| 第110戦 (8月29日) |
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サンキュー坪井…G倒V撃3カ月ぶり敵地で六甲おろし
3タテしてやる
猛虎が宿敵に牙をむいた。三塁ベンチ前に、勝利を祝う行列が並ぶ。BGMは左翼席が奏でる六甲おろし。実に約3カ月ぶりに、敵地で巨人をぶっ倒した。同点の9回2死一、二塁から、坪井が右中間を破る2点二塁打。この殊勲打で、東京ドームで6月7日以来の勝利をもぎ取った。 「この前(8月15―17日)、3タテ食らってるんで、今回は『3タテしてやる』という気持ちでした」。坪井がこう表現した気迫は、ナインだけではない。野村監督もストップ・ジャイアンツの執念を見せた。 この回、先頭の矢野が安打で出塁。当然、続く塩谷にバントを命じた。だが、ボールが2つ先行したことで、バスターに変更。バントの構えからバットを引いた塩谷が、直球を引っぱたき、バント・シフトの三遊間を破った。「見え見えのストレート」。相手バッテリーの心理を読んだ野村監督は、作戦的中にニンマリ。「(4回に)バント失敗してたから、何とかしたろうと思ってた」。この塩谷の安打で無死一、二塁とし、巨人を土俵際に追い詰めた。
代打山田がバントできずに見逃し三振。代打八木も遊飛。だが、野村IDを吸収しつつある坪井が、このチャンスをモノにした。「(直球とカーブの)半々でした」。1―3からのカーブは「高いと思った」ためあっさりと見逃し。だが、2球続いたカーブを、今度は狙いすましたように、右中間へ運んだ。 「(相性が)悪いですよね」。岡島には昨年から8打数1安打、4三振。この対戦成績は、今年購入した新兵器を通じ、坪井の頭にインプットされていた。ノート型パソコンを新たに購入。遠征先にも、パソコン・ケースを肩に下げて持ち歩く。その姿は、さながらビジネスマン。「これは手放せないんですよ」。相手の配球やクセ。みっちりと記録された坪井データが、ここ一番で発揮された。 「巨人? 全然考えてない。わが道を行く。ウチは(ペナントレースの)蚊帳の外」。野村監督は寂しげに話した。ようやく巨人戦8勝目(15敗)。15年連続のG戦負け越しは決している。だが、来季、V争いに加わるために倒さなくてはいけない相手。それは間違いなく王者巨人。「いつも(巨人に)負け越してたら、阪神ファンに怒られますからね」。坪井は来季に向けた逆襲を誓った。昨年より2日早い50勝到達で、8月17日以来の借金ひとケタ。「伝統の一戦」の看板を守るためにも、宿敵相手に意地を見せる。 <写真=9回、ここぞのチャンスに一振り、ゲームを決めた坪井>
桧山(初回2死一、二塁から先制の中前適時打)「カウント2―3だったので、ストライクだけを見極めて打っていこうと思った。ピッチャー(高橋尚)に捕られるかと思ったけど、よく抜けてくれた」 タラスコ超美技だ守備で勝利に貢献したのはタラスコだった。1―1の同点で迎えた8回裏。無死一塁で、松井の鋭いライナー性の打球を、右翼後方から突っ込んできて、最後は回転レシーブするように倒れ込んでキャッチ。「ラインドライブがかかっていた。それと照明も目に入ったんだ。自分でもよく捕れたと思うよ」。両足を強打して心配させたが「右足が人工芝に引っ掛かっただけ。大丈夫さ」と、気丈に話していた。 5継投1失点、遠山1勝、葛西16S6回から1イニング1人
伊藤しみじみ「こういう勝ち方が一番うれしい」
これぞ虎のお家芸だ。継投の妙がたっぷり詰まったしびれる勝利。6回から1イニング1人の必殺継投がズバッとはまって巨人打線を黙らせた。開幕からフル回転中の虎の“働き者”たちが、まぎれもない勝利の演出者だった。 「ヒヤヒヤだったよ」。汗を噴き出しながら苦笑いしたのは勝利投手となった遠山だ。だが、やっぱり勝ち星より責任を果たした充実感が先にくる。「任されているところを0点で抑えようという意識だけだったよ」。それはまぎれもない本音だった。 出番は8回。1死から高橋由に安打され、松井を迎えた。「スピードがないんで自分の特徴のコントロールで勝負しようと思った」。必殺シュート攻め。右翼フェンス直撃のあわや長打コースの当たりもファウルでしのぎ最後は、右飛でホッ。だが、清原に二塁打され二、三塁の大ピンチを迎えてしまった。ここは強気の内角攻めで5球連続スライダーを投げ込み捕飛で切り抜けた。「当ててもいいというのはおかしいけど、全部内角にいこうと思っていたよ」。巨大打線にも逃げない。遠山の気迫が上回った。 6回から先陣を切った西川、そして7回の伊藤、遠山と全員が勝利を信じてバトンをつなぎ、最後を葛西に託した。「それぞれが仕事をしたな」と福間投手コーチ補佐。12球団最多の今季60試合目だった伊藤がしみじみと言った。「こういう勝ち方が一番うれしいんだよな。中継ぎがみんなで頑張ってつないでさあ」。 <写真=ハンセル、西川、伊藤、遠山とつないで、最後はおなじみ葛西で締めてG倒リレーの出来上がりです> 葛西(9回を3者凡退に仕留め16セーブ目)「うまく(継投が)つながった。ヒットを打たれても、みんなが最小限にという気持ちでやっているのが、いい結果になっているのでは」 西川(6回、松井を空振り三振に取るなど1イニング無失点)「6回からの予定もあったから準備していた。松井の三振は(ストレートで)うまく裏をかけた」 ハンセルお返しできず先発ハンセルのリベンジはならなかった。前回17日の巨人戦では、それまで好投しながら8回の本塁打2本で逆転負け。不正投球の疑惑までかけられた。ならば勝利でお返しと意気込んだが、4回に高橋由に痛恨の同点ソロを献上。それをさかいに乱れはじめ、毎回の6奪三振ながら5回5安打1失点で降板した。「調子はよくなかった。守備がよく助けてくれた」と助っ人右腕は反省しきり。だが、福間投手コーチ補佐は「少しバランスが悪かったが、それでもあれだけ仕事をするんだから安定感はある」と感心していた。 大豊、打撃再開もスタメン見送り右手甲に死球を受けて欠場中の大豊泰昭内野手(36)が29日の試合前、打撃練習を再開した。しかし、本来のスイングには程遠く、この日もスタメンから外れ終盤に守備固めで一塁を守っただけだった。 「見た通りだよ」。打撃練習を終えた大豊は苦渋の表情でこぼした。故障個所をかばったスイングで、いつものような豪快な当たりはなかった。猿木チーフトレーナーの「一応大丈夫」との診断を受けて、打った際の衝撃などを確かめたが、この日もスタメン出場は見送られた。 大豊は24日のヤクルト戦(大阪ドーム)で、右手に死球を受け、そのまま退場。骨には異常はなく、打撲と診察されたが、翌日から欠場していた。 (50勝59敗1分:5位) | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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