| 第95戦 (8月11日) |
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鬼門ナゴヤも突破、5連勝だ大豊、矢野が古巣へ連発お見舞い
Aクラスへ広島と0.5差、5割へあと「4」ナゴヤドーム14連敗を阻止したのは、名古屋で育ち、今タテジマに袖を通す男たちのフルスイングだった。大豊、そして矢野。97年オフ、ともにトレードでやって来た元竜戦士が、起死回生の同点、そして逆転ホームラン連発だ。これぞ、最高の恩返し。これぞ、極めた男の意地。もう星野監督は笑うしかない。昨年4月29日以来実に470日ぶり、名古屋に轟く六甲おろしは、絶叫となって2人の背中に注がれた。 舞台は1―2で迎えた7回。山本昌の前に散発3安打、完敗ムード漂う矢先だった。まずは諦めを知らない男大豊が右翼席へ、17号弾丸ライナーをブチ込んだ。そして奇跡の弾道に虎ファンが湧き上がる余韻の中、今度は矢野。決勝5号ソロを左翼席に運んだ。今季95試合目で初の2者連続アーチはチームの勢いそのまま、鬼門まで吹き飛ばした。
「連敗阻止? 勝てない意識があったからそうなったんだ。もう大丈夫!」。大豊が吠えれば、4回にも追撃適時打を放ち、リードでも虎投を支えた矢野も大興奮。「塁に出ることを考えていました。センター返しを狙ったのが良かった。ナゴヤの連敗は頭にあったし、何としても勝ちたかった」。やはり2人にとって中日、この球場には特別な思いがある。 星野監督からトレードを告げられ、遠征先のホテル宿舎が「煙草の煙で真っ白になるほど」悩んだという大豊。矢野は「ショックで嫁さんが泣いてた」と神妙だった。だが野球人である以上「グラウンドで結果を出すしかない、頑張ろう」と、いつも励まし合て来たのがこの2人。交換の関川、久慈の活躍で「トレードは失敗だった」という非難をバネに、大豊は堂々の主砲に進化。そして矢野は「中日時代より1つ上を行く」と背番号を38から39に変えたが、今では「1つ」どころかリーグを代表する捕手にまでなった。そして20日にもFA権を獲得する。「ボクが活躍することで、阪神関係のアイツの仕事も増えたらいいなって」。矢野にとっては母校桜宮高野球部の同級生で、吉本の漫才師・ベーブルース高山さんの励ましも大きな力だった。 止まらぬ猛虎は今季2度目の5連勝で借金も4。後半10勝3敗の進撃で、ついにAクラスの3位広島までも0・5差だ。そして野村監督はというと…。「大豊の活躍? それがなかったら大豊じゃない。それ(本塁打)で生きてるんだから。こっちもそれを期待してるんだ」と最高の笑顔だ。きょうも勝って5月13日以来、一気のAクラスへ。さあ、今夜も虎祭りだ。 本盗めぐりあわや乱闘
2者連発の勢いに乗じた7回表、2死三塁から野村監督がアッと驚くホームスチールを敢行した。カウント1―1から代打和田の3球目。山本昌をゆさぶるように大きなリードを取っていた三走田中が本塁へ突っ込んだ。が、山本昌が気付き素早く鈴木郁へ投げたため、寸前でアウトとなった。そのクロスプレー後、鈴木郁が田中の胸を小突いたのを発端に両軍ベンチ総出の乱闘騒ぎがボッ発。大豊も興奮した表情で輪に加わった。田中は「怒られるようなことはしてない。普通のスライディングをしただけ」とケロリとしたものだった。野村監督も「いけると思ったけどなあ。さすが(山本昌は)ベテランや」と笑みさえ浮かべながら“未遂”に終わったビッグプレーを悔しがっていた。 <写真上=気迫のホームスチールだ! 7回2死三塁、打者・和田の時、三塁走者・田中(左)が本盗を試みるが、鈴木郁に阻まれアウト、この後小競り合いで両軍がにらみ合う 写真下=その7回、本盗を巡りベンチを飛び出した大豊(左)は、中村(中央)に制止される>
福原ドキドキ、初セーブ8、9回“ピンチを自作自演”
福原が燃えた。ピンチになるほど、マウンド上の姿は大きく映る。“臨時ストッパー”に起用された福原が、3イニング連続のピンチを、力で封じ込めた。 「冷や汗ですよ〜」福原「汗びっしょりです。冷や汗ですよ〜」。今季初セーブを挙げた福原は、申し訳なさそうに苦笑いを浮かべた。それほど、ヒヤヒヤの1点差逃げ切りだった。 7回は圧巻の火消しだった。1死一、二塁で登板し、代打種田の遊ゴロ内野安打で満塁。だが、4番ゴメスとの白熱の対決を、空振り三振で勝利した。この日最速の151キロの直球の後、低めの130キロスライダーを振らせた。押し出しも許されないフルカウントから、見事な緩急勝負を決めた。続く立浪には、一転して力勝負。逆転の走者を二塁に背負う状況ながら、セットではなくノーワインドアップ。148キロの速球の力で、遊飛に仕留めた。 だが、福原の本当の“見せ場”は8回だった。先頭山崎に左前安打を打たれ、一塁にけん制悪送球。一気に三進を許した。だが、この“自作自演”のピンチで、いっそうの力を発揮した。久慈一ゴロ。鈴木郁を3球三振。代打井端も中飛。無死三塁の大ピンチも、相手打者をねじ伏せた。 「野球は怖くないけど、福原が怖い。福原のことはもう聞かないで」。野村監督の胃もキリキリと痛んだ。9回も1死後、四球、安打で一、二塁。最後はゴメスの二ゴロで切り抜けたが、よくも悪くも福原の一人舞台だった。 「とにかくボクが悪い。抑えられてホッとした」 だが、結果的には、2回2/3を0封。今季初セーブを挙げた。抑えの葛西が前日まで3連投。そのため、セットアッパー役の福原が、ストッパーを任されたが、その任務を何とか遂行。阪神救援陣の層の厚さを、あらためて証明した。 <写真=すんなり終わってくれよ、福原くん…ヒヤヒヤしながらも1点差を逃げ切り初セーブを挙げた福原(右端)は、笑顔でナインの輪に加わる> ハンセル、6回2失点で5勝目2試合連続の快投この男から始まった連勝街道は、またもその右腕で5連勝まで引き伸ばした。中4日で起用されたハンセルが2試合連続の快投。6回を2点に封じ、5勝目を飾った。 「2点で抑えていけば、何とかなると思っていた」。課題の制球難が顔をのぞかせたのは、立ち上がりだけだった。初回は2四球に2暴投も重ねて2失点。「だけど、2回からはリラックスして投げようと気持ちを切り替えた」。以降は見違えるような満点ピッチングを演じた。落差のあるチェンジアップが面白いように空振りを誘う。2回から6回の5イニングで8奪三振のラッシュ。3回は関川、井上、ゴメスの上位打線から、三者連続で空振り三振を奪った。5回には、投手山本昌への四球から2死一、三塁のピンチを背負ったが、井上を内角直球で見逃し三振に取り、7回の味方の逆転につなげた。 「先発がいないから、中4日でいかせたんだ」(福間投手コーチ補佐)。星野伸、湯舟が2軍落ちしている。先発不足の事情から、6日の広島戦(倉敷)で7回0点に封じたハンセルが、来日初めて、中4日で先発マウンドに立った。「すこし気分は違ったけど、中4日でも大丈夫だよ」。本領を発揮し始めた助っ人が、フル回転で投手陣を救う。
(45勝49敗1分:4位) | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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