第101戦 (8月18日)
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葛西の神通力は消えたのか

逆転サヨナラ6連敗

 連夜の“まさか”やないかい。粘っての延長11回、タラスコが11号ソロで勝ち越し。9回途中から登板の葛西が後はピシャリと締めて、連敗脱出…。なんて、信じていたのに、その守護神が、その裏3安打集中で逆転サヨナラ負け。6連敗とは…。絶好調だった長期ロードもこれで、6勝7敗の負け越し。借金も2ケタ逆戻りの「10」。ああ、阪神“憂ターン”ですわ。

8月18日・横浜 (延長11回)
 1234567891011
阪 神
横 浜2X
【勝】木塚【敗】葛西
【本】タラスコ11号(ソロ=木塚)

「野球は難しい」うめく野村監督

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 地面にうずくまる矢野の横にポトリと落ちた球。その背後、カバーに入っていた葛西が、ガックリと両ヒザに手をついた。まさか…。延長11回、守護神葛西がサヨナラ打を浴びて、逆転負け。泥沼の6連敗。勝ち方を忘れた野村阪神に、左翼席から無数のメガホンが投げ込まれた。

 「野球は難しい」。敗将野村監督はうめいた。延長11回表、1点を勝ち越した。連敗脱出は目前だった。ところが、その裏“あと1人”から、悲劇が待っていた。3イニング目に突入したストッパー葛西が、先頭の代打石井義に中前安打。2死としたが、代打井上に中前にポトリと落とされ、同点とされた。さらに、井上に二盗を許し、石井琢に一、二塁間を破られた。右翼手タラスコの本塁好返球はアウトのタイミングだったが、捕手矢野がハーフバウンドをつかみ損ね、痛恨の結末を迎えた。

スタメン
阪 神横 浜
坪 井石井琢
田 中金 城
タラスコ鈴木尚
新 庄ローズ
大 豊中 根
矢 野多 村
星野修谷 繁
塩 谷佐 伯
星野伸細 見

 「3イニング目の疲れ? そんなことはない。 勝ちを意識した? それもない。ああいう場面は、今までも経験しているわけだから」。後半戦初失点で4敗目を喫した葛西は、ぼうぜん自失。矢野も「見た通りです」とはき捨てた。

 この回打たれた3安打は、すべて左打者。「遠山というのを天秤にかけたけど、進藤が出て…。手を打ってみないと分からないけど…。(葛西は)ウチの逃げ切りエースだから」。前日の巨人戦ではハンセル続投が裏目に出ての逆転負け。野村監督のベンチワークは、結果として、連夜の“継投ミス”として残った。

 タラスコの勝ち越しアーチが飛び出してから、わずか10分。勝利の美酒は、ヤケ酒に様変わりし、8月2日以来の借金10に舞い戻った。ちょうど1週間前“逆転の虎”が5連勝を飾っていたのは幻か。“逆転される虎”の死のロードは、6勝7敗と負け越しに転じた。

<写真=“あ! ボールが”延長11回、石井琢の右前打で一気にホームを突いた二塁走者の井上(右)をブロックした矢野だったが、ミットからボールがこぼれサヨナラの生還となった>

星野伸、スクランブル先発…

5回1/3を1失点「手ごたえある」

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 白星はつかなかった。だが星野伸復活を告げる87球だった。この日13日ぶり1軍登録。即先発で、5回1/3を4安打1失点。初回ローズに先制打を許したが、以後は緩急自在で0封だ。「イニングは満足してないけど、手ごたえみたいなものはある」。最後の4勝目を挙げた6月13日の中日戦(甲子園)以来の充実感が、そこにあった。

 実は、星野先発は野村監督の“大バクチ”でもあった。5日の広島戦(広島)での1回1/3KO後、故障以外ではプロ17年目にして初めての2軍降格。次回昇格前に、2軍戦(15日ウエスタン中日戦=ナゴヤ球)に先発、全部の課題をクリアすることが、野村監督と星野の間で話し合われていた。だが1軍先発陣が火の車状態となって事情は急変。「ドタキャンだよ、ドタキャン」。星野が明かすように、野村監督は2軍登板を経ずして、この日の先発を決定したのだった。ぶっつけ本番。もし不調なら、そのダメージは計り知れない所、見事結果を出して見せた。

<写真=1軍登録、即先発で5回1/3を1失点。復活へ手ごたえをつかんだ星野伸>

八木、同点呼ぶ快打

 0行進を続けた横浜細見に、ようやく一矢報いたのが8回だった。先頭星野修死球などで1死二塁。ここで「甘い球が来たら思い切り行こうと思っていた」という代打八木がスライダーを左翼線に運び、一、三塁。続く代打和田の遊ゴロ併殺崩れの間に、ようやく同点の1点を奪った。しかし、ゲームは逆転サヨナラ負け。八木は「勝てると思ったんだけど、野球は怖い」と唇をかんでいた。

タラスコ11号も空砲

 タラスコの2戦連発弾も一瞬にして“空砲”となった。延長11回表、それまで3三振と言いところがなかったT砲が最後に意地の1発。木塚の140キロ直球を来日11本目で初めて左翼へ運ぶ勝ち越しソロだった。だが、試合後は表情はこわばらせたまま。「特に言うことはないよ」とタクシーに乗り込んだ。4回裏、無死一塁からの右前打で一走ローズを三塁で捕殺。サヨナラのシーンも懸命のタラスコのバックホームでタイミングはアウトだっただけに、ショックは大きかったようだ。

秀太、痛恨の三振併殺

 柏原打撃コーチは、初回の拙攻にお怒りだった。先頭坪井が細見から四球を選んだが、続く田中が2―3からボール球のフォークを振って空振り三振。二盗した坪井も刺され、最悪の三振併殺になってしまった。「しゃべりたくない。初回に三振したヤツがおったやろ。あんなボール球で、一番しちゃいけないこと。田中秀太に聞いてくれ!」。もし見逃していれば無死一、二塁。細見を序盤で攻略出来るチャンスだっただけに、悔やまれる打席となった。

(45勝55敗1分:5位)


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