| 第38戦 (5月16日) |
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クルーズ、お目覚め7号気分いい1点差ショー
※●は「王へん」に「民」
不敗神話は続くクルーズの打球はゆるやかにライトスタンドに向かった。巨人ファンのため息の中に吸い込まれる。その光景を背に、主砲はじっくりダイヤモンドを1周した。26日ぶり、実に20試合ぶりに味わうこの感触。4回表1死からの4番クルーズの7号ソロは自らの復活、そして阪神打線の復調を決定付ける一打となった。 クルーズ 内角寄りのスライダーだった。気負い、迷いという雑念を振り払い、ボールに集中した。狙い球を絞り、しっかりスイングできたと思うよ。バットの先だったけれども、よく飛んでくれたね。
この試合には「助っ人」の意地がかかっていた。僚友ペレスが来日して初めてスタメンから外れた。「(復調の)兆しがないからね。守れないし、肩も弱いし。チームを考えると高い犠牲だけど…」と野村監督は英断。これまでどんなに打撃不振でも2人そろって出場していた。クルーズは「彼と僕は仕事が違う。(スタメン落ちは)全然考えなかったよ。球を打つことだけを考えていた」と話すも、ショックもあったはずだ。その意地をバットでアピール。ホーム生還後、祝福に出迎えたナインの最後尾にいたペレスとこぶしを合わせて、喜びをわかちあった。 福岡ドームとは相性がよかった。3月10日のダイエーとのオープン戦でもソロアーチを放っている。あの時も同じライトスタンドだった。今回の遠征では大好きなハードロックカフェに通った。「全国どこでも必ずあれば、行くんです」とともに行動する安倍井通訳も苦笑いを浮かべる。それでも福岡ドームでの感触だけは忘れていなかったようだ。 これで「不敗神話」は続行した。クルーズがホームランを打った試合はすべて勝利を収めている。「ホームランよりも、とにかくチームが勝てたのがうれしいよ」。口癖となったこのセリフをこの日も満足そうに残した。オープン戦では7本塁打を放ち、「バースの再来」と呼ばれた。頼れる主砲の復活で今季初の巨人戦勝ち越しを狙う。 F1藤本“でっかい”プロ1号凸凹コンビでG倒クルーズとは身長差15センチ。173センチの小柄な藤本が日本一本塁打の出にくいと言われる福岡ドームで記念すべきプロ1号だ。5回表無死一塁で回ってきた打席だった。3連勝中の巨人先発鄭の136キロ内角ストレートをジャストミートした。ライナー性の打球だったため、藤本は全力疾走。途中でホームランと気づき、ぺースを落としてダイヤモンドを一周した。 「まさか入るとは思っていませんでした。山田さんが出塁していたんで、何とかしよう。それだけでした」。巨人戦で初めて受けるヒーローインタビューに顔を紅潮させてこたえた。ミート中心のしぶとい打撃を信条とする。それだけに福岡ドームでのプロ1号にビックリだ「一、二塁間を狙ったのに、まさか本塁打になるとは思わなかった。だってここ2日間の練習でも本塁打は出なかったんですよ」。コメントもルーキーらしく初々しい。 貴重な一発で勝利に貢献。だがF1セブンの一員である自分の持ち味は忘れない。「巨人戦の意識はありませんでした。これからもチームの勝利に貢献したい」。背番号56が一回り大きく見えた。 出た!野村スペシャル継投遠山―葛西=遠山一塁薄氷の勝利をもたらしたのは遠山―葛西=遠山一塁の野村スペシャル継投劇だった。1点リードの7回1死。左の代打清水のところで遠山を投入。「真ん中でもいいから、思い切っていこうと思った」。清水を二ゴロ、続く阿部も三振と完ぺきに封じ込んだ。 8回には葛西を継ぎ込んでの防戦に出る。同時に遠山を一塁に回して昨年6月10日の横浜戦(札幌)以来の野村スペシャルに入った。2死から元木に左中間二塁打が出て一打同点の危機。ここで江藤が一塁線ゴロ。一塁手遠山が腰を落としてしっかり処理する。「練習してないから守りは難しいよ」と話すが、ロッテ時代に野手へ転向し一塁を守った経験が生かされた。 対松井「弓長でいける」野村監督ベンチの思惑通りの継投劇。試合後、野村監督の声のトーンも高かった。「あの回、松井に回った時の備えだった。(葛西が)しのいでくれたから、9回は弓長でいけるだろうと思った」。8回、葛西が投げて4番松井まで打順が回れば、一塁手の遠山を再び投入する考えだったが、葛西は3番江藤で巨人の攻撃を絶った。9回表は1死一、二塁の加点機に遠山に打順が回って来たため、代打ペレスを使う。その裏、最後の守りでは先頭打者松井に対し、ためらわずサウスポー弓長を立てた。 薄氷逃げ切りその弓長が松井を二ゴロ。最後は成本が締めて7セーブ目をあげた。「前のピッチャーがしっかりつないでくれた。全員でやっていくしかない」。野村阪神に拾われたストッパー成本が救援陣の気持ちを代弁する。「まだ100試合以上あるから(中継ぎ陣を)休ませたいんだが、その代役がいない」と野村監督。最後の切り札である一塁遠山を使う6人リレーで巨人を振り切った。 井川、ホロ苦5勝5回0/3を4失点ハーラートップタイの5勝目は手にした。が、エース井川の表情は冴えない。「程遠い内容です」と試合後は自分を責めた。5回までに、自らのセーフティースクイズで奪った先制点も含めて5点の援護。しかし5回裏、代打川相に1号ソロを浴びてから、投球にズレが生じた。2死からヒットと2四球で満塁。高橋由を遊ゴロに仕留め、何とか切り抜けたが、続く6回は無死から四球、安打、四球でまたも満塁のピンチを作り、降板となった。 「コントロールが悪かった」と八木沢投手コーチも少々おかんむり。井川自身も「四球で自滅しました。今後の課題です」と反省した。セットからとノーワインドアップからの2種類を使い分けた事に関しては「自分のリズムを大事にした」と話した。ただ、それでも最低限の責任は果たし、巨人からも2勝目を挙げたエース。「次の機会に頑張るだけ」とホロ苦い経験を糧に、さらなる飛躍を誓っていた。 山田、気を吐く2安打山田が2安打で気を吐いた。3回の1打席目は左翼線へ二塁打。1死後、ボークで三塁へ進み、井川のスクイズで先制のホームイン。この時、サインを見逃すボーンヘッドもあったが、5回の2打席目には先頭打者として中前打で出塁し、続く藤本の2ランを呼んだ。試合後は井川の話に終始。「最後(降板の6回裏)はああなったけど、最初から飛ばしてよく投げた。責任は果たしたんじゃないですか」と若きエースを気遣った。 (16勝22敗:5位) | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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