第87戦 (8月2日)
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新庄V弾19号、打てば負けへん

早出特打ち効いた!猛打賞だ

 新庄が打てば負けない。5回、左翼スタンドへ弾丸ライナーで19号。3年ぶりの20号本塁打へ王手をかけた。第1打席で技ありの右前適時打を放つと、3打席であっさり猛打賞を決める活躍だ。これで本塁打を打った試合は8連勝。三塁打が出ず、サイクル安打は逃したが二塁、遊撃も守って阪神ファンに大サービスをみせた。

8月2日・甲子園
  1 2 3 4 5 6 7 8 9
中 日
阪 神 X
【勝】伊藤【S】葛西【敗】正津
【本】新庄19号(ソロ=正津)

総力戦で内野へ「セカンドはちびりそうだった」

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 真夏の「新庄ナイトショー」は、イキなヒーローインタビューで締めくくった。新庄スマイル全開のお立ち台。虎ファンを親しみを込めて“みんな”と言い、茶目っ気タップリの独演会だ。

 新庄「自分でもビックリしたホームランだったんで、みんなも喜んでもらえたと思う。20本? あまり意識させないで下さいよ。ショートは楽に守れるけど、セカンドはチビリそうになった」

 何をやっても絵になる男。夏休みの甲子園は新庄の独り舞台になった。

 5回だ。この感触を待っていた。弾丸ライナーで左翼スタンドへ飛び込む打球を見て、バットを高々と放り投げる。「久々にバットのヘッドの重みを感じて打つことができた」。中日2番手の正津から放った19号決勝ソロアーチ。自身、3年ぶりの20号へリーチをかけた1発は、新庄アーチの不敗神話を「8」に伸ばした。

 甲子園が新庄のお立ち台で大歓声に包まれる約8時間前、三塁側室内練習場には、ひたすらマシンを打ち込む新庄の姿があった。1日に続く志願の特打ち。「オールスター以降、調子が落ちてきていた。ヘタは練習しないと」。1日までの後半戦4試合で16打数2安打と失速ぎみの主砲がとった異例の行動だった。「ホームランを打ちたいという気持ちが強過ぎるんじゃないかなあ」と師匠の柏原打撃コーチ。だが、新庄は「1発狙い」を否定し「結果を欲しがっていた」と言い換えた。

スタメン
阪 神中 日
坪 井 李 
和 田関 川
ハートキー種 田
新 庄ゴメス
タラスコ立 浪
川 尻山 崎
矢 野井 端
吉田剛中 村
湯 舟小 池

 不調と感じたときは、自ら会得した復調へのポイントチェックを実行するのみ。「開きが早くなっていた。ボールをしっかり見るのは右打ちが一番」。「バスターの右打ち」をイメージしてフリー打撃はスイングした。新庄の“特効薬”は効き目抜群だった。

 1点を追う初回の第1打席は1死一、三塁から小池のカーブを右前に技ありの同点タイムリー。「イメージ通り」と波に乗ると第2打席では、左翼李の緩慢守備を見るや俊足を飛ばしてレフト前の単打を激走の二塁打にする。オールスターの第1戦(東京ドーム)でも見せた新庄ならではレフト前二塁打を甲子園でも披露だ。

 8回には、平尾の負傷退場による緊急シフトで二塁、さらに「ゲッツーのときやりやすい」(野村監督)と遊撃の守備にもつき、スタンドを沸かせた。今季6度目の猛打賞、走っては単打を二塁打に変え、守ってはどこでもOK。借金「10」の現実を忘れさせてくれたお祭り男の夏は、まだまだこれから熱くなる。

<写真=同点の5回に19号のソロを放った新庄>

30発なら球団11年ぶり

 <データセンター> ▼阪神の新庄が19号本塁打を放ち、自身3度目のシーズン20本に王手をかけた。93年に23本を放った際、20本の大台に乗せたのはチーム98試合目の9月5日中日戦。97年には131試合目の10月1日広島戦で20号を放ち、そのまま閉幕となった。

 ▼新庄には球団11年ぶりの30本の期待もかかる。ここまで5・24試合に1本の割合で本塁打が出ており、今のペースでシーズンを終えれば29・7本と達成は微妙なところ。阪神の打者が最後に30本塁打以上を記録したのは、89年フィルダーの38本。日本人打者に限れば、85年の掛布40本、岡田35本、真弓34本にまでさかのぼる。

“神様”和田&八木が勝利へ導く

必死“何とかしなきゃ…”

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 阪神には“神様”がいる。それも、2人も。「何とかしたい」と願う“2人の神様”がチームを勢いづけた。4―3で迎えた6回、先頭打者八木がチャンスを作り、和田が満塁から貴重なタイムリーを決めた。

八木、突破口の二塁打

 まずは八木だ。「6番ファースト」に偵察要員の投手川尻が入っていた。八木は初回の守備から出場。第1、第2打席はともに走者を置いた場面で三振した。試合後「ボクが打っていれば、もっと楽な展開になっていたかもね」と苦笑いで振り返った。

 しかし、代打ではなくても八木は神様だった。この回、先頭打者で左翼線へ二塁打を放ち、突破口を開いた。「いつでも勝ちたいと思っているし、チャンスメークもしたいと思っているしね」。いぶし銀のベテランには、渋いコメントがよく似合う。

和田は千金タイムリー

 このチャンスをムダにはできない。その後、2死満塁とし、もう1人の神様・2番セカンド和田が登場した。カウント2―0で中日4番手岩瀬から外角高めボール気味の143キロ速球を「技ありの一打」。右前に落とすタイムリーだ。三塁走者・八木に続き、中日右翼手・種田が後逸する間に、二塁走者も生還。貴重な追加点となった。

 “新代打の神様”と言われる和田もこの日はスタメンだったが、勝負強さに変わりはない。「あの場面、打つと、打たないとでは、試合の流れが変わってくる。大事な場面だったからね」。これぞ経験豊富なベテランのなせる技。“2人の神様”の競演が、流れを呼び込んだ。

<写真=6回、2死満塁から右前に値千金のタイムリーを放つ和田>

湯舟、5試合連続KO

 先発湯舟が4回、3失点で降板した。これで5試合連続KO。6月11日対横浜戦(札幌)以来の勝ち星を逃した。湯舟は「久々という感じはしなかった。マウンドの感覚は大丈夫だったけど…。次こそ? そうだね」。白星から遠ざかっている先発陣はこの日の練習前、外野グラウンドでミーティング。「先発陣が頑張ろう」(八木沢投手コーチ)と気合を入れ直したが…。17試合連続で先発陣に勝ち星がつかなかった。

矢野が大貢献2点打

 リードだけでなく、矢野がバットでも勝利に貢献した。初回新庄の中前打で先制し、なお2死満塁のチャンス。先発小池の直球をセンターへ弾き返し、2者をホームに迎え入れた。「あの場面、1本出るのと出ないのでは、ずいぶん違いますからね。僕自身はほとんど実戦を積まずに復帰して来たんで自分でも調子が分からないぐらい、今は夢中ですよ」。左わき腹負傷から1軍復帰後初の打点となっただけに、うれしさも倍増の一撃となった。

伊藤“ラッキー”な2勝目

 先発・湯舟を救援した伊藤が1回1/3を0封し、ラッキーな2勝目をゲットした。87試合で半分以上の48試合目登板もなんのその無安打投球。中日打線の反撃機を封じた。「反省点ばかりですよ。(6回は)先頭も(四球で)出してるし…」。投球内容には不満なようだが、報道陣から7月15日横浜戦(甲子園)以来の勝ち星を知らされると、さすがにニッコリ。「勝ち投手? エッ、そうなの? でも前もそういうことを(報道陣に)言われて、(勝ちが)別の人だったからなあ」と目を輝かせていた。

 福原(7回からの2イニングを3安打1失点)「調子はまあまあだったと思います。きょうはスライダーが抜けてたけど、(8回無死一、三塁で中村、渡辺を)連続三振に取ったスライダーはよかったですね」

 葛西 (11セーブ目)「全然疲れはないけど、みんな頑張っているから、プレッシャーがかかるよ」

 西川(6回1死二塁のピンチも代打井上、李を抑えて無失点)「気合入りまくりでした。」

平尾、右人さし指骨折

 平尾博司内野手(24)が2日、甲子園球場で行われた対中日18回戦で右手人さし指を骨折した。8回表無死一塁、二塁手の平尾は井端の二ゴロを処理しようとした際、打球を右手に当てた(記録は失策)。西宮市内の病院でレントゲン検査の結果、右示指(じし)末節骨(つめ下の第一関節の骨)骨折で全治3週間と診断された。平尾は「やったケガは仕方がない。1日でも早く戻れるようにしたい」と話した。3日、1軍出場選手登録が抹消され、代わって星野修内野手(30)が昇格する。

継投で逃げ切り

 〈神―中〉1点を先制された阪神は、1回裏に新庄の右前打で同点。さらに2死満塁で矢野が中前打を放ち、3―1とした。阪神は同点の5回2死から新庄の左越えソロ本塁打で勝ち越し。6回には2死満塁で和田が右前打を放ち、リードを3点に広げた。中日は7回無死一、三塁で内野ゴロで1点を挙げ、2点差まで迫ったが、阪神は継投で逃げきった。

(38勝48敗1分:6位)


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