第115戦 (9月3日)
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井川1勝、続けよ若トラ

21世紀の虎任せた

 阪神に希望の星が現れた。3年目の井川慶投手(21)だ。今季2度目の先発で7回途中まで粘りの投球で2失点。待望の今季初勝利をマークした。昨年、プロ初勝利の左腕がジワリ、ジワリと成長中。21世紀の猛虎へ、こんな若トラがもっと出てきてくれないかなあ。

9月3日・甲子園
  1 2 3 4 5 6 7 8 9
横 浜
阪 神
【勝】井川【S】遠山【敗】三浦
【本】タラスコ15号(3ラン=三浦)

古沢2軍投コーチ「戻って来るな」

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 このプロ2勝目まで、長い道程をたどった。昨年5月19日(対広島)の初勝利から1年4カ月。もうマグレではない。3年目を迎えた左腕井川が、蓄積した実力で、地元甲子園での初勝利をつかんだ。

 6回まで毎回被安打。自慢の剛球は、大半が135キロ前後にとどまった。「何で球が遅いんだろ」。今季2度目の先発マウンドで、途中からは、スコアボードの球速表示も見る気はしなかった。「カウント球もストライクが入らないし、苦しんでました」。

 だが、耐えた。1回、先制点を与えた後の1死一、二塁。中根を中飛、多村を空振り三振に切る。3回、3連打で2点差に迫られても、中根、多村を連続三振。「よかったのは、粘れたことだけです」。だが、その粘りが成長の証しだ。

スタメン
阪 神横 浜
坪 井石井琢
和 田金 城
ハートキー鈴木尚
新 庄ローズ
桧 山中 根
タラスコ多 村
山 田駒 田
田 中相 川
井 川三 浦

 「四球で崩れることがなくなったな」。バックネット裏には“ドラ息子”の奮闘を見守る古沢2軍投手コーチの姿があった。プロ初勝利を挙げた昨年も、後半戦は2軍に落ち、今年も8月上旬まで2軍暮らし。ファームの試合でも、制球難から自滅を繰り返した。「アイツに期待する分、裏切られるショックも大きい」。古沢コーチも何度も井川を見放しかけた。だが、来る日も来る日もマンツーマンの特訓。「古沢さんを怒らせてばっかりで…」。井川にとっても古沢コーチの怒声が、何よりの励みだった。

 その苦しかった日々が、安定したフォームを作り、制球難を解消してくれた。この日も、7回に連続四球で降板するまでは1四球。調子が悪くても耐えられるだけの力を身に付けた。

 「きょうはよう頑張った。これからは、ワシのところ(2軍)に戻って来んでええな」。古沢コーチはこう言い残して甲子園を後にした。井川はこの言葉を伝え聞いた時、初めて、白い歯を見せた。「ホントにホメてくれたんっすか!」。もう後戻りはしない。恩師の愛情を胸に、エースの座に這い上がる。

<写真=ようやく現れました、来季への期待の星、井川は力強いピッチングで白星を勝ち取りました>

 ◆井川慶(いがわ・けい)1979年(昭54)7月13日生まれ、茨城県水戸市出身。97年水戸商3年時、春の県大会竜ケ崎一戦で7回参考記録ながら18奪三振で完全試合。夏は決勝で茨城東に敗退。その年阪神にドラフト2位指名を受け入団。2年目の昨年5月19日広島戦(米子)でプロ初先発初勝利を挙げた。野村監督から「もっと遊んで金を使え」と珍指令が出るほどの倹約家。趣味はテレビゲームと部屋の掃除。3年間の通算成績は13試合に登板、2勝2敗、防御率4・65。185センチ、84キロ。左投げ左打ち。家族は両親と姉1人。

 伊藤(両リーグ最多の63試合目登板は、7回井川が作った1死一、二塁のピンチでローズを併殺打)「打ち取りはしたけど、次の回先頭(中根へ)の四球がいけないね。それより、井川のことばかりが気になってた」

 遠山(8回途中から2イニング無失点。今季3セーブ目)「あいつ(井川)がよく投げていたからな。(今季46試合目登板に)スタミナの心配なんて気にならないよ」

タラスコ、チーム通算6000号

落球帳消し、逆転3ラン

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 連敗を止めたのはタラスコの強烈な残留アピール弾だった。1回2死一、ニ塁。桧山の同点適時打に続き、タラスコに15号決勝3ランが飛び出した。横浜三浦の139キロ真っ直ぐをバックスクリーンへ。打った瞬間、タラスコは右拳を突き上げていた。「初回のタイムリーエラーの穴埋めを何とかしたかったんだ」。1回1死一、三塁でローズの右犠飛になろうかという打球をポロリ(記録は失策)。チームの士気に影響を及ぼしかねないミスだっただけに、責任を感じての打席だった。創設65年にしてチーム通算6000本目のメモリアル弾が、タラスコとチームを救った。

<写真=逆転3ランを放ったタラスコはナインから祝福の出迎えを受ける>

山田、今季初3安打

 後半戦初のスタメンマスクを被った山田が、攻守に大活躍した。守っては「井川のいい所を引き出そうと速い真っ直ぐを意識させて、変化球で打ち取る配球を考えた」という好リードで、井川の甲子園初勝利をアシスト。打撃も好調維持、今季初の3安打猛打賞で、低調気味の打線を盛り上げた。「打つ方はいいよ。マグレ、マグレ」と照れ笑い。4連敗中の矢野の気分転換も兼ねた野村サイ配が、ズバリ的中した形となった。

新庄、13打席音なし

 快勝の中で、新庄1人だけが浮かない表情だった。西宮市在住の伯父夫妻も応援に駆けつけたが、この日も無安打でこの3連戦ノーヒット。24号ソロを放った8月31日の巨人戦(東京D)以来、13打席快音が聞こえていない。「状態? 悪い。かなり悪いね」。今季2度目の3試合ヒットなしに自ら“不調宣言”。今季4試合連続無安打はまだないが、5日からのヤクルト戦(神宮)で復調の兆しをつかめるか。

(51勝63敗1分:6位)


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