| 第32戦 (5月12日) |
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猛虎12点、対G15年ぶり5連倒「14安打」3位浮上巨人相手に12点です。取られたん違いまっせ。取ったんです。阪神が…。ビッグイニングは2度。2回、4連打のガルベスKO劇と、8回には2アーチ含む5安打集中のなんと7点…。主役はどちらの回にもからんだハートキーと新庄ですわ。ともに猛打賞です。これで対巨人に15年ぶり5連勝。猛虎打線復活で、さあ、このまま突っ走って首位といきましょう。
ハートキーや新庄や
閉門を促す場内アナウンスも耳に入らない。試合終了20分を過ぎても、スタンドでは六甲おろしの大合唱だ。そして声を枯らした万歳三唱の行進は、甲子園駅まで続く。5万2000人を飲み込んだ今宵の甲子園ライブは興奮、絶頂、最高潮。万歳せずにはおれるかい! 宿敵巨人相手に今季最多の12得点。日本一に輝いたあの85年以来、15年ぶりとなる巨人戦5連勝だ。猛虎伝説がよみがえった。2回4点、8回7点の猛烈攻撃。メーンイベンターは、ハートキー&新庄の「新2、3番コンビ」。“2人のビッグショー”だ。 第1幕は2回だった。坪井の適時打などで2点を奪い、なお2死一、二塁。ハートキーがガルベスの変化球を捕らえ一、二塁間を真っ二つ。「ツーアウトから打線がつながってたんで、自分も何とかつなごうと思った」。助っ人が見せた一丸精神の3点目タイムリーに続く新庄が燃えた。「見逃せばボールだったかもしれない。でもベンチが盛り上がってたんで、それにつられて打てた」。ガルベスKOの弾丸ライナーが、今度は三遊間を真っ二つに割る。16イニング無得点が続いていたのがウソのような9人攻撃で一挙4点、序盤で試合を決めた。 新庄、強行出場で一発回答新庄にとっては、手負いの強行出場だった。「試合に出てるんだから大丈夫」。とはいえ、一塁ベースに立った時には、思わずしかめっ面。10日の中日戦(岐阜)で痛めた左太ももには、激しい痛みが残っていた。試合前には、野村監督ら首脳陣の間で欠場も検討された。だが「大丈夫じゃないやろうけど、アイツの試合に出たい強い思いを買った」と松井ヘッドが言えば、柏原打撃コーチは「アイツは鉄人や」とうなる。
一方、ハートキーはこの日が甲子園デビュー戦。宿敵巨人相手に、こちらも燃えに燃えていた。「ヤンキースと同じで伝統あるチームと聞いていた。でも相手が強いほど、大きいほど倒しがい、喜びも大きいんだ」。この日まで左打席では9打席無安打が続いていたが、試合前「右肩が落ちている」という長島打撃コーチ補佐のアドバイスがあった。聞く耳を持つハングリー助っ人は初回、いきなり左前打を放って復活し、2回のタイムリーにつなげた。 そして8回裏、この日の甲子園劇場の“アンコール”は、さらに強烈だった。今度は打者一巡10人攻撃。主役は、またも新庄&ハートキーだ。左腕野村に対し、この日初めて右打席に立ったH砲が、初猛打賞となる中前2点打で9点目をゲット。スイッチヒッターの武器をフルに生かした1試合初の左右打席適時打に続き、トドメは新庄だ。5回の左前打に続き、今季2度目の猛打賞となる6号2ランで巨人の息の根を止め、2人で6安打6打点の猛打ショーを終えた。 就任以来、巨人相手に最多の12点を奪った野村監督の笑顔も弾けっ放しだ。「今季初2ケタ? それはあんたら(マスコミ)の世界。巨人相手に何点取っても安心できん。まあ、勝ちゃあいいんや」。言葉はそっけないが、これで順位も宿敵と入れ替わって3位浮上の貯金1。この勢いで夢の続きを…。第2戦の上原撃ち。横浜、広島がともに敗れれば首位にたつ。そして甲子園G3タテ、63年ぶり一気の7連勝。夢ではない。 <写真=8回レフトへ豪快な6号2ランを放ち巨人の息の根を止めた新庄(右)を出迎えるハートキー>
藪、ハーラートップタイ5勝自身初G戦3連勝
エースの威信をかけたマウンドだった。「今日悪かったら次はない」。いつにもましてナーバスになった藪が、巨人打線に気迫を押し出してグイグイ攻めた。その答えは明快、拍手喝采を浴びたお立ち台の晴れやかな笑顔だった。虎ファンが最も望むG斬りで、開幕から無傷の5連勝。うち3勝が巨人相手となれば、重みが違う。 決して調子はよくなかった。だが、悪いなりに粘る。ピンチでも投げ急がない。野村監督から指摘され続けた悪癖も、この日は顔をのぞかせない。2回表、1死満塁も村田真、ガルベスを凡打に仕留め、その裏、自らのヒットも飛び出すビッグイニングを呼び込んだ。3回、江藤に初球を2ランされ「あそこはもっと厳しくいかないと」と反省をすぐに生かす。5回にも犠飛で全3打点を奪われた江藤の第4打席(8回)。顔付近のシュートでのけぞらせ、最後は外角144キロ直球で空振り三振に仕留めてみせた。 前回5日の広島戦(広島)は、3回4失点KOされた。チームが逆転勝ちで初黒星は消えても、自らを“崖っぷち”においやった。「今までの勝ち星は忘れて新しい気持ちでいこう」。昨年の6勝16敗から「汚名返上」をテーマに掲げた今季の開幕時に時間を戻した。「力強い球を投げる」ために打者の近い所までボールを長く持つ新フォームも、ブルペンで再チェック。昨秋から取り組む技術改革とハートが戻れば、巨人打線も怖くなかった。「勝ててほんとよかったよ」。エースの声は、心地よく弾んでいた。 <写真=今年は負けないエースだ! 巨人に3連勝を含む、負けなしの5連勝と完全復活の藪は、2本のタイムリーで甲子園鮮烈デビューを飾ったハートキーと、会心の笑顔を見せる>
遠山、高橋由バッサリ葛西もキッチリ3人締め遠山―葛西のリレーで「T―G5連勝」を締めくくった。まずは左キラー遠山だ。8回2死一、二塁から、先発藪の後を継いでマウンドへ。高橋由を134キロのシュートで空振り三振に仕留めた。役目を果たした遠山は「3球目のカーブ(見逃しストライク)が大きかった。内を見せると外が効く。あの1球が大きかったよね」。リードした矢野も興奮で声が弾む。「あの場面? しびれましたね。酔いましたよ。イメージ通りです」。ピンチを切り抜け、遠山とともにガッツポーズを作り、ベンチに駆け戻った。 ミラーに代わり、この日のストッパーを務めたのは葛西だ。9回表、満を持して登板。8回裏、打線が7点を奪い、12―3の大量リードとなったため、セーブはつかなかったが、キッチリ3人で抑えた。葛西は「点差がありましたけど、プレッシャーはあります。でも、あの場面で使ってもらえるのがうれしい。今日(12日)に限らず、明日(13日)もこたえたい」と意気に感じていた。 秀太、ランニング本塁打へあと一歩常に先の塁へ…これぞ阪神の攻撃スタイル
田中があと1歩でランニング本塁打となる“激走適時三塁打”を放った。3回裏、2死三塁から、左中間を鋭く破る当たりを放った。巨人の守備陣が打球処理をもたつく間に、田中は俊足を飛ばし、一気に本塁へ。おしくもタッチアウトとなり、ランニングホームランは逃したものの、これぞ阪神の機動力を生かした攻撃スタイル。効果的なタイムリー三塁打だった。 打った田中はこの日、守備面で乱れたこともあり「2つもエラーしていますから、反省の方が大きいですよ」と謙虚だった。だが3回表、江藤の2ランで追い上げられた矢先の価値あるタイムリー。しかも、この回、2死から中前打で出塁した星野修が盗塁と相手エラーで三進。その直後、1チャンスを生かしたことに意義がある。伊原コーチも「あの1点は大きかった。2点を取られた後だからね」とたたえていた。 <写真=3回、田中秀太は左中間へのタイムリー三塁打で、快足を飛ばし一気にホームを狙うが間一髪タッチアウトもチームはこの激走でイッキに乗った。捕手村田真> 坪井、2安打2打点坪井が5打数2安打2打点をマークした。2回2死一、二塁から左前適時打を放てば、8回にも右前適時打。ことごとくビッグイニングに絡んだ。「巡り合わせでうまくいく時もいかない時もある。今日(12日)みたいにイケイケでヒットが続く時はいいけど、うまくいかない時にどうするか。そこですよね」。この日の活躍に浮かれることなく、試合後は早くも、次の試合に向けて気持ちを引き締めていた。 最後は大豊6号だお祭り騒ぎとなった8回を締めくくったのは5番に入った大豊。猛攻撃の勢いに乗って左腕の野村からバックスクリーン左へ6号ソロをたたきこんだ。ゲーム後は大きな汗をしたたらせながらもヒーローはボクじゃない、と言わんばかりに無言を通した。今週月曜の福井への移動日には異例の強制練習。ベテラン組の奮起を促されていただけに、ひと息つける一撃となった。 タラスコ、守りで貢献守備で魅了したのはタラスコだ。2点リードの6回2死、元木の放った右翼線沿いの浅いフライに必死で突進。落ちる寸前にキャッチし、球場中から「レッツゴー・トニー」コールで祝福された。先発メンバーの中で唯一ノーヒットに終わったが、チームの大勝もありさすがに笑顔、また笑顔。意気揚々と球場を後にした。 (16勝15敗1分:3位) | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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