第45戦 (5月30日)
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星野、リベンジ7回0封

まだ混セ!首位に3.5差

 星野伸が阪神を救った。7回まで横浜打線を5安打無失点に抑え5月初勝利。メッタ打ちを食らった横浜での開幕戦のリベンジに成功した。打線の援護がなく、5月初勝利となったが、これがチームの連敗を止める貴重な白星。同じ最下位でも首位との差は3.5ゲーム。これなら再浮上へ希望が持てるぞ。

5月30日・甲子園
  1 2 3 4 5 6 7 8 9
横 浜
阪 神
X
【勝】星野伸【S】葛西【敗】斎藤隆

開幕戦の悪夢から60日…横浜を手玉

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 救世主・星野伸が本拠地3度目のお立ち台に立った。スタンドからは「ありがとう」という歓声が飛び、ヒーローインタビューの声をかき消した。屈辱を乗り越えた星野伸が「星野コール」の大合唱を全身に浴びた。

 60日間。“あの記憶”が消えたことはない。「1カ月たっても2カ月たっても、周りにぶり返されるからなあ」。クールな男には珍しく語気を強めたこともあったが、あえて忌(い)まわしい悪夢を脳裏に焼き付けた。

 「(横浜は)いい打線なので、ああいうことがあり得るということは、常に頭に入れとかないと」。セ初登板だった開幕戦。3月31日の横浜戦(横浜)は2回、7安打5失点でKO。苦い思い出を真正面から受け入れ、決して忘れなかった。

 「例えば内角を突いてから、外角で勝負して抑えたとしても、いつも同じではダメ。結果的に抑えたら、それが配球ということになるんだろうけど、『決め事』じゃないんだから」。

 登板前日の29日、苦悩の跡が見える“禅問答”のようなコメントを残した。経験豊富な17年目左腕でも考察を繰り返した。他でもない、それは失敗を次に生かすためだ。

 実際、開幕戦とは別人だった。横浜の高木打撃コーチが「まるで違う。低めへのコントロールがよかった」と証言すれば、駒田も「フォークとチェンジアップのコンビネーションにやられた」と唸(うな)った。

スタメン
阪 神横 浜
坪 井石井琢
今 岡金 城
ハートキー鈴木尚
新 庄ローズ
大 豊駒 田
矢 野メローニ
桧 山佐 伯
的 場谷 繁
星野伸斎藤隆

 連打を防ぎ、マシンガン打線をブツ切りにした。積極的に打ちにくる相手を警戒。ボール球が先行し、3ボールになったケースが計8度。初回には2つの四球を許した。それでも「立ち上がりはきわどい所をねらったボールだから」。すべて計算の範囲内だった。

 7回、108球、5安打無失点。試合後、クールな星野伸に戻った。「ホッとしてます。リベンジ? 何とも思わなかったんだけど、周りがうるさく言うから、横浜戦はやりづらかった。7回が限界。オレが飛ばしてもしれているけど、気持ちの方は飛ばしていたよ」。横浜との2度目の対戦で、リベンジを成し遂げた。

 23日の対中日戦(甲子園)から16イニング連続ゼロ行進。4月23日の対ヤクルト戦(甲子園)以来の3勝目だ。本拠地・甲子園では5試合に登板し、3勝1敗、防御率0・86と無類の強さを誇る。「結果が出ると、なおさら、甲子園が広いと自分にいい聞かせることができるよ」。耳に残る六甲おろしが心地いい。FA左腕がチームの窮地を救った。

<写真=なめるな、横浜。開幕戦KO負けの借りを、見事リベンジしてみせた星野伸。5回、佐伯の三邪飛に大声で指示し、イキの良さを大アピールだ>

決まった!スペシャル継投

遠山→葛西→遠山→葛西で万全

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 万全の形が2度も続けば、それはもう「奇策」とは言わない。最終回に遠山と葛西がマウンドと一塁を行き来する勝利の方程式だ。横浜を今季初めて倒した21日に続き、遠山―葛西―遠山―葛西の必勝リレーが完結。貴重な必勝パターンが確たるものになった。

 9回。2イニング目の遠山が一塁へ回り、葛西の出番だ。「球を長く持てました」と好調の秘けつを明かすサブマリンが、シュートでメローニを三振に。遠山がマウンドに戻り佐伯に左前打されたが、もちろん葛西が一塁に控えている。再登板し谷繁を二ゴロ併殺に取り、遠山がウイニングボールをさばいた。

 「前回(21日)は一塁で緊張しましたが、きょうは大丈夫でした」と葛西が笑顔で語れば、一塁についた4試合で全勝の遠山も「僕は気持ちで行くタイプですから(一塁を守っても)疲れはありません」と不敵な笑顔。好投の星野伸を7回で下げた野村監督は、理由を「あの2人への信頼感」と短く、しかし頼もしげに表した。辛口の指揮官をもピシャリと黙らせるいい仕事。抑え不在とは、もう言わせない。

<写真=前回の横浜戦に続きまたもハマった野村スペシャル継投。一塁とマウンドを行ったり来たりした葛西(左)と笑顔でハイタッチする遠山>

大豊、矢野が連続タイムリー

4回ワンチャンス生かした

 これがホントに貧虎打線!? 最近2試合でタイムリー0本の打線が、横浜マシンガン打線のお株を奪う波状攻撃を演じた。

 3回まで、斎藤隆の前にパーフェクト。だが、2試合ぶりに1番に戻った坪井が、右前へのチーム初安打で、打線の沈黙を破った。四球と新庄の内野安打で1死満塁。この好機で、眠れる大砲が目を覚ました。大豊の低いライナーが、右翼手佐伯の手前で弾んだ。

 「ずっと打てなくて苦しかった」。この打席までの打率は、身長(1メートル85センチ)より低い1割7分8厘。5月12日の6号ソロ以来、打点はなし。このドン底からはい上がるため、大豊は球に食らいついた。初球から4球連続でスイング。1球ボールの後、やっと高めのカーブを捕らえた。「打ち方とかの問題じゃないよ。チャンスをつぶさなくてよかった」。ようやく5月3打点目となる先制適時打に、大豊は胸をなでおろした。

 ホッとしたのは、矢野も同じだ。大豊に続き、中前へ弾き返す貴重な2点目タイムリー。「もう1点欲しかった」。星野伸が前回登板(23日、中日戦)で9回無失点に抑えながら、打線も得点できなかった。「そういう意味で、よかったですね。バッテリーでも、打席に入れば、バッターとして、打ってあげたいから」。恋女房は、エースを楽にした追加点を喜んだ。

 「あそこで、桧山が何とかしてほしい」。野村監督は、続く1死満塁での桧山の併殺打をグチったが、打線がつながったのは久しぶり。5割復帰へ、わずかに光明が見えた。

的場、隠し球失敗

 頭脳派ルーキー的場が、隠し球に挑戦した。初回、1死一塁で金城犠打の時、オーバーランした走者の石井琢を刺そうとした大豊の送球を受けると帰塁した石井琢を尻目に、ボールをグラブへ入れて、知らん振り。石井琢は気付かずに、リードを始めた。しかし、的場が背後から近づく気配を感じた石井琢の帰塁が、的場のタッチより間一髪早かった。的場は「狙ってたわけじゃないけど」と照れ笑いだった。


新庄、右太もも痛…長期離脱も

左ヒザかばい続けた影響か

 新庄剛志外野手(28)に、またも足のアクシデントが発生した。右太もも裏の痛みを訴え、7回表の守備から交代した。

 異常発生は、交代の直前、6回裏の攻撃時だった。この日2安打目の右前打で出塁。続く5番大豊の4球目にスタートを切った。「二塁を回って、大豊さんの打球(一塁線へファウル)を見たとき(右足が)抜けるような感じがした」(新庄)。

 猿木チーフトレーナーは状態について「明日(31日)の様子を見てから」と、慎重に言葉を選んだ。「片方(左)の足をかばいながらやっていたからな」と伊原守備・総合コーチ。左太もも裏の故障を抱え、完治しないままプレーを続けていたために反対の右足に負担がかかっていたようだ。松井ヘッドコーチは「この間(左太もも)よりちょっとひどいかな。2軍落ち? それはちょっと何とも言えない」と話し最悪、長期離脱の可能性も出てきた。

 新庄も「明日になってみないと分からない。打ち身ならいいけど筋肉だから。予報は雨? 中止になってほしい」と顔色を曇らせた。今季は左肩、左太もも痛と相次ぐ故障に泣かされる新庄。長期戦線離脱となれば、上げ潮ムードの虎に大きな不安材料となってしまう。

(20勝24敗1分:6位)


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