| 第106戦 (8月24日) |
|
山田のひと振りで死闘制す投手7人、野手15人の総力勝利
「弓長さんのために」選手会長・山田
その打球が右中間で弾んだ瞬間、阪神ベンチから万歳ポーズのナインが弾けるように飛び出した。打った山田は一塁を回った所でもみくちゃ。引き分け再試合寸前の延長14回、5時間40分の死闘にケリをつけたのは、選手会長の一撃だった。一丸の「猛虎魂」を凝縮した鮮やかサヨナラ。プロ13年生の山田も、深夜のお立ち台に興奮し切っていた。 「きのう連敗を止めた勢いを止めたくなかった。そして弓長さんが久々の1軍で一生懸命投げてる姿を見て、何としても勝利を届けたかった。絶対返してやろうと思ってました」。 渾身投球で大延長の舞台を作ったのは、今季開幕からともに2軍で汗を流した弓長。耐えて来た男が見せた魂の投球に、山田も感じずにはいられなかった。そして14回2死一、二塁。直前の守備から入り、回って来た初打席で、勝利への執念をヤクルト高橋一の直球にぶつけた。打撃が課題と言われ続けた男が、これで打率3割4厘。2軍降格中も1軍の全試合をテレビで見て、配球を研究して来た日々の積み重ねが、大舞台で報われた。
初回に先制されるも、追い付いて諦めなかった粘り。最後は葛西が力投して投手7人、野手はカツノリを残して16人中15人を使い切った総力勝利に、野村監督も疲労感が心地良い。「(14回の交代で2番に入れた)山田を入れた所がうまく当たったね。葛西は最後の砦だから。ウチのリリーフ陣は本当によく頑張ってる」。連敗を止めた次の試合で、これ以上ない勝ち方。そしていよいよ、25日の広島戦から22日ぶりに甲子園に帰ることができる。「甲子園でもファンにいい姿を見せます!」。ナインの気持ちを代弁した山田の叫びには、大いに期待できそうだ。 <写真=延長14回、ようやくケリをつけたのは山田、久々の活躍に雄叫びを上げナインに抱きついた> 新庄が3戦連発、自己最多タイ 23号関西でロードの不調から復活
だれもが、うっとり。低い弾道のボールは、そのまま左中間スタンドに吸い込まれた。新庄の3試合連発、自己最多タイの23号が、熱戦の幕開けだった。 「うまく体を残せた。バットのヘッドの重みを感じながら打てました」 2点を先制された直後の1回、2死一塁。宮出の外角フォーク、難しい球を、軽々と振りぬいた。 同点2ランとなる23号で、93年の自己最多アーチに並んだ。「勝手に騒いでよ」。数字には無頓着な新庄だが、30試合を残し、自己記録を大きく更新するのは確実となった。 「言うことないでしょ」3試合連続本塁打は今季2度目。6月8日巨人戦から13日中日戦まで4試合連続で放って以来だ。この時、新庄は言った。「悪くなった時に、今の感じを忘れないようにしたい」。確かに、長期ロード中の不調の波が訪れたが、20日の横浜戦で復調を示す猛打賞。そして、地元関西に戻ると、3戦連発という強烈な復活を見せた。 「言うことないでしょ。疲れた? ウン」。同点アーチから5時間40分後、延長14回の激闘に、新庄もグッタリ。四球で出塁した延長13回には、捕手からのけん制で刺されるミスも犯した。だが、虎打線の粘りを呼んだのは、新庄の強烈なアーチだった。 <写真=1回に自己最多タイの23号をレフトスタンドに放つ新庄> 葛西、気迫の6勝目守護神健在だ葛西の力投が、サヨナラ勝ちを呼んだ。延長14回、1死一、二塁で、弓長を救援し、いきなり宮本に安打。しかし、代打飯田を三振、真中を二飛。MAX142キロの速球で、満塁のピンチをねじ伏せた。「ユミ(弓長)が頑張ってたから、何とかしてやりたかった」。18日の横浜戦でのサヨナラ負けして以来の登板だったが、守護神健在を示し、6勝目(20SP)を手にした。 弓長、3回1/3ピシャリ勝利につながる熱投瀬戸際のベテランが、毎回のピンチをしのぎ切った。2日前まで2軍暮らしだった弓長が、延長11回からロング・リリーフ。延長14回1死一、二塁で葛西の救援を仰ぐまで、毎回走者を背負いながら、2併殺で無失点に封じた。「葛西に助けられました。最後は勝ててよかった」。2年ぶりの白星こそつかなかったが、勝利に貢献する熱投だった。 福原まさか…救援失敗福原が救援に失敗した。1点リードの8回、3番手で登板したが、岩村に同点ソロを浴びた。なおも2死満塁とされて降板。「調子自体は悪くないんですけど」。19日の横浜戦で先発し、中4日という酷な状況ではあった。しかし、星野伸の2カ月ぶりの白星も消してしまい、サヨナラ勝ちに沸く中で、1人元気がなかった。
大豊が死球で途中退場右手首に…異常なし大豊泰昭内野手(36)が24日、対ヤクルト19回戦(大阪ドーム)の6回裏に死球を受けて負傷退場した。この回、先頭打者として3度目の打席に入った同選手は、ヤクルト藤井のカウント1―1からの投球を右手首部分に受けた。ベンチに下がった後、ただちに大阪市内の病院でレントゲン検査を受けた結果、骨に異状はなく「右第5中手骨部(右手小指の下)打撲」と診断。試合後の大豊は「骨に異常がないということでホッとしている」と、大事に至らず安堵の表情を浮かべた。25日広島戦(甲子園)の出場について猿木チーフトレーナーは「大丈夫だと思う。当日の様子をみる」と話した。 (47勝58敗1分:6位) | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
![]() | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||