| 第30戦 (5月9日) |
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ハートキー、逆転V3ラン予告通り!天敵・野口撃ち「貯金1」
鬼門・福井も“赤鬼”に関係なし
激しく沸き起こる「ジェイソン・コール」に、天高く帽子を突き上げた。何度も自分の名を叫ぶレフトスタンドに続き、今度は三塁側へも。福井の夜を燃え上がらせたのは、新助っ人、ジェイソン・ハートキーだ。来日初アーチが超特大の3ラン。しかも逆転決勝Vの劇的1発だ。ベールを脱いだ来日初の右打席。「恐怖のスイッチヒッター」が、スゴさを見せつけた。 2点を追う3回だった。新庄二塁打、矢野四球などで2死一、三塁のチャンス。右打席のH砲が、左腕野口に襲い掛かった。高めに入ってきたボールをガツン! 高々と舞い上がった打球はあわや場外、両翼100メートルの左翼席上段まで飛んだ。それは前日「打つ自信はある」と豪語した予告通りの野口撃ち。これぞ救世主の働きで、7連敗中の天敵を壮絶KOだ。 「自分を応援してくれるレフトスタンドに打てて、とてもハッピーだ。逆転、しかも小差で勝てたしね。右での1発? ボクにはと左も関係ないさ。メジャーでも左右の打席でホームランを1本ずつ打ってるんだ」。公称179センチ、メジャー通算2本塁打の男がビッグな仕事だ。
7番に下がったこの日が、来日初の左腕との対戦だった。初めて右打席、2回の第1打席でも痛烈な左前打を放った。本人は「左も右は関係ない」というが、本音は右の方が本領を発揮出来るようだ。「元来が右利き」という通り、ハンデ2を誇る趣味のゴルフはオール右からのショット。「左は全然飛ばないんだ。右なら270〜280ヤード飛ばせるんだけどね」。広島長島スコアラーがそれを裏付ける。「右の方がバットが素直に出てくる。あれが本来のスタイルでしょう」。中日投手陣に右打席のデータがなかったのが気の毒だが、7歳から父テリーさん(52=米独立リーグでプレー)に教わったスイッチヒッターとしての長所が、最高の形で結実した。 一見外資系サラリーマンの風情も、タテジマを身にまとえば“強打の赤鬼”に変身。だれよりも驚いていたのは、野村監督だ。「ラッキーパンチ。ビックリするワ。ボールの捕らえ方、ボールを見逃す姿勢が柔らかい。何か打つような気がするんだけど…」。3度の三塁守備も軽快にこなしたジス・イズ助っ人の活躍が、頼もしくて仕方ないようだ。これで過去10年間で1勝(7敗)しか出来なかった鬼門福井に別れを告げ、再び貯金1をゲット。ハートキーに引っ張られ、猛虎が加速する。 <写真=右打席でパワーあふれるハートキーは3回表、来日初ホーマーを左越えに放つ>
<データセンター> ▼阪神は中日野口に7連敗中だった。98年5月26日(倉敷)、川尻がノーヒットノーランを達成した試合を最後に黒星が続いていた。昨年は7試合で0勝6敗、防御率1・95と完全に抑え込まれ、まさに天敵だった。 ミラー抜き“裏技”で逃げ切り決まった!今季2度目の遠山一塁
遠山、今季初Sリードはわずかに1点しかない。だが、その1点を守りきる力が、虎投中継ぎ陣にはある。そして、その1点でしのぎ切る知恵が野村監督に備わっている。遠山を一時、一塁手に回し、遠山―葛西―遠山の必殺リレー。傷心ミラーを使わずとも、3回からの7イニングを1点リードのまま逃げ切った。 「1点を逃げ切るのは、疲れるわ。四苦八苦。1点差はしんどい」。野村監督が漏らした言葉は本音だろう。だが心中には『してやったり』もあるはずだ。鮮やかな継投だった。 見せ場は1点リードの9回。8回2死から登板していた遠山が、9回もマウンドに上がる。しかし、中日は、久慈に代えて、右の代打吉原。ここで、野村監督が動いた。抑えのミラー? だが野村監督は葛西を送り出し、さらに、遠山を一塁手に回した。 この奇策も、4月13日巨人戦に続き、昨年から通算3度目。登板前に一塁起用を伝えられていた遠山に心の準備は出来ていた。「驚くこともなかったよ。守備? プロだからね」。吉原が三ゴロ失策で出塁後、中村の犠打は一塁を狙ったが、一塁手遠山がきっちり処理。続く種田の一ゴロも軽くさばいた。2死三塁。再びマウンドに上がった遠山が、関川を二ゴロに抑え、見事に今季初Sを挙げた。 自信喪失の守護神をカバー「ミラーは自信をなくしているやろうから」(野村監督)」。7日の広島戦でサヨナラ満塁本塁打を浴びた抑えのミラーの状態を考慮、この日の起用は試合前から回避する方針だったことをうかがわせた。抑え不在の緊急事態。だが、リリーフ陣の層の厚さでカバーした。救援陣リーダー格の葛西は、一塁遠山の起用に「監督にお任せですよ」と苦笑いしたが「リリーフのみんながよかったね」と胸を張った。2番手吉野から、川尻、吉田豊、伊藤、遠山、葛西、そして再び遠山。のべ7人の継投で乱戦模様の試合を締めた。 <写真=9回裏、代打吉原で遠山はファーストへ、そして無死一塁になって中村のバントを処理する。右は葛西> 福原、最短2回4失点KO天敵・山崎にまたも…福原が「Wのリベンジ」に失敗した。2回、78球で4失点。今季最短KOを食らった。1回、2回とたて続けに、中日山崎に2点適時打を浴びた。昨年9月26日の対中日戦(ナゴヤドーム)でサヨナラ3ランを浴びた相手に、またしても…。自分のペースを取り戻す間もなく“天敵”に崩されてしまった。 もう1つ、晴らせなかった雪辱がある。昨年5月25日の対中日戦、勝てば首位に立つゲームで救援に失敗。サヨナラ負けを喫したが、くしくも、舞台はこの日と同じ福井だった。相性の悪い山崎に痛打を浴びただけでなく、またも鬼門・福井で最悪の結果に…。降板後「すいません。何も言うことはできません」と広報を通じてコメント。チームの勝利がせめてもの救いだが、試合後も浮かない表情でバスへと乗り込んだ。 ミラーに笑顔なし勝利に沸く三塁ベンチ裏で、ミラーは険しい表情で帰りのバスに急いだ。1点リードの9回裏。これまでならストッパー役ミラーの登場だったが、最後まで出番はなかった。5月7日広島戦(広島)の9回裏、浅井に痛恨の逆転サヨナラ本塁打を浴び、自信を失っているという。最後までミラーに笑顔はなかった。 3番手・川尻が2勝3番手・川尻が今季2勝目を挙げた。3回途中から登板し、3回2/3を投げ、無失点の好投でチームの勝利に貢献した。98年5月26日、倉敷で中日相手にノーヒットノーランを達成している川尻は「中日との相性? いいよねえ。何でだろうねえ。まあ、こういう形で出るということは言われていたので、準備はできていました」。4月22日の対ヤクルト戦(甲子園)以来となる勝ち星をつかんだ。 坪井、2安打1打点坪井が核弾頭としてチームをけん引した。1回表いきなり左前打で出塁すると三進した後の2死三塁から広沢の先制打で得点。1点を追う2回2死二塁の場面では、同点の中越え三塁打で打点を稼いだ。2安打1打点1得点。「軽く振り抜けたけど、風にも助けられましたから」。試合後は「僕じゃなくて、後に出てくる人が頑張ってくれました」と、リリーフ陣の力投をたたえていた。 4番・広沢が先制打タラスコに代わり、8試合目のスタメン4番出場をした広沢が先制タイムリーを放った。初回、2死三塁から、中日先発野口が投げた外角よりスライダーを右前に運んだ。前日(8日)、異例の移動日練習で「特打」を実施したが、すかさず好結果に結びつける当たりはさすが。ワンチャンスを逃さず、4番の「仕事」をきっちり果たした。 (15勝14敗1分:3位) | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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