第33戦 (5月13日)
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上原に参った…G連倒ストップ

“キラー”新庄もノーヒット

 猛虎打線の翌日は、ネコ打線ですわ。12点打線が一夜明ければ、2安打0封負け…。でも、この夜の完全復活・上原ならば、なす術なしもしょうがない。野村監督も、昨年3ホーマーの上原キラー・新庄も、初対決のタラスコも、そして5万5000観衆も全員脱帽のお手上げです。16年ぶりの対巨人6連勝は夢で終わりましたが、またこれからG倒劇をスタートするしかないです。気持ちいい? ほどの完敗は、尾を引きません。

5月13日・甲子園
  1 2 3 4 5 6 7 8 9
巨 人
阪 神
【勝】上原【敗】湯舟
【本】仁志6号(ソロ=湯舟)、二岡3号(2ラン=湯舟)

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わずか2安打

 真っ赤な手袋を取り、素手で出番を待った新庄にこの日、4度目の対戦は与えられなかった。最後の打者ハートキーが右飛に倒れ、マウンドでは上原がガッツポーズを決めた。

 前夜のド派手なG倒トラ祭りは、一夜の夢だったのか…。14安打12得点と今季最高の勝利を収めた24時間後、180度変わった無残な姿をさらけ出してしまった。16年ぶりの巨人戦6連勝も消えた。宿敵のエースの前に今季ワーストの2安打。手も足も出ない、ゼロ封の完敗だった。

 今季3度目の大入り満員5万5000観衆に、見せ場を作るべき男も、この日ばかりは沈黙した。お互いを「天才」と認め合う新庄と上原の今季初対戦。昨年、20勝投手から3本のアーチをかけ、打率3割8分1厘とカモにした新庄が3打数ノーヒット。7回の3打席目は上原が最速145キロ直球を3球続けた、最後フォークには当たり損ないの投ゴロ。まともにスイングさえ、させてもらえなかった。上原について聞かれても「……」。ただ、悔しさが体中からにじみ出ていた。

スタメン
阪 神巨 人
坪 井仁 志
ハートキー元 木
新 庄江 藤
タラスコ松 井
大 豊マルティネス
矢 野高橋由
星野修二 岡
田 中村田真
湯 舟上 原

 昨年7月18日。上原から打った甲子園での3本目のアーチは、素手で左中間にたたき込んだ。最終回、次打者席でそのイメージを呼び起こすように、ライバルを凝視した背番号「5」。わずか29人で片付けられた敗北が、それも空しい光景に変えてしまった。この日から打席に入るテーマ曲を福山雅治の「HEAVEN」から同じ福山の最新曲「桜坂」に代えた。前日12日に6号を含む3安打しても、気分新たに上原との初対決に備えていた。だが、打てなくては「関係ない」と吐き捨てるしかないのも当然だった。

上原に「3点やったらだめ」ノムさん

 上原と初対戦だったハートキーは初回、浜風に押されポテンヒットを放ったが「もっと工夫できたかも」と反省の弁。タラスコにいたっては「自分のスイングができていない」と、投手との対決以前の問題だった。

 スタンドのバ声をベンチ裏通路で聞きながら、野村監督も仏頂面でポケットに両手を突っ込んだまま。「上原? どうかな。バッターに聞いてくれ。データが違った? 打撃コーチに聞いてくれ」。指揮官のコメントも捨てバチだ。「大いなる誤算。上原みたいなタイプに3点やったらダメです」。自軍の打線を嘆くより、上原を称賛した方が割り切れる。こんな結果は、もうスッキリ忘れよう。ため込んだ悔しさは、きょうぶつければいい。

<写真=7回1死、新庄の第3打席は当たりそこないの投手ゴロで上原攻略はならなかった>

 坪井(9回上原からチーム2本目となる中前打)「調子がよかったから、抑え込まれたんでしょう。初回は惜しい中直? 当たりがよくてもねえ…」

 矢野(昨年上原に打率5割の好相性も3打数無安打)「上原がすごくいいというわけじゃなく、オレたちが打てなかったというだけ」

 広沢(途中出場も9回上原に三振)「明日は(巨人先発が)高橋尚か。出たら頑張る。それだけや」

 松井ヘッドコーチ(上原について)「3回までは逆球も多く、コントロールもよくなかったんだが…」

 柏原打撃コーチ(2安打完封負けに)「上原は途中からよくなって来た。不振のタラスコが4番? 他にだれがおるねん!」

2年越しで上原に6連敗

 <データセンター> ▼阪神は上原に対して2年越しで6連敗となった。昨年は開幕カード4月4日と5月23日と対上原は連勝したが、5月30日(10回戦=東京ドーム)で負けて以来、5連敗だった(うち完投負けは7月18日の1試合、完封敗戦はなかった)

 ▼阪神は今季5試合目の完封負けだが、すべて5月に集中。ただ、5月4日の横浜戦(得点0―3)の次ゲームは広島に9点取って快勝。10日の中日戦(0―5)の次は巨人に12得点と、うれしい反作用も。

 ▼巨人の14日の先発予定は、阪神戦初先発、初登板となるルーキー左腕の高橋尚。阪神は今季、相手が左投手先発のゲームが右腕先発よりも勝率がいい。右投手先発相手では負け越しているが、左投手先発試合は7勝4敗と3つ勝ち越している。しかも、4月中旬の9連勝中には中日山本昌、小池、巨人工藤、メイ、ヤクルト石井一など一流投手を攻略している。また、5月9日の中日戦では昨年0勝6敗と大の苦手だった野口も序盤でKO。

湯舟2発…今季最短3回KO

強気が裏目、仁志にガツン

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 先発湯舟が2発に沈んだ。初回先頭仁志にプレーボール7球目を左翼席に運ばれると、2回にも二岡に2ラン。打たれたのはいずれも内角の甘いストレートだった。「どっちも完ぺきに捕らえられた。調子は悪くなかったんやけど、甘く入ってホームランされたことが悔しいワ」。3回の打席で代打を送られ、今季最短の5安打3失点KO。満員虎ファンを裏切る2敗目に、湯舟はガックリと肩を落とした。

 「攻める投球をしたい。守りに入らず、常に攻める」。試合前、そう話していた“強気”は、皮肉なまでに裏目。命取りとなった内角へのコントロールミスに、八木沢投手コーチも手厳しかった。「球が甘いからホームランされるんです。甘いから…」。今季2完封の好調左腕も、巨人戦となればこれで97年以来、3年間勝ち星がない。6月に8試合組まれている巨人戦でこそ、リベンジを果たしたい。


<写真=1回いきなり仁志に先頭弾を浴びた湯舟は、マウンド上でガックリ>

福原、緊急ストッパー!?

 福原がスクランブル・ストッパー!? 今年先発に転向している福原が、リリーフ登板に備えてスタンバイした。この日ベンチ入りした福原は1回裏終了後から、試合終了までブルペンで待機。試合中盤に、ピッチング練習を行い、スクランブル登板の準備を整えていた。「起用法は聞いてないけど、ボク自身は投げるつもりでしたよ」。ミラーが不調で、抑え失格寸前という事情の中、昨年中継ぎ・抑えで活躍した福原が、緊急ストッパーとして登板する可能性があったようだ。先発に転向した福原も4月18日の2勝目以来、白星から遠ざかっているが、黒田バッテリーコーチは「福原をリリーフに戻すことは全然考えていない」と話した。

中込、復活へ手ごたえ

 開幕から2軍が続いていた中込が2番手で今季初登板、4回から3イニングを2安打無失点に抑えた。圧巻はヒットと死球で作った5回2死一、二塁のピンチ。6番高橋由を内角高め直球で空振り三振に仕留めた。球速は右ヒジ手術後最速の143キロ。中込“意地の逆襲”にスタンドは沸き返った。「ボチボチかな。でもボクが全部3人3人で抑えていれば、試合展開が変わったかもしれない」。中込は許した2安打など4人の走者を出したことを悔やんだが、一方では復活への手ごたえも十分。当面は中継ぎでの起用が続きそうだが「先発復帰? 頑張るだけです」と気合を込めた。

ミラー、抑え降格も

 ミラーが抑え失格のピンチに立たされた。9回から登板し簡単に2死を取ったが、仁志に中前打、後藤、江藤に連続して四球を与え降板。ダメ押し点のもとを作った。「内容に納得していない。課題はストライクを取ること」と試合後は涙目に。米テネシー州からガールフレンドのカレンさん(29)が11日に来日し甲子園に招いたが、いいところは見せられずじまい。松井ヘッドコーチは「今後の起用については分からない」と語るなど、抑え役から降格される可能性も出てきた。

吉野悔し…押し出し四球

 吉野が痛恨の1球を悔やんだ。9回ミラーが作った2死満塁のピンチで、打者松井に登板。2―3からの123キロスライダーは惜しくもストライクゾーンを外れ、押し出しでダメ押し4点目を献上してしまった。続くマルティネスは中飛に斬ったが、試合後は悔しさいっぱい。「対松井さん? 最初は緊張したけど、投げてる時は感じなかった。悔やまれます」。超満員の甲子園で体験した“プロ初体験”を今度はバネにしたい。

(16勝16敗1分:4位)


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