| 第33戦 (5月10日) |
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井川で連敗脱出ハーラートップタイの4勝目
さすがエース井川は花道で、引き揚げてくるナイン全員を出迎えた。殊勲打を放ったクルーズが笑いながら、その頭をポンと軽く叩く。「ニヤッ」。その時、井川の硬かった表情が初めて緩んだ。「今日は課題だけが残った。本当に野手の方のおかげです」。ヒーローインタビューでは真っ先に打線への感謝の気持ちが出た。デキには納得していない。それでも井川が連敗を「3」でストップさせた。ハーラートップに並ぶ4勝目。どんな時も勝利を引き寄せる、エースの役割は果たした。
前回登板から中9日と長い間隔があった。その間、1勝6敗とチーム状況は最悪。黒星が重なるたびに井川へ期待が高まった。しかし神経質なほど、周囲の雑音をシャットアウトした。連日、大勢の報道陣が群がったが、練習後にダッシュでロッカールームに戻ったり、何を聞かれても「分かりません」と答えた。その反面、登板前日(9日)の午後にはCD店や雑貨屋へショッピングに出歩くなど、スイッチのオン、オフを巧みにこなし、集中力をキープした。 「(中9日は)関係ない」という井川だったが、序盤はその影響がモロに出た。変化球の制球を欠き、7回まで毎回の走者を許す。ペースをつかめなかった。何よりトレードマークの奪三振が少ない。結局3個。リーグの奪三振率トップもバンチに奪われた。それでもここ1番で粘りを発揮する。 5点リードの6回裏。2死一、三塁で代打中根を迎える。捕逸で1点を許し、嫌なムードが漂ったが、それでも140キロのストレートを思い切り内角に投げ込んだ。「あわやレフトスタンド」の当たりだったが、フェンス手前で失速し、左飛。何度となく来るピンチは直球勝負――。それは井川の強い気持ちだった。 前日から貝を決め込んだ野村監督も「(井川は)ようがんばった。制球が悪い? それが持ち味じゃないの」と称えた。しかし井川は謙虚を忘れない。「また勝てるようにガンバリマス。一生懸命ガンバリマス」。ローテーション通りなら、次回登板は巨人戦(15日から福岡ドーム)。スカッとする快投をエースは胸に誓った。 スクイズで初打点井川がプロ初打点をあげた。チーム13安打のコツコツ得点の最後のトドメは小技、井川自身のスクイズだった。7回表1死一、三塁でカウント2―1から高めのボール球に食らいついて成功。それまで13安打を放ち、イケイケの攻撃を見せていただけに、この意表を突く8点目は大きかった。松井ヘッドコーチは「あれがポイントだった。それにしても井川はよく決めたね」としてやったりの表情を浮かべた。 打線爆発13安打8点ケガの功名…ペレス「5の2」「PC砲」が復調気配だ。今季33試合目にして初めて、ペレス、クルーズがそろって打点をマークした。まずは4番クルーズだ。1―1の同点で迎えた3回。1死一塁からペレスが右前打で続き、一、三塁の場面。横浜先発バワーズが投げた138キロ、内角直球を中前に弾き返した。 クルーズは「ボールぎみ。つまりはしたが、センター方向に打ち返すことができた。うまくバットのヘッドを球に押し込むことができたよ。この流れを止める訳にはいかなかった」と目を細めた。この日、残りの4打席はすべて三振を喫したが、ここぞというところでタイムリーを放った。 同僚ペレスも負けてはいない。6回、1死一、二塁から左翼線へ2点適時二塁打。「打ちにいきながらタイミングを合わすことができた。自然とバットが出ていったよ。本能のタイミングに身を任せた感じだね」。前日(9日)左スネに自打球を当てて体の余分な力が抜けたのか、調子は上向き。勝利に貢献できたことにゴキゲンだった。 両助っ人とも打撃不振にあえぎ、ゴールデンウイークは絶不調。しかし、ここへきて復調気配を見せる。チームも5試合ぶりに先制点を奪い、13安打で8得点。拙攻、拙守も確かにあったが、チームの得点も遅ればせながら3ケタ(104)に到達した。松井ヘッドコーチは「もうひとつすっきりした形じゃないけど、勝ったのは大きいよ」。勝利がチームのムードを変えてくれるに違いない。 秀太「大当たり」4安打7番セカンドでスタメン出場した田中が4安打猛打賞の「大当たり」だった。第1、第2打席では右前打。5回の第3打席では、2死三塁からセフティーバント。小フライとなったものの、ショートの前にポトリと落ちるラッキー安打で打点もマークした。田中は「自分の思った所へ転がすことはできなかったけど、ラッキーです」と苦笑い。勢いに乗った田中は第4打席でも左前打を記録。「若いのが打っているから、やらないと」とさらなる奮起を誓った。守備ではタイムリーエラー(7回裏)もあったが、打撃でチームの勝利に貢献した。 6日ぶり守護神成本井川の後を受けて7回途中から伊藤、遠山とリレーし、最終9回は守護神成本が登場。セーブのつかない場面ながら、4日の中日戦(甲子園)以来のマウンドを無難に抑えた。「こういう展開だから出番があると思っていた。放れるゲームできっちり仕事をしたいと思ってるから」。走者を1人出したものの、6日ぶりの登板でしっかり存在感をアピールした。 (13勝20敗:6位) | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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