| 第94戦 (8月10日) |
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新庄V打、八木4号で4連勝12年ぶり神宮3タテ
後半9勝、7勝が逆転!
12年ぶりだ。3夜続けて神宮の杜に高らかな「六甲おろし」だ。負けない。強い。たくましい。今季3度目の4連勝、88年5月以来の神宮3タテを鮮やかに決めた。野村監督に、虎戦士に…。狂喜乱舞の虎ファンからバンザイ三唱のシャワーが送られる。虎は生まれ変わった。 また、逆転勝利だった。後半戦9勝のうち実に7度目。難関、天敵、この試合まで対戦防御率1.50(2勝1敗)だった川崎まで攻略した。その扉を開いたのが主砲・新庄の一撃だ。1点を追う5回表。四球、犠打エラーなどで築いた無死二、三塁のチャンスにタラスコが内野ゴロ(野選)で、まず同点。さらに無死一、三塁の勝ち越し機で4番新庄。川崎の初球だった。内寄り140キロ直球をものの見事に弾き返す。“音速”級の打球が、川崎をかすめてセンターで弾んだ。
同じ轍(てつ)は踏まないのが、11年目の成長のあかしだ。前の打席の3回、1死満塁で遊ゴロ併殺打に倒れていた。「この打席(5回)ではセンターから右へ打っていこうと思っていた。うまく持っていくことができた」。軽打に徹したひと振りが、19打席ぶりの快音となり、2戦連続のV打点を生んだ。「リードされてても何とか逆転できる雰囲気がある」。ベンチが発する勢い。背番号「5」も見えないパワーに押されていた。 前夜、決勝犠飛で貢献も3試合ヒットなしだった。だが新庄は「調子自体は悪くない」と平静を装った。この日の試合前、アップを終えるとなんとブルペンで31球のピッチングを披露。この日も、いい意味での“遊び心”と余裕があった。 新庄も「強い」と自賛する真夏の猛虎。ダメ押しは8回、2死一塁。神様・八木の代打2ランだ。左腕松田の98キロカーブに泳ぎながらも左翼スタンドに放物線を描いた。「いい仕事ができたよ。長打がほしいところだったけど、そういう意識を捨ててつなげようと思ったんだ」。直球系を待ちながらも技と執念で運んだ4号だ。
通算の代打アーチは2ケタの10本に到達。球団記録を持つ「浪花の春団治」川藤幸三氏に1本差に迫った。「代打を長いことやっているから増えてくるよ」。さらりとしたセリフが、いぶし銀の仕事人らしい。 後半戦は9勝6敗で首位。「首位巨人まで11差やで」。そんなファンの言葉が、冗談に聞こえないほど今の阪神には勢いがある。11日からは鬼門のナゴヤドームに乗り込む。目下13連敗中のジンクスも、今の虎にはまるで関係ないはずだ。 <写真上=表情がやっぱり違います、あの神宮で3連勝、ゲームセットで新庄(右)と坪井は躍るようにがっちりと握手を交わしました 写真下=神様のまさに一振り! 8回ダメ押しの2ランを放つ八木>
ノムさん、さい配ズバズバ野村サイ配が攻守に冴えをみせた。継投では1点リードの7回。野村監督は迷うことなく、川尻をマウンドから降ろした。「左バッターへの攻め方が、オレとしては不満だった」。この日、2本塁打を浴びている左の副島を迎えて、西川を継ぎ込んだ。そのサウスポーが副島、岩村、宮本をピシャリ。完全にヤクルト打線を断ち切った。 この西川の好投が、続く8回表、八木の代打アーチを呼び込む。1死一塁。星野修がバント失敗。犠打が決まって二進の場合、監督は山田を送り込むつもりだった。「あそこで(二塁に)進めていれば(八木を出すと)歩かされていただろうからな…」。2死一塁。機をみて代打八木! その代打屋が、監督の期待に見事にこたえた。 この日は、天敵川崎に左打者6人をスタメンに並べて臨んだ。川尻からの継投、代打策…。野村サイ配のすべてが好結果につながった。阪神の神宮での3タテは88年(昭63)以来12年ぶり。それを聞いた監督は「“ぶり”年やな…」とフフっと笑みを浮かべた。 柏原打撃コーチ(代打八木の2ランに)「(ムードの)重たいゲームだったけど、八木が救ってくれた」 松井ヘッドコーチ(後半戦7度目の逆転勝ちに)「大それたことは言えないけど、勢いは感じるな」 葛西、ヒヤリ14S
8回に完ぺきなセットアップを演じた伊藤から、バトンを渡された無敵のストッパー葛西が、この日ばかりは冷や汗をかいた。3点リードの9回裏、2死を簡単に取った後、古田の中前から連続四球で満塁に。1発で逆転サヨナラの危機だったが、宮本を二ゴロに仕留めて苦笑いの14セーブ目だ。「さすがにきょうはヒヤヒヤした。きつかった。油断したわけじゃないけど…。野球は怖い」。それでも、無失点で乗り切り、今後へのいい反省材料としていた。 <写真=後光がさしてます…ストッパー葛西(左)は冷や汗逃げ切りに、気まずそうに野村監督とハイタッチ> 川尻、チームトップ8勝頼もし防御率2.82ダークホースがひたひたと忍び寄ってきた。川尻が6回2失点の好投でチームトップの8勝目。規定投球回数に4回2/3と迫り、防御率争いに、密かに参戦してきた。 「あんまり調子はよくなかったんだけど、何とか粘れたな」。5回を除く毎回被安打。それでも、失点は副島のソロ2発だけに防いだ。前日まで5試合連発のペタジーニもシャットアウト。最大のピンチだった6回無死一塁で、二ゴロ併殺打を打たせた。「失投だったんだけど、ゴロを打ってくれたよ」。この伏線は最初の対決にあった。1回2死二塁、108キロのカーブで見逃し三振。このスローボールで、ペタジーニのタイミングを狂わせていた。 6回でマウンドを降りたが、投球回数は89回1/3となり、規定投球回数に4回2/3まで迫った。防御率2・82は、10日現在、リーグ3位に該当する。順調にいけば今月末にも、防御率争い顔を出す。「(規定回数まで)もうちょっとだな。Aクラス入りが目標だけど、(タイトルも)チャンスがあれば、狙ってみたいね。コソっといければな」。プロ5年間で3度、ベスト10入りしたが、96年の4位が最高。しかし、後半戦1・64という調子を維持できれば、初の勲章も見えてくる。 その調子維持のために、恥も外聞もかなぐり捨てている。今年の好調の原因は「階段登りで下半身を鍛えているから」という。登板のない甲子園での試合前には、アルプススタンドを1人で駆け上ってきた。だが、この長期ロード期間中は、その独自の練習ができない。そこで川尻は宿泊先のホテルに頼み込んだ。「階段を貸してください」。薄暗い一流ホテルの非常階段で、黙々と走り込む。ある種異様な光景。だが、この階段トレで、『死のロード』を克服し、あと2と迫った2ケタ勝利をつかむ。 今は楽しい…西川川尻からバトンを受けた西川が、ヤクルトの追撃を許さなかった。「今は投げていて楽しい。勝っているムードは最高ですね」。7回。副島、岩村、宮本の3人を封じ込んだ。1イニングをゼロ封で、防御率は0.36とチームに大貢献。後半戦7試合目のマウンドに「いい緊張感の中で投げられている」と、満足そうに話していた。 秀太、しぶとい仕事2番田中が、しぶとい仕事を演じた。1点ビハインドの3回1死一、三塁。初球、セーフティースクイズを失敗(ファウル)したが、2球目を思い切り叩きつけ、ワンバウンドで、前進守備だった三塁手岩村の頭上を越えた。同点とする遊撃内野安打。「久々にいい働きができたような気がします」。吉田剛が右手親指を負傷したこともあって、9試合ぶりに2番スタメンで起用されたが、2安打1犠打で、勝利を呼び込んだ。 (44勝49敗1分:4位) | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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