第99戦 (8月16日)
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塩谷&カツノリが代打で2発

4連敗の中で“球団初”の光明

 65年に及ぶタイガースの歴史で初めての出来事だった。6回、塩谷、カツノリが代打本塁打。古くは川藤、竹之内、現役では八木、和田と代打の神様が続出している阪神なのに意外にも1イニング2本の代打本塁打は球団史上初。15年連続負け越し決定の悔しい敗戦の中で、たったひとつ光が差す話題だ。

8月16日・東京ドーム
  1 2 3 4 5 6 7 8 9
阪 神
巨 人 X 12
【勝】三沢【敗】川尻
【本】清原12号(2ラン=川尻)、清水8号(3ラン=川尻)
二岡6号(3ラン=井川)、塩谷2号(2ラン=河本)
カツノリ1号(ソロ=河本)、高橋由19号(2ラン=山岡)

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塩谷「必死です」

 猛虎65年の歴史で初の快挙が生まれた。1イニング代打ホームラン2発。塩谷、そしてカツノリが放った2本の放物線は、大敗の中の清涼剤だった。

 まずは「代打塩谷」だ。2―10の6回1死一塁。巨人河本の内角低め直球を左翼席へ運んだ。「また2軍に落とされたくないし、必死ですよ」。塩谷意地の一撃に2死後、今度は「代打カツノリ」が続いた。またも低め直球。ヤクルト時代の97年8月2日中日戦(神宮)の代打プロ初アーチ以来生涯2本目、移籍28打席目の初快音が、猛虎史に新たな1ページを刻んだ。

カツノリ、ブーイングはね返す3年ぶり弾

 「監督には『よう打ったな』って言われました。ブーイングもあるけど、応援してくれるファンもいる。そんな人たちに無様な姿は見せられませんから」

スタメン
阪 神巨 人
坪 井仁 志
和 田清 水
タラスコ後 藤
新 庄松 井
大 豊清 原
矢 野高橋由
根 本二 岡
田 中村田真
川 尻三 沢

 やっと虎の一員として認められた瞬間。カツノリも感極まっていた。この日も代打に立つと左翼席はブーイング。だがそれが実力でなく、縁故優先と感じたファン心理であることは本人が一番分かっていた。

 カツノリを支えたのは、父野村監督から贈られた「憤(いきどおり)の一字」だった。「お前はこれや。色々あるだろうが、クソったれと思ってやれ!。奮起して見返すつもりでやれ!」。阪神移籍が決まった昨年末、京都網野町の野村家の墓前へ両親とお参りした時のこと。父がバットにサインしてくれたその座右の銘がこの夜、奇しくも猛虎史を塗り替える記念弾となって花開いた。

 「今度は勝利に貢献出来るよう頑張りたい」。プロ初本塁打の時は、サッチーが赤飯を炊いたというが、今夜は…。気持ちを新たに、カツノリの挑戦は続く。

<写真=6回、代打の塩谷がまず左越えに2ラン>

 松井ヘッドコーチ(カツノリ移籍1号について)「キャンプから色々と気を遣って来たからな。でもよく打った。出来るなら、勝ちゲームで打たせたかったけどなあ…」

ノムさん、6失点の川尻をヤリ玉

屈辱「15年連続」G戦負け越し

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 巨人に15年連続の負け越し。屈辱記録に、野村監督は敏感に反応した。「そんなもんワシに関係ない! オレは2年や!」。阪神監督2年目。これまでの古い歴史はどうであれ、自分としては、あくまで2年連続に過ぎないという、せめてもの強がりだった。

 開幕前、久万オーナーから、直々に「巨人にだけは勝ってください」とお願いされた。だが、現実は厳しい。川尻が清原、清水に…。若手の井川が二岡、山岡が高橋由に…。次々に計4発のホームランを浴び続けた。「川尻は技巧派なのに、本格派をやっちゃってる。球が走ると錯覚しちゃうのか」。まずヤリ玉に上がったのは、緩急を使えなかった川尻だった。

 若手にも「希望が持てない。光が見えてこない」とバッサリ。ため息と同時に、言葉の端々から、悔しさがにじみ出ていた。弱虎を率いる監督は、永遠のライバルとの格差をどのように埋めていくのか…。

<写真=3回保たず6失点KOの川尻(右)に、ベンチの野村監督(左)はムッ>

 福間投手コーチ補佐(投手陣が打ち込まれ)「相手を警戒し過ぎた四球からピンチを作っていた。もっと懐(ふところ)を厳しく攻めるとか、ストライクゾーンばかりで勝負していては、今の巨人打線は抑えられない」

 藤川(7回から2イニングを投げ3奪三振の無失点も反省)「真っすぐがちゃんといかないのが悔しい。フォークはちゃんと投げられているのに…」

セ・リーグでは初

 <データセンター> ▼阪神が1986年(昭61)から15年連続で巨人戦の負け越しが決まった。同一カードで15年以上負け越しを続けたのは、82〜99年ダイエーが西武戦で18年連続、71〜86年南海が阪急戦で16年連続、54〜68年近鉄が西鉄戦で15年連続を記録したのに次いで4度目。セ・リーグのカードでは初の15年連続負け越しの不名誉な記録となった。

川尻、あぁ6失点KO

 チーム勝ち頭の先発川尻が2発をくらって3回途中で撃沈された。2回、松井に四球を与え、続く清原にシンカーを左翼へ運ばれ先取点を献上。同点となった直後の3回には先頭の三沢のヒットからピンチを招き清水に決勝の3ランをくらった。「勝負所で制球が甘くなった。投手に打たれるようじゃいかん」と反省していた。

新庄、気を吐く2安打

 4番新庄は、3回に一時は同点となる左前タイムリーを放つなど4打数2安打1打点。15日は4打数ノーヒットだったが、3試合ぶりのヒットで気をはいた。「あまりいい当たりではなかったが、いい所に飛んでくれた」。試合中、広報を通じての同点打のコメントを出したものの、大敗とあって試合後はバットを手に無言を貫いた。


2軍のV3に“赤信号”

中日に「M8」点灯

 阪神のウエスタン3連覇が難しくなった。16日、首位中日と対戦し2―4で敗れたため中日に優勝へのマジックナンバー「8」が点灯した。阪神―中日の直接対決はこの20回戦で終了。中日は残り14試合で8勝すれば、63勝30敗7分けの勝率6割7分7厘で、阪神が残り9試合に全勝した場合の64勝31敗5分け、勝率6割7分4厘を上回る。

(45勝53敗1分:5位)


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