勝利へと導いた。1回、2死二塁から放った中前先制タイムリーを含む2安打の活躍。「オレが4番なんて思っていないよ。4番目に打っているだけ」。謙虚なところがまた、心憎い。

前夜はピーマン、この夜は六甲おろし

 打ちも打ったり。今季チーム最多タイの14安打。昨年から続いた鬼門・神宮球場での連敗を8で止めた。久々に味わう神宮での“ビクトリー・ロード”。野村監督は「外されることでいろいろ考えたんだろう。しばらく外されると、いい働きをするもの。広沢しかり。ペレスしかり。ベンチの中で見ていて感じるものがあるんだろう」と選手心理を代弁した。

 試合後、左翼側スタンドからは、惜しげもなく“称賛と歓喜のシャワー”が降り注がれた。前夜(18日)メガフォンやピーマンを投げこまれたのが、ウソのよう。広沢も思わず「今日は安心して帰れるよ」と笑った。神宮の杜に、いつまでも歓声が響いていた。

今岡が28日ぶり大暴れ

 7試合ぶりのスタメン出場となった今岡は4打数3安打で28日ぶりの猛打賞を記録した。「久しぶりでも調子は自分なりによかった。今年は余計なことを考えず、出番があれば、全力を尽くすだけです」と話した。5回には本塁を狙い、クロスプレーで右足を痛めたが「明日も大丈夫ですよ」と問題はなさそうだ。

赤星、2戦連続2安打

 赤星が2試合連続の2安打で打率を3割1分5厘まで上げた。2回には犠飛も放つなど成長。「これだけ応援に来てくれるし、今までの負けを取り返したかった。3割キープ? そんなんじゃなく、出塁率を高めたい」と力強かった。帰りのバスに向かう途中、スタンドのファンからの声援にも帽子を脱いで、手を振った。その表情は自信に満ちていた。

カーライル“ヤ斬り”3勝

「投壊」救う粘りの投球

 マウンド上で思わず咆えた。カーライルはダッシュでベンチに帰る。これ以上ない気迫を前面に押し出した。5回裏2死、4番ペタジーニとの対戦。カウント2―1と追い込んでから、146キロストレートを外角いっぱいに投じた。目下14本のホームラン王のバットは空を切る。「遠征でも多くのファンが応援に来てくれる。熱気に押されたよ」。この瞬間で勝負あった。6回1失点の力投で神宮8連敗ストップの一翼を担った。

 「投壊」を救う粘りの投球だった。ここ4試合で福原、ハンセル、川尻が敗戦投手となり、先発投手陣は危機を迎えていた。カーライルも不安定な立ち上がり。1回裏には3連続四球で2死満塁のピンチを招いた。しかし追い込まれてからの直球に球威があった。6番ラミレスを135キロの重いストレートで二ゴロに打ち取る。「得点圏ではとにかく必死で投げたよ」と3回まで毎回、得点圏に走者を背負ったが、集中力は切らさなかった。

 これで4月12日、ヤクルト戦(甲子園)以来の3勝目。今季対ヤクルト2勝のすべてが、この助っ人だ。「暖かくなれば、調子も上がってくる。肩の出来上がりも早いしね」。成本からウイニングボールをもらい、右ポッケに大事そうにしまった。ツパメキラーの誕生だ。

ヒヤヒヤ守護神・成本

 不動の守護神成本がヒヤヒヤのリリーフとなった。4点リードの9回表からマウンドに上がったが、4安打を浴び、2点差まで詰め寄られた。なおも2死満塁で7番池山を迎えたが、空振りの三振に斬って取りゲームセット。「最後はヒヤヒヤさせて、バックの人に申し訳なかった。(池山には)開き直っていったよ」とホッとした様子だった。19日はセーブはつかなかったが、これで12試合すべてに救援成功となった。

(17勝24敗:5位)


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