第109戦 (8月27日)
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タラスコ&桧山、2発で快勝

夏休みラスト甲子園で特大花火

 夏休み最後の甲子園。強い虎を子供たちに披露した。タラスコ、桧山が1、3回にアベック適時打&アーチを見舞い、勝利を引き寄せる。投げては川尻が得意の広島戦をス〜イスイ。9回こそリリーフ陣の助けを借りたが4安打2失点で9勝目をマークした。チームも遅ればせながら今季50勝に王手。29日から東京ドームで巨人戦。この勢いでぐらつく王者にもうワンパンチだ。

8月27日・甲子園
  1 2 3 4 5 6 7 8 9
広 島
阪 神
【勝】川尻【S】葛西【敗】長谷川
【本】タラスコ14号(ソロ=長谷川)、桧山4号(ソロ=長谷川)
ロペス10号(2ラン=川尻)

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 夏休み最後の甲子園が、虎ウエーブで揺れた。4万観衆は万歳、万歳、六甲おろしの大絶唱。歓喜の大行進は甲子園駅までなだれ込んだ。先制、中押し、そして川尻のナイスピッチ。4位広島に4年連続勝ち越し王手、1.5差まで詰め寄る快勝で虎ファンには最高の夜だ。その夢先案内人は、タラスコ&桧山の新3、5番コンビ。2人で全4打点をたたき出す大暴れ。序盤に試合を決めた。

 初回、1死二塁。まずはタラスコが一、二塁間を割った。「きのう2併殺で悔しかったんだ」。それは広島長谷川の直球を捕らえ、プレーボール13球先制点を奪う速攻劇。勢いに乗った虎は新庄左前打の後、桧山が中前へ弾き返して一気の2点目ゲットだ。

 そのTH砲が4回、今度はアーチ競演だ。タラスコが7試合ぶり14号ソロをバックスクリーンに叩き込めば、桧山も17試合ぶり4号ソロを左中間最深部へ。「バッティングどころか、守備のことで足を引っ張らんようにとしか考えてなかったんですけど…」。大豊の負傷欠場で、プロ3試合目の一塁守備についた桧山も照れ笑い。初のアベック弾で長谷川をKOだ。

スタメン
阪 神広 島
坪 井木村拓
和 田東 出
タラスコ浅 井
新 庄金 本
星野伸ロペス
矢 野森 笠
塩 谷ディアス
田 中木村一
川 尻長谷川

T砲残留へ必死

 タラスコにとっては、残留アピールへ必死の7度目V打点だった。「今はこれまで以上に、1打席1打席集中してるんだ」。確かに打率2割4分4厘、14本塁打、45打点は物足りない。だが来季の去就はこの日、野崎専務が「まだ決まっていません。現場もそういう評価を下していないでしょう」と話したように、今後の活躍次第だ。そしてここ10試合で5発の猛チャージ。「やっと100%全力プレーができるようになったんだ」。2度2軍落ちした右わき腹負傷、右太もも裏痛が完治した今こそ、本当の姿だというのだ。

 週2、3回、アメリカから送られて来る電子メールは、大きな励み。婚約者ラティシアさん(27)の応援メッセージに添えられているのが、7月25日米国で誕生した長女マレーヤちゃんの写真画像だ。「彼女にそっくりですごくかわいいんだ。ボクに似なくてよかったよ」。オフの帰国まで、我が子を抱くことはできない。だが「今は家族のために頑張ろうという気持ちだよ」。その思いがバットに乗り移る。

 既にバトルは解雇、右手首痛のフランクリンも帰国し、退団が確定的な状況。だがタラスコは言った。「それはこの世界の常。去る人は去る。でも残る人は残る」。自信の口調は“オレは残る人”とでも言いたげだ。夢は今オフ米国で挙式するラティシアさん、まな娘と21世紀も日本で暮らすこと。29日からはマジック点灯にもたつく巨人と3連戦。夢の実現のために、ここも意地の見せどころだ。

<写真=3回、アベックホームランを放った桧山は、タラスコ(左)に頭をパシリとたたかれながらうれしい悲鳴。右は山田>

 <データセンター> ▼阪神はこの日の広島戦白星で今季49勝。区切りの50勝にあと1となったが、昨年の50勝到達は8月31日の広島戦(甲子園、50勝60敗)で、ほぼ同じペース。ただし昨季は9月以降に5勝20敗と大きく負け越した。過去10年の阪神の50勝到達は、8月中が3度(92、94、99年)、9月中が4度(90、93、96、97年)、10月が1度(98年)。91年と95年は通算で50勝に到達していない。29日からの巨人戦で50勝到達なら、例年より早いペースとなる。

川尻9勝!コイだ〜い好き

2連続KOで「自分見つめ直した」

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 浜風が心地よい。川尻が“鯉キラー”の本領発揮。8回0/3、2失点で今季9勝目を飾った。

 川尻「2試合続けて悔しい思いをしていた。何かを変えないといけないと思った。フォーム的なものと、打者に向かっていく気持ちを考え直しました」。

 16日対巨人戦(東京D)は2回0/3、6失点。22日対ヤクルト戦(大阪D)は2回、4失点。2試合連続KOを食らい、自分を見つめ直した。投球フォームの矯正に取り組んだ。前日(26日)には甲子園のアルプス席で「階段昇り」もした。シートは54列。階段数はそれを上回るが、必死だった。すべてが上体が突っ込まぬようにタメを作り、下半身が粘る本来のフォームを取り戻すためだった。

 川尻「何とか下(下半身)も使えた。9回に一度は(マウンドに)立っているから、納得というのじゃないけれど、後を抑えてくれて勝てたから…」。

 4回、ロペスに2ランを浴びたが、8回まで3安打投球。最終回、先頭浅井の二内野安打で降板。完投こそ逃がしたものの、その表情は晴れやかだった。

ノムさん絶賛、8回0/32失点

 これで9勝中、5勝が広島戦。相性の良さを買い、チーム日本人投手では今季初の中4日で起用した野村監督も「金本だけには神経質になっていたけど、あとはスイスイ。まあ、今日(27日)は川尻だな。第1の殊勲者だ」と絶賛した。

 お立ち台ではスタンドの子供たちにおちゃめなメッセージ。「(夏休みの)宿題が残っている人はしっかりやって下さい」。その川尻にも“宿題”がある。それは目標に掲げてきた2ケタ勝利。あと1勝に迫った。

 川尻「プロは実力の世界。実力があれば結果を残せる。勝つと負けるは紙一重ですけど、そういう運を大切にしたい」。

 開幕直後は「先発6番手兼中継ぎ」だった。だが、今や違う。チームの大黒柱だ。

<写真=鯉料理や! 完投はできなかったが、9勝目をゲットした川尻>

 川尻(8回0/3を2失点で9勝目)「前回KO(22日ヤクルト戦)されてますんで、きょうは何とかチーム貢献したいと思ってました。丁寧に投げれました。広島との相性は、たまたまいいだけでしょう。4点もらって楽に投げれて、スタミナも問題なかったです」

“石橋リレー”遠山―葛西15S

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 遠山・葛西の“石橋リレー”が決まった。わずか7球で広島の反撃を断ち切った。9回、川尻が先頭の浅井に内野安打を許した時点で遠山の出番。2―2からの5球目で二塁ゴロを打たせ「うまくいきましたね」とニッコリ笑う。ロペスを迎えたところで登場の葛西は、外角球を打たせ遊ゴロ併殺打に取ってみせた。「うまくゲッツーにしてくれたんで、そっちのほうが見事ですよ」と田中、吉田剛の二遊間に最敬礼していた。

<写真=ラストを締めた葛西(中)は、塩谷(左)と吉田剛(右)の祝福にニッコリ>

 〈神―広〉阪神が序盤のリードを守り切った。阪神は1回、タラスコの先制適時打など4安打で2点を先行。3回はタラスコ、桧山がソロ本塁打を放って2点を追加した。先発の川尻は緩い変化球を有効に使い、9回途中まで4安打。ロペスに2点本塁打を許したが広島戦今季5勝目で、9勝目を挙げた。葛西は15セーブ目。広島は苦手の川尻を崩し切れなかった。

(49勝59敗1分:5位)


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