| 第66戦 (6月30日) |
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タラスコ、意地の逆転弾フランクリン効果…6連敗を阻止
ノムさん誰を外すか「これから考えます」
チームの窮地を救ったのは、崖っぷちに立たされたタラスコの1発だった。1点を追う6回裏、無死一、三塁。この日、右の先発投手(小宮山)では初めて6番に“降格”していたタラスコのバットが初球スライダーを打ち砕いた。倉敷の夜空に打ち上がった花火は、逆転の5号3ラン。チームの6連敗を阻止する千金アーチは、野村監督へ、そして新たなライバル、フランクリンへの猛烈デモ弾になった。 5月6日の広島戦(広島)以来、実に55日ぶり。80打席の空白を埋める1発だ。「どんな形でもいいから走者をかえそうと思っていた。本当にいい感じで振り抜くことができたよ。いい場面で打ててホッとした」。表情こそ穏やかな笑みを浮かべたT砲だが、内心は燃えていた。 この日、ユニホームのズボンは、ストッキングが見えない長いものをはいた。「新庄に言われたんだ。たまには違うユニホームにしたらって。いつもの習慣を変えてみたらどうだってね」。これまでは、尊敬するジャッキー・ロビンソンをまねてヒザ下までのユニホームだったが、開幕から続けたスタイルを捨ててまで“流れ”を変えたかった。
この試合前まで打率2割1分7厘。本塁打はわずか4本。低迷する成績に加え、1発のない迫力不足が自らの立場を瀬戸際に追いやっていた。最下位低迷のチームは起爆剤として30発男のフランクリンを補強。この試合の結果次第では、新助っ人に追いやられるのは明白だった。「フランクリンのことは、いい刺激になっている。でも2軍に落とされるとかは考えず自分のできることをやるだけだ」。意地とプライドが詰まった、まさに“反撃”の1発だった。 フランクリン効果は、首脳陣もうれしい悩みをもたらせた。野村監督は「これから考えます」とだけ話し、バスに乗り込んだ。松井ヘッドコーチは「よう打ったよ」とひとまず勝利を呼んだ瀬戸際の助っ人の活躍に感謝。しかし、1軍助っ人の野手枠は2人。ハートキーも含め3人の用兵の検討は、貧打に悩む状況からは一変した。すんなりとは、決められない“難問”になってしまったのだから…。 株主総会で異例の続投宣言となった野村監督にとっては、出直しの1勝。助っ人の不振に苦しんだ指揮官が、助っ人の活躍で逆襲のきっかけをつかんだ1勝だった。 <写真=6回、逆転の3ランを放ったタラスコ> 新庄、11試合ぶり「打点」祝ノムさん続投に3安打
4番新庄も負けじと、5度目猛打賞で逆転劇をアシストした。これまで2試合8打席無安打だったのがウソのよう。3点を追う初回2死から反撃開始の中前タイムリーを放つなど、11日の同カード(札幌)以来となる3安打。しかも11試合ぶり打点。それは前日「感じは悪くないですよ。力まなきゃ打てるんです」と公言していた通りの復活打だった。 「力んでなかったでしょ? (初回)2アウトからでもああいうのが出ると、流れが変わるから…」。よほど勝利がうれしかったのか、新庄も自画自賛。今季3試合連続無安打のない“スランプ知らず”は、やはり頼もしい。新庄が打てば勝つの神話も復活し、連敗も5でストップ。野村監督続投について「ボクもそのつもり」と話していた新庄がまさにバットでお祝いした格好だ。 <写真=1回、同点の8号2ランを放った大豊を満面の笑みで出迎える新庄> 大豊8号&猛打賞マシンガンよりやっぱり“大砲”だ大豊が完全復活の猛打賞で、連敗ストップに大貢献した。2点を追う初回、小宮山のカーブを2試合連発の同点2ランにすると、6回にも逆転のきっかけを作る中前打。7回も右前打で、4月25日広島戦(甲子園)以来の3安打の固め打ちだ。 「暑いよ。5キロぐらい減ったかな」。大豊は好調モードのジョークで第1声。だがすぐ真顔になって「(初回は)3点取られてすぐ取り返したかった。。みんなよく我慢した」と一丸の勝利を強調した。守備でも好捕の連続。2回1死満塁のピンチには、鈴木尚の強烈一ゴロを本塁併殺に仕留めるなど、好守に大ハッスルだった。 「暑くなるこれからが、オレの季節だよ」。昨年26試合連続安打の球団新記録を作った夏に向け、いよいよ全開モードだ。1軍合流するフランクリンには一塁守備構想もあり、これも大きな刺激。4月8・9日以来3度目となる2試合連発弾には、負けられない意地が込もっていた。打率は5月14日を最後に、1カ月半以上1割台をさ迷っているが、やっとつかんだ復調気配。大豊の逆襲に、虎の命運もかかっている。 H砲もダメ押し打ハートキーも貴重なだめ押しタイムリーを放ち、1軍残留へ食い下がった。8回2死一、二塁から右前へ詰まりながらもポトリ。3点差とし勝利を決定づけた。フランクリンが加入し、微妙な立場に立たされているが「彼のことは意識はしない。(2軍に)落ちるとかどうかなどは考えず、自分のプレーをするだけ」と顔色ひとつ変えず殊勝に語っていた。 中込、ナイスな救援2勝目先発?「考えられる」福間コーチ
2番手中込はガムシャラに飛ばした。その代償か?右足(ふくらはぎ)が痙攣(けいれん)。アクシデントで降板したが、気合の入った投球は報われた。6月10日の対横浜戦(札幌)以来となる今季2勝目を手にした。 8回表だ。投球練習を始めた中込の様子がおかしい。右足を伸ばす仕草を何度か見せた。八木沢投手コーチも慌てて駆け寄った。疲労で右ふくらはぎ痛。1度はマウンドに登りながら無念の降板。交代を告げられた中込は右足をかばいながら、一塁側ブルペンの方へ歩を進めると、3番手伊藤に帽子をとって会釈。そのままベンチに下がった。 文句なしの「投」のヒーローだが、試合後は反省ばかり口をついた。「後ろの人に迷惑をかけました。ダメですね。伊藤さんに悪いことをしました」。今季は主に中継ぎ、抑えとしてフル稼働。この日も湯舟の後を継ぎ、2回途中からスクランブル登板。急きょ、登板することの難しさを知っているからこそ、投手陣全体のことを気にかける。チームの勝利を最優先していることの表れだ。 5回2/3は今季最長イニング。しかも球数は88球。猿木チーフトレーナーは「ふくらはぎの筋痙攣。今後は様子を見て」と心配したが、中込本人は「足は大丈夫です」とキッパリ。実に頼もしい。 結果を積み重ねてきた背番号1に周囲の期待も高まるばかりだ。福間投手コーチ補佐は「中込先発? 足の状態もあるだろうけど、考えられるところじゃないか」。チーム浮上のため、ベテラン右腕が立ち上がる。 <写真=湯舟の後を継ぎ、2回から好投を見せた中込は2勝目をゲット> 湯舟、また序盤でKO先発の湯舟だけが一人かやの外。初回いきなりローズに3ランを食らいぼう然と立ち尽くす。その裏に同点にしてもらい2回のマウンドに向かったが、1死一、二塁と再びピンチを迎え中込のリリーフを仰いだ。前回登板6月21日の広島戦(福井)でも2イニングで5失点と打ちこまれている。「全然アカンわ。マウンドが合わないのではなく、自分の問題」と、口からはぼやきしか出てこなかった。 葛西、12日ぶりも快投9回1イニングをピシャリと締めた葛西は会心の笑顔だ。12日ぶりのマウンドは3点リードの場面。余裕のある状況での登板ではあったが、横浜の反撃を3人で軽く仕留めた。「投げたのは何日ぶりだったかな。マウンドに上がったときは、自分でも『大丈夫かな』と少し不安はありましたが、きょうは体調がよかったんでね」と目を細くしていた。 ご当地八木は苦笑いご当地選手八木は苦笑しきり。岡山県玉野市の出身とあり、試合前には阪神のナインを代表して花束も受け取った。試合では7回2死一、二塁のチャンスに代打で登場しこの日一番の拍手を受けたが、安打性の当たりを横浜の遊撃石井琢に阻まれ天を仰いだ。試合前には「ここマスカット球場ではあまり打った覚えがないんだよなあ」と笑っていたが、残念ながらジンクスは今回も生きていた。 (28勝37敗1分:6位) | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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