| 第91戦 (8月6日) |
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完封リレーで“テール脱出”王手ロード滑り出し順調
6年ぶり、球宴直後に3カード連続勝ち越し
阪神戦今年最後の倉敷が、黄色いメガホンの乱打と六甲おろしに揺れた。桃太郎ばりの広島退治で10安打7得点。投げては先発ハンセル以下が完封リレーと、理想的ベストゲームだ。前半戦の弱虎はどこへ行ったのか。これで後半戦6勝3敗。6年ぶりの3カード連続勝ち越しだ。野村阪神、大変身。この日、勝利への扉を開いたのは、選手会長山田の一撃だった。 0―0で迎えた5回だ。大豊、矢野、塩谷の3連打で作った無死満塁のチャンス。松田に代えてのご指名は八木でも和田でもなく、代打率4割を誇る「新・新代打の神様」山田だった。「いい場面だったんで、初球から積極的に行こうと思った」。選手会長は野村さい配にこたえるかのように先制犠飛をライトへ高く、深く打ち上げた。 長期ロード初戦となった4日の広島戦終了後の深夜。山田会長の音頭で、広島市内のしゃぶしゃぶ店に野手全員が集結した。目的は今季達成した大豊の250本塁打・1000本安打と新庄の1000試合出場へのお祝い、そしてロードへ向けた野手陣の「決起集会」だった。山田会長は乾杯の挨拶に立ち、こう意気込みを語ったという。 「後半戦の最初に監督が言われたように、お客さんをガッカリさせないよう、必死になって戦って行きましょう。まだまだ順位は決まっていません!」
桧山、ダメ押し2ラン後半戦大逆襲へ向け、より一丸となった深夜の決起集会。猛虎打線は山田の犠飛を合図に、広島投手陣に襲い掛かった。5回はハンセルの内野ゴロで1点を加えると、8回はタラスコの犠飛、大豊の激走2点三塁打で3点を追加。9回は桧山の2号2ランでダメ押しの7点目を奪う猛爆ぶりだ。「みなさんのお陰です。今日はみんないい働きをした」。流した大豊の大汗が、最高の充実感を物語っていた。 これでここ4試合連続2ケタ安打。球宴明け9試合での1試合平均も10安打、5・3得点。この3連戦では23得点の“重量打線”ぶりで、野村監督の目尻もさすがに下がる一方だ。「クリーンアップを固定してるからね。変えてるのは枝葉だけだから」。タラスコ、新庄、大豊の中軸が連日機能、しかもこの日の山田のようなラッキーボーイが日替わりで現れるのだからたまらない。「今みんなが監督の言われたことを胸に刻んで、必死になって戦ってる。それがいい形の勝ち方につながってると思う」と山田。5位横浜まで0・5差で最下位脱出も目前。この強さは本物かもしれない。 <写真=8回、中越えにタイムリーを放った大豊は三塁へ激走。余裕の笑顔を見せスライディング> 塩谷、プロ初の4安打前日の痛恨エラーの汚名返上塩谷がプロ初の4安打をマークした。それも4本ともセンター前という離れ業? 「たまたまですよ」。9回は、中前打で出塁した後、桧山の右越え本塁打でダメ押しのホームを踏んだ。 5日の同カードでは三塁守備で連続してエラーを犯した。これが敗因につながった。しかし、そのショックを翌日に持ち込まない気性が、この男の長所かもしれない。「エラーはだれでもするもの。やったらあかんことやけど、あかん、あかんと思ってたらやってしまうもの。普通通りにやるのがいいんです」。あっけらかんとして言うが、試合前は、味方の選手が打撃練習をしている時に、三塁に最後まで残って“生きた打球”を受け続けていた。そんなひたむきさも、4安打をアシストしたに違いない。プロ8年目、26歳の男が猛烈な売り込みをかけてきた。
ノーコン解消…ハンセル4勝残留アピール7回「0」
「今までで1番いいピッチングだったよ」。受けた矢野も、別人のようなハンセルに舌を巻いた。この試合まで3勝3敗、防御率5点台という“タダの外国人投手”。それが、メジャー級の豪腕投手に大変身した。MAX148キロの剛球で、7回まで1点も許さぬ快投を演じた。 「四球さえ出さなけりゃ、何とかなるピッチャー。球そのものには力があるんだから」。野村監督が懸念していたノーコン病が解消された。4回まで1安打無四球。5回に2安打を浴び、この試合初めての四球を与えたが、2死満塁で木村拓を三ゴロに仕留めた。6回も2死から連続四球を出したが、新井をどん詰まりの一ゴロ。7回を3安打3四球という来日ベストピッチングだった。 「これで、チームに溶け込んだような気がするよ。気分がイイね」。ようやく本領を発揮したハンセルは、安ど感に包まれた。 シーズン前半は戸惑いを克服できぬままだった。ボール球を振ってくれない日本の打者の選球眼の良さにイライラした。だが、「最近になって、投げた後、体が(一塁側に)流れなくなった。フォームが安定してきたから、コントロールもよくなった」。(福間投手コーチ補佐)。ブルペンでフォームチェックを主眼に置き、制球力を磨いた。 「日本が好きだし、日本でプレーしたい。来年も、日本に戻ってきたいんだ」。日本流の投球を習得しようとしたのも、日本で投げ続けるためだ。「1度だけでは安心できないけど、きょうぐらいのピッチングをしてくれればね」(福間コーチ)。この日の圧巻投球は、来季残留への力強いアピールとなった。 <写真=気迫のピッチングで7回を0封のハンセル。残留を大きくアピールだ> 福原、1回を完ぺき7回0封のハンセルの後を継いで、福原、山岡が完封リレーを完成させた。野村監督は「福原の方が堅いでしょ」と8回から福原を投入。三者凡退に封じると、9回は山岡が締めた。1死後、ロペスに安打を許したが、新井を三ゴロ併殺打で試合終了。「低めに集めることを考えてました」と山岡は笑顔で話した。
新庄ヒヤリ、初死球新庄、ヒヤリ! 8回の第4打席。ウルソーがカウント2―1から投じた5球目。これが、新庄のくるぶしに当たり、今シーズン初死球となった。そのまま痛そうなそぶりを見せずに一塁へ。続く大豊の三塁打で全速力でホームへ生還したが、試合後は「痛いですよ」と、シブ〜イ表情。この日はノーヒットに終わったが、チームの「4番」として好調をキープしているだけに当たった瞬間は、ちょっぴりドッキリ! のシーンだった。 <写真=8回、新庄は足に死球を受け苦痛の表情で倒れこむ> (41勝49敗1分:6位) | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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