第41戦 (5月24日)
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激闘疲れ…延長15回力尽く

2日で史上最長10時間9分

 思わず阪神ナインは天を仰いだ。坪井はベンチで放心状態だった。15回表に入った重い1点をはね返すことはできなかった。2日間で計29イニング、2試合で10時間以上戦ったのは史上初。まれにみる激闘は阪神には無情の結果に終わった。

5月24日・甲子園 (延長15回)
  1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15
中 日
阪 神
【勝】佐野【S】ギャラード【敗】葛西
【本】新庄11号(2ラン=正津)

「ミス多すぎる」ノムさん打撃陣に渋い顔

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 最後の打者星野修が二ゴロに倒れた時、時計の針は12時2分指し、日付けは25日に変わっていた。野村阪神が全精力を使い果たした、今季両リーグ最長6時間2分の死闘。敗れた分だけ、野村監督の疲れも極限に達していた。「厳しい戦い? フン、ミスが多すぎるワ」。うめきのダミ声が選手通路に重く響いた。

 2―2、今季2度目の引き分け再試合寸前だった延長15回1死三塁。6番手葛西が、代打荒木に高々と左翼フライを打ち上げられた。鳴り物応援が終わっても勝利を信じ、最後まで残ったファンは悲鳴。そして坪井懸命のバックホーム及ばず、大きく反れた白球が、空しい終戦を告げた。「みんなに申し訳ない」。葛西もそう話すのがやっとだった。

 8回に先発福原がつかまって2点を先制されたがその裏、4番新庄がド執念。同点11号2ランで追い付いた。

 4番手伊藤が10回を抑えると、受けた5番手吉田豊が粘りに粘った。午後10時30分を過ぎた11回からの“深夜労働”にもフルパワーを発揮。ぐいぐいストレートで押して、いきなり渡辺、井上、中村を3者連続三振に斬った。MAX143キロは今季最速。「今は中継ぎだけど、先発に戻って長いイニングを投げたい」思いが、白球に乗り移っていた。「小さい頃から(大分)実家の牛小屋での乳搾りで鍛えて来たからね」。強ジンな握力で、修羅場4イニングを2安打7奪三振に抑える0封劇で、最後のバトンを葛西につないだ。

スタメン
阪 神中 日
坪 井関 川
和 田 李 
今 岡立 浪
新 庄ゴメス
広 沢山 崎
矢 野福 留
浜 中井 上
的 場中 村
福 原小 池

 当然、野村監督の怒りは、投手陣にではなく、打てない打撃陣に向いていた。「技術の未熟さはしょうがない。サインミスしたらな」。場面は明かさなかったが、先発小池を攻めあぐね、サインミスが命取りとなったことに、渋い顔を作った。ただでさえ、この日はオーダー作りに苦心。前夜サヨナラの殊勲者ハートキーがこの日、胃腸炎で欠場、田中も腰痛で抹消される苦しい展開で、ミスは許されなかったのだ。

 余りにも疲労感の残る1敗。勝てば最下位脱出のチャンスもあったが、これもお預け。この重い敗戦を引きずらないことを祈るしかない。

<写真=延長15回の熱闘も最後は星野修がセカンドゴロに倒れゲームセット。2日で10時間余り、お疲れさまでした>


データセンター

 ▼阪神―中日戦の試合時間は6時間2分で史上4位の長時間試合。試合終了が午前0時を過ぎた2日がかりの試合は、1998年(平10)8月9日の広島―横浜戦(終了0時15分)以来、史上9度目になる。23日の同カードの試合時間が4時間7分で、2日で合計10時間9分。2日連続の長時間試合には91年8月25、26日の広島―ヤクルト戦で合計9時間47分というのがあったが、2日で10時間を超えたカードは今回が初めてだ。なお阪神は4月25日の広島戦(甲子園)で引き分けて以来、今季2度目の延長15回ゲーム。


新庄、11号また負けた

同点弾も嫌なジンクスが…

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 延長15回、新庄に最後の7打席目は回ってこなかった。疲労と敗戦のWショック…。試合後、報道陣を避けるように選手ロッカーへ走った。今度こそ、の思いも通じなかった。だが、2試合連続の延長に持ち込んだのは、新庄のバットだった。

 「打った瞬間にホームランだと分かった」。バットを思い切り放り投げた。ググッと右拳を突き上げる。土壇場8回裏、起死回生の同点2ランをかっ飛ばした。2点をリードされたその裏、1死から代打佐々木が右前打で出塁、中日3番手・正津のカウント0―1からの2球目。内角高めの甘い133キロシンカーをアーチストは逃さない。「体が自然に回転して打つことができた」。ここぞ、の場面で飛び出た3試合ぶり11号弾。その瞬間、はちきれんばかりの新庄スマイルが爆発した。

 だが、主砲にとって何とも憎いデータが継続された。新庄が本塁打を打った試合はこれで5連敗。11本のうちでも勝ち試合は3度しかない。「もどかしい? そんなこと分かっているでしょ。ホームランはいらない。チームが勝つことだけ」。皮肉にも? 新庄が“不発”でもチームは2連勝。だが、またしても値千金のアーチの最後に敗戦が待っていようとは…。悲運の主砲の背中が、悲しげだった。

<写真=8回、同点に追いつく2ランを放った新庄>

福原、力投7回2/3を2失点

痛恨…ゴメスへの1球

 先発福原も力投した。0―0で迎えた8回、ゴメスに適時二塁打を打たれて2失点。「調子自体はいつもと変わらなかったんですが…。毎回、丁寧に投げることを心掛けていました。それだけにゴメスへのコントロールミスが痛かった」。

 4月18日巨人戦(東京ドーム)でプロ初完封勝利を収めて以来、すっかり勝ち星に見放された。野村監督も、5月14日同カード(甲子園)ではリリーフで起用するなど、復調へのきっかけをつかませるため試行錯誤の起用を続けた。そして、この日が先発復帰して2試合目のマウンドだった。最速の直球は151キロを計測する熱投だった。7回2/3を7安打2失点で降板。7回裏、無死一、二塁の絶好機で回ってきた打席では、送りバントとバスターをともに失敗してチャンスを広げることができなかった。「もっとバントの練習をしなくちゃいけませんね」。そう言い残すのがやっとだった。

的場がプロ初安打

 ドラフト1位的場がセーフティーバントでプロ初安打をマークした。腰痛で2軍降格した田中に代わり、4月12日の巨人戦以来の先発出場。5回無死一塁の2打席目で三塁前に絶妙な小技を決め、7回には山本昌から三遊間を破る安打で好機を広げた。「勝ちたかった。打席を重ねるごとに力んでしまって…」。うれしい記念日を勝利で飾れず、ルーキーはガックリ。


ハートキー、風邪で欠場

1軍助っ人“全滅”

 サヨナラ劇のヒーローが一夜明けるとベンチから消えてしまった。23日、延長14回裏にサヨナラ打した助っ人ジェイソン・ハートキー内野手(28)が24日、風邪による胃腸炎のため欠場した。「朝食時に下痢と嘔吐があったようです。体に力が入らない状態」と猿木チーフトレーナーは病状を説明した。

 神戸市内の病院で検査を受けた後、甲子園球場で首脳陣に報告したハートキーは歓喜の前夜とはうって変わってションボリ。「体の状態が悪くチームに迷惑をかけて申しわけない」。外国人選手6人のうち唯一、1軍に残るハートキーだが、病欠でこの日は助っ人勢“全滅”となった。「明日(25日)は大丈夫」と帰宅したが、トレーナー側は「体に力が入るようになるまでは」と、回復状態を見ながら復帰を目指すことになる。

 ◆故障 田中秀太内野手(23)が24日、腰痛のため2軍落ちした。23日の中日戦で初回の打席で痛めたもの。トレーナー側が3日間の別メニュー調整を要すると判断されたが、順調なら6月初旬にも復帰できる見込み。

(18勝22敗1分:6位)


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