| 第34戦 (5月14日) |
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ノムさん、秘策裏目…借金18回福原投入、元木に痛恨1球
「どこかが間違っている…それはオレ」ノムさん
元木のバットが快音を響かせる。その瞬間、野村監督が描いたシナリオは、劇的に崩れ消えた。代わって、演出されたのは、まるで予期しなかった悲運のドラマ。今年初の『ストッパー』福原が、呆然とマウンドに立ちすくんでいた。 完勝パターンだった。4番新庄が先制ソロとタイムリー。星野伸が7回まで、松井のソロ以外はノーヒットに封じる快投。8回2死から、四球と仁志の二塁打で、風雲急を告げたが、野村監督だけは、悠然。用意していた“秘策”に、絶対の自信があった。「ピッチャー福原」。5万5000人で埋まった場内のどよめきを聞きながら、先発で2勝を挙げている福原が、抑えのマウンドに登場した。 福原の剛球がうなりを上げる。初球、147キロの速球が決まる。ここまでは、リリーフで10勝9Sを残した昨年と、まったく同じ光景だった。しかし、ボールが2球続く。4球目、タテに割れるはずの高速スライダーは、曲がらなかった。痛打された打球が、左中間の芝生に弾んだ。 「しようがない。どこかで間違ってるから、こういう結果が出る。それはオレなんだろうけど」。野村監督はみずから責任を負うた。継投失敗。これまでの先制した17試合のうち、15勝をモノにした野村サイ配が、痛恨の逆転負けを招いた。 福原、前日からブルペンスタンバイ
福原のストッパー起用―。秘策ではあったが、奇策ではなかった。周到な準備を整えていた。抑えのミラーが不安定。そこで、9日中日戦で2回KOされた福原に、前日13日からブルペンでスタンバイを命じた。3点負けていた6回ごろ、ピッチング練習。当初から登板予定はなかったが、この日のストッパー登板に備えて、リリーフの感触を取り戻させたつもりだった。 「先発からリリーフ? 関係ないです。(去年)ずっとやってたし。投げるぞと(コーチに)言われてました」。福原も起用法の戸惑いは、きっぱりと否定した。ブルペンで受けた西口ブルペン捕手も「去年と変わらず、球は走ってた」と証言した。すべてが、筋書き通りに進んでいた。しかし、野球は筋書きの通用しないドラマだった。 福原の今後の起用法に関して、松井ヘッドコーチは「分からない」と言葉を濁した。だが、すでに、当面のローテーションから、福原は外している。ミラーが復調するまで、暫定的に抑えで起用するとみられる。野村監督以下、首脳陣の策が、この日は失敗に終わった。完勝パターンをベンチワークで落とした1敗は、単なる1敗ではない。 <写真=8回表2死二、三塁、救援の福原が元木(手前)に手痛い逆転タイムリーを浴び、マウンド上でぼう然> 星野伸、7回2/3を2安打好投も…G戦初登板飾れず3敗
たった2本の安打しか許していない。それでも、負けた。星野伸が巨人戦初登板を白星で飾れず、今季3敗目を喫した。「甘い球はいっぱいあったけど…。巨人戦のムード? 別に変わっていないよ。前回、前々回と比べて? 変わっていないよ」。試合後、ロッカールームまでの通路では、生返事を繰り返した。 繊細かつ大胆に攻め、7回まで巨人打線を翻弄(ほんろう)した。4回、松井にソロ本塁打を浴びたものの、許した安打はその1本だけ。ところが、8回、2死からリズムを乱した。27人目の打者・代打マルティネスに四球を出したことが、悪夢の始まりだった。 完成間近だったパズルがにわかに崩れだした。続く仁志に左翼線へ二塁打を許して降板。代わった福原が元木に逆転打を浴び、白星はスルリと逃げた。「マルティネスへの四球がすべてだった」。そう話すと、星野伸は唇をかみしめた。 105球の好投は報われなかった。4月23日対ヤクルト戦(甲子園)以来、勝ち星から遠ざかっている。星野伸はかつて「悪い波がくる時もある。その時、どうするかが1番大事」と常々話すが、今こそ、その正念場だ。 <写真=8回1死、代打村田真の打球をさばく星野伸> 4番新庄、7号含む猛打賞タラスコ欠場に燃えた
チーム全打点
ハッピーエンドのシナリオが崩れ去った。左中間に抜けた元木の打球を追った新庄は、逆転の走者がホームインするとその場に座り込んだまま動けなかった。11試合ぶりの4番、そして今季巨人戦初の4番に座った新庄がたたき出した2点が、水の泡と消えてしまった。 「言うことなしっ!」。試合後、報道陣の取材を待つまでもなく、新庄は短い言葉に悔しさを込めた。そのまま唇をかみしめた背番号「5」の背中が寂しげに映る。前日13日は、上原の前に屈辱の3打数無安打。そのウップンがたまったところへ、タラスコの負傷欠場で「他にだれがおるんや」(柏原打撃コーチ)と、抜テキされた10度目の4番となれば、燃えないはずがなかった。 2回裏。先頭打者で高橋尚の初球124キロシンカーを完ぺきにとらえ、左翼席への7号ソロ。「(バットの)ヘッドを重く使って回転することができた」と気分よく迎えた3回裏も2死一、二塁から「外角に投げてくるのでは」と読み切って直球を右前に適時打した。序盤で2点を奪う活躍は、まさに4番の働きだった。 いつもに増して勝ちたい理由があった。福岡市内の実家テレビで母文子さんがテレビで見守っていた。「高校時代から母の日とか誕生日にはよく打ってくれるんです。男の子だから、頭の隅で覚えてくれているんでしょう」。息子の輝く姿に拍手を送った文子さんに「母の日」のプレゼントは送ることができた。だから、勝利で飾りたかった。 引き続き大役8回にも左前打した新庄に「3本もよう打ったよ」と柏原打撃コーチはねぎらった。負傷のタラスコは打撃不振もあって、今後も4番新庄が続く可能性は大。息切れ気味の虎に活力を与えるのは、新庄のバットしかない。 <写真=2回無死、新庄がレフトスタンドへ先制7号を放ちガッツポーズでホームインしたが…> 4番広沢、あ〜4タコ絶好の逆転機をふいにした広沢が言葉を失った。逆転された直後の8回裏2死からハートキー、新庄が連打。一、二塁のチャンスで打席に入ったが、不完全なスイングで三塁ゴロ。「別に力んではいなかったんだけど…」とポツリポツリ。4タコで4番の働きができなかったことと合わせ、最後まで沈痛な顔のままだった。 桧山、悔し9回大飛球桧山、もう少しで同点アーチ。1点を追う9回1死、桧山の打球は右中間へ高々と上がった。滞空時間の長い当たりにファンは一瞬の夢を見たが、フェンス直前で高橋由に捕られガックリ。あきらめきれない右翼席からは続々とメガホンが投げ込まれた。「もう少し高く打ち上げればよかったかな…。詰まっていました」と、打った桧山も無念さを隠しきれない表情だった。 ハートキー、初の3番初めて3番に座ったハートキーは、早くも次の試合に向け気分を入れ替えた。3打席目まで凡退していたが、逆転された8回には三遊間を抜くヒット。突破口は開いたが、再逆転はならなかった。「3番だからといって、僕自身はなにも変わりはない。それより次のヤクルト3連戦で、最低でも勝ち越すことを考えないと」と、持ち前の全力プレーでチーム再浮上。決意を語った。 タラスコ、先発落ち右脇腹にハリ訴え、今季初めての欠場トニー・タラスコ外野手(29)が右脇腹のハリを訴え14日の巨人戦を初めて欠場した。「昨日(13日)の試合後にそういう症状があると報告を受けた」と松井ヘッドコーチ。トレーナー側と相談し試合前の打撃練習は回避した。数日前からハリを覚えていたというタラスコは「守備とか代走ならできる」とベンチ入りしたものの「今日はスイングしていないので感じは分からない」と、16日からのヤクルト戦(甲子園)の復帰も未定だ。 (16勝17敗1分:4位) | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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