| 第100戦 (8月17日) |
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ハンセル、7回0も大暗転悲弾2発…残留デモ実らず5連敗
196センチ、102キロのハンセルが、長嶋巨人の前に仁王立ちした。7回まで2安打と重量打線をナデ斬りだ。この2試合で21安打16得点と打ちまくっていた宿敵に、まともなスイングを許さない。初先発の巨人戦に来日ベストピッチで答えた。 「リーグの中でナンバー1の打線。マルティネスが代打か7番を打ってるぐらいだから、本当に驚異的だよ。でも自分のスタイルを貫くしかない。そうすれば道は開ける」 その予告通りの快投だった。MAX147キロの直球とスライダー、チェンジアップを巧みに織り交ぜ、的を絞らせない。初回仁志、清水、江藤以下をあっさり凡打に仕留めると、4回まで四球1つのノーヒットピッチング。疑惑を呼んだ変化球のキレは抜群で前日、前々日と大にぎわいだった巨人のスコアボードに「0」を並べる。2冠王の松井もノーヒッットに抑えた。
◆証言・巨人松井「ハンセルは良かった。変化球が抜群。あんなにいい投手だとは思わなかった」 5回、長嶋監督の抗議直後、清原に初安打を許したが、後続はピシャリ断った。打ちあぐねた巨人の“陽動作戦”もなんのその。「疑われたことよりも、再開されるまでが長かった。自分は汗かきだから(ユニホームに)土がついているんだ」と逆に燃える材料にしていたほどだ。 悔しい2発被弾で自身の4連勝こそ逃がしたが、開幕時に“怪人”と呼ばれた不安定さは、もうない。6月中旬にビビアン夫人と生まれたばかりのジェウコブ君が来日してから精神的にもリラックス。遠征にも帯同し、この日も「笑うようになったんだ」と出発前に見た子供の笑顔を励みに力投した。 野村監督は、清水を迎え遠山への継投も考えたが、続投。結果的に裏目に出た。「大ヤマを張られた。いかに初球が大事か」と振り返る。それでも、この日7回まで快投したハンセルの残留デモは、大きな収穫になったはずだ。 <写真=痛〜い被弾! 8回清水に続き江藤(右)に決勝ソロを浴びたハンセルは、マウンド上でガックリ> 矢野(ハンセルが清水に浴びた同点3ランについて)「直前の八木沢投手コーチの指示? とにかく低く低く、頑張って行こうということだったんですが、ボールが抜けた感じになって…。あれだけのピッチングをして来たんだから、疲れもあったでしょうが…」 松井ヘッドコーチ(ハンセルの不正投球疑惑について)「おかしなモン付けてるわけやないし、ルールの範囲内でやってること。何も問題ないでしょう」 タラスコ10号、苦手の左腕撃ち
ヒーローになり損ねた男たちは、険しい顔で帰りのバスへと続いた。4回2死中越えの先制打を放った大豊に6回、中押しの10試合ぶり10号ソロをライトスタンドへ叩き込んだタラスコ。そして7回、ダメ押しともいえる右前打で好投工藤をKOした坪井…。数少ないチャンスを生かして3点を奪い、最高の夜になるハズだった。「でも勝たないと意味がない、うれしくないんですよ」という坪井のうめきと「きょうは勘弁してくれ」と首を振ったタラスコの暗い顔が、天国から地獄への大暗転ぶりを物語っていた。 だが苦手とされる左腕を撃ったタラスコには、意義ある残留アピール弾となった。既に球団は来季の外国人選定作業に取り掛かり、大物打ちが出来る複数選手をリストアップ。タラスコの去就は今後の活躍次第だけに、1打席1打席で野村監督へ与える印象も大事なのだ。確かにこの日までの打率2割3分6厘、10本塁打、40打点は物足りない。だが「来年も、その次の年もタイガースでプレーしたい」と話す親日派は毎日必死の戦いだ。婚約者ラティシアさん(27)と今オフ挙式し、7月に誕生した長女マレーヤちゃんと21世紀も日本で暮らすためにも、まだまだ打ち続けなければならない。 <写真=6回、巨人工藤から10号ソロを放つタラスコ> 大豊が審判団に「下手くそ!」試合後…ストライク判定に抗議
試合後のベンチ裏に怒声が響いた。大豊が怒った。敗戦直後の三塁側の審判控え室前で、杉永球審ら審判団に対して「ボールはボールと言ってください! テレビを一緒に見ましょうか」と激高して言い放った。 納得いかなかったのは、1点を追う9回裏の打席。桑田のカウント2−0からの3球目。141キロのストレートは、内角の際どいコースに決まった。大豊はこの球を見逃したが、杉永球審はストライクの判定。とっさに詰め寄りかけたが、その場は抗議せずベンチに戻った。だが、腹の虫は収まっていなかった。 ベンチ裏での抗議も、審判には取り合ってもらえずそのまま帰りのバスへ。それでも取材陣に囲まれると、辛らつなセリフを吐いた。「ビデオを導入しろ! ボールをストライクにされたら力勝負は出来ない。大事な場面なのに、元プロ野球選手とは言えない下手くそだ!」。グラウンド内で言っていれば、当然、退場処分だ。7月20日巨人戦(甲子園)で球審に暴言を吐いて出場停止処分を受けた大豊。「試合中に言ったら、またやっちゃうだろ」と、最後まで怒りは収まらなかった。 <写真上=9回無死、2―0から内角の際どい球を見逃したが、杉永球審の判定はストライク 写真下=この判定で試合後三塁側の審判室に出向き抗議する大豊(右)> 塩谷、痛恨の走塁ミスまさかの逆転1点差負けで、塩谷の走塁ミスがより悔やまれる結果になった。2点リードの7回2死満塁で坪井が右前タイムリー。この時二塁走者塩谷は、伊原三塁ベースコーチの制止を振り切ってホームへ突っ込もうとしたが、ライト高橋由の好返球で三本間に挟まれ、タッチアウト。「オレには分からん。理解に苦しむ」と伊原コーチを嘆かせた。追加点を奪えた場面を潰した塩谷も「きょうは勘弁して下さい」と話すのがやっとだった。 新庄、激走ホームイン新庄がファンをうならせる走塁を見せた。4回2死一塁。大豊の中堅松井の頭上を越えるライナー性の打球はフェンスに直撃。一走の新庄は、三塁ベース手前からスピードを加速。大豊が一塁ストップするぐらいの当たりだったが、新庄はそのまま先制のホームイン。手を回した伊原三塁コーチも「あの打球にしてはさすがのプレーだった」とほめていた。 (45勝54敗1分:5位) | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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