第113戦 (9月1日)
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打てぬタラスコ、解雇の危機

19打席ノーヒット

 トニー・タラスコ外野手(29)が解雇の危機に立たされた。1日の横浜戦(甲子園)でも4打数ノーヒット。これで19打席無安打と残留デモから急降下。中心打者としては物足りなさが否めず、残留は極めて難しい状況となった。そしてチームは今季最低1万6000人の寂しい甲子園で0―7と完敗、野村監督は「気の抜けたサイダーみたいや」とボヤいた。

9月1日・甲子園
 123456789
横 浜
阪 神
【勝】阿波野【敗】星野伸
【本】鈴木12号(ソロ=弓長)

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多すぎる苦手ポイント

 打てない打線を象徴するかのように3番タラスコは凡打を繰り返した。3打席目の3球三振などまるで元気なし。この日も4打席ノーヒットで8月27日の広島戦(甲子園)で14号弾を放ってから、19打席も快音が聞かれない状態だ。「何も言うことはないよ」。試合後もうつろな表情でロッカールームへ消えた。タラスコが解雇の危機に立たされた。

 世界一軍団ヤンキースなどメジャー通算7年の実績は「外国人選手次第」(野村監督)というタテジマに、大きな期待を抱かせた。だが、開幕から調子は上がらず、2度の戦線離脱もあって、ここまで81試合で打率2割3分5厘、本塁打14、打点46。“助っ人”としては、とても物足りない数字がすべてを物語っている。

 ◆日刊スポーツ評論家中西清起の目 投手からすれば、内角のコントロールさえミスしなければ抑えられる。打つポイントが少なくて、逆に苦手なポイント、球種が多い。ベンチもすでに力量は把握しているでしょう。阪神の助っ人は甲子園の浜風を考えれば、右打者の方がいい。左打者は厳しいんじゃないかな。

 ◆阪神の外国人事情 現時点で、残留に一番近いのは後半戦になって課題の制球力を克服したハンセル(6勝4敗)だろう。4番候補のバトルは早々と解雇。代わって入団したハートキーも現在“テスト中”の立場だが厳しい状況。6月に日本ハムから金銭トレード獲得したフランクリンも退団が決定的。左腕ラミレズ(1勝3敗)、抑え候補だったミラーも右肩痛が完治せず、今季限りで退団の可能性が高い。

 タラスコ自身、残留へ必死の姿勢は見せている。長期ロード中には「手打ちにならないよう、あらかじめ前に体重をかけるようにした」と屈み込むようにして構える打撃フォームに大幅修正して順応を図った。だが、大きな変化は生まれていないのが現実。期待度とのギャップは大きい。球団サイドは現段階で外国人選手の処遇に関して、白紙の姿勢を示しているが、今季限りでの解雇のピンチに立たされた。

 チームも月(ツキ)が変わっても流れは変わらない。“秋風”が吹いた寂しい甲子園は今季最少の1万6000人で横浜の継投にかわされ、わずか4安打。7月11日以来、後半戦では初めてとなる完封負けで対横浜5連敗だ。外国人頼みのチームの課題は解消されないまま、阪神は試練の秋に突入した。

<写真=あ〜あ! 湿りっぱなしタラスコはこの日も打てず119打席ノーヒット>

スタメン
阪 神横 浜
坪 井石井琢
ハートキー金 城
タラスコ鈴木尚
新 庄ローズ
桧 山中 根
星野修多 村
矢 野駒 田
田 中相 川
星野伸川 村

代理人「祈っている」

 タラスコの代理人ダン・ハーウイッツ氏が、甲子園での横浜戦を観戦した。阪神ハンセル、横浜ローズ、広島ラドウイックらのエージェントも務める同氏はタラスコについて「後半頑張って、来年も日本でプレーできるように祈っている。残り試合で来年は日本の野球に順応できるところを見せてほしい」と、阪神残留を熱望。だが、現実は厳しい状況だ。日本に10日間滞在予定だが、その間の新外国人選手の売り込みの可能性について「それはある。球団に聞いてほしい」と、近日中に球団首脳と話し合うことも明らかにした。

ハートキー、必死の二塁打

 ハートキーだけはハッスルぶりを見せた。4回、中堅左を深々と破る二塁打。この日の打線でもっとも会心の打球を飛ばした。「0―2だったので、直球1本に絞っていた。あれはイイ当たりだったね」。左わき腹の故障から復帰した前日の巨人戦でも、チーム唯一の2安打。“残留テスト”を課せられている立場だけに、アピールに必死だ。

野村監督「坪井に頭に来た」

気の抜けたサイダーみたいや、とボヤキも…

 巨人に優勝マジックが点灯した夜、トラはまたもふがいない戦いを演じた。前夜はG打線に7本塁打の被弾。この日は、最下位脱出の可能性もあったのに、ただ淡々と負けた。敗戦を見届けた野村監督も報道陣の厳しい質問に「おっしゃる通り…。気の抜けたサイダーみたい…」というのが精っぱいだった。

 打てなくても、バットをたたきつけるような選手も現れない。打てない、守れない…。核弾頭役で3打数無安打の坪井にいたっては、「(気持ちが)切れてるみたい。頭来たから代えた!」と吐き捨てた。グラウンドから気迫が伝わってこない。今季最低1万6000人ファンに、せめてひたむきな姿を見せるのが“礼儀”ではないか。チームがリードしていても、果敢に一塁へ頭から滑り込む横浜金城の姿…。敵のプレーヤーがスタンドを沸かせるようでは、悲しい…。

星野伸、あ〜9敗目

 星野伸が勝てない。2回、四球をきっかけに3連打などで3失点。「2回だけ? そうだねえ」。5連敗で9敗目を喫した。「(タイミングが)合ってなかったから」とカーブを多投。1番から4番までの上位打線は内野安打1本に抑えたが、5回でマウンドを降り、6月13日の4勝目以来、3カ月近くも勝ち星から見放された。野村監督は「あれ以上は望めないんじゃないのか」とあきらめ顔だった。

スタンドも寒〜い今季最低1万6000人

飛びかう厳しいヤジ

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 “寒い”試合内容に歩調を合わすかのように、スタンドも今季最低の1万6000人と閑古鳥が鳴いた。「夏休みが終わったのと、この日は予備日だったことが響いてるんじゃないですか」(球団営業部)。完封負けに加え、集中力を欠いた失策や凡プレーの数々にスタンドからは「ええかげんにせい!」の厳しいヤジも飛んでいた。

<写真=9月に入り甲子園は1万6千人と寂しいスタンド>


(50勝62敗1分:6位)


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