| 第28戦 (5月6日) |
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ハートキー打った!連勝呼んだ!!初回、久々の先制点演出
2位!再び「貯金1」試合開始から5分もたっていない。初先発、初打席のハートキーが、広島球場に、どよめきを沸き起こさせた。快音もろとも、痛烈ライナーが一塁新井のミットを弾き、ライト線に転がって行く。快足を飛ばして、一気に二塁へ…。新助っ人が、1軍デビュー戦、第1打席でいきなり二塁打だ。しかも、その一撃が、虎に連勝を運んだのだからたまらない。ジス・イズ・救世主。決してスマートとは呼べない赤鬼のような風体が、万来の「ジェイソン・コール」を浴びる。 初回1死、カウント1―2。餌食は右腕ミンチーの内角138キロ直球だった。スイッチヒッターの「2番サード」が、左打席からぶちかました。しかも、打つだけではない。3番新庄三振後、4番タラスコの浅い右前打で激走のホームイン。微妙なタイミングにも迷わず三塁を蹴り、グングン加速した。打って走ってもぎ取ったその1点が、貯金1を刻む決勝点だ。 「初打席でヒットなんてすごくラッキーだね。あの打席は野手の間を抜いて、クリーンアップにつなぐことを心がけたんだ」。試合後のハートキーは、弾けんばかりの笑顔だ。 その価値の高さは、野村監督のしたり顔が象徴していた。「いきなりスタメンが大当たり? 使ってみんと分からんからなあ。でも初回の先制点なんていつ以来かな。きょうは久しぶりに楽に見させていただきました」。4月23日のヤクルト戦(甲子園)以来10試合ぶりの初回得点がチームに流れを呼び、湯舟の完封を演出。1度のサードゴロも軽快にさばいたハートキーの殊勲を、指揮官も称えずにはいられなかった。
デビュー戦の重圧をものともせぬ勝負強さがある。「ヘイ! ラッキー・ボーイ!」。試合後、カブス時代の同僚ミラーが送った賛辞は本物だ。メジャー時代も“初舞台”に強い逸話がある。96年メッツ時代のメジャーデビュー戦も、あのマダックス(ブレーブス)相手に、3打数2安打2二塁打の活躍だった。「もちろん、その試合も勝ったよ」。ブロワーズの背番号61を継いだ新助っ人は、4月の不敗神話男・バトル以上の“福の神”かもしれない。 その後の4打席はオール左打席で凡退したが、向上心も旺盛だ。「トニー(タラスコ)から日本の投手は変化球が多く、強く待つことが大切だとアドバイスをもらった。日本でやって行く自信もできた」と、さらなる爆発を期す。「昨日勝ってる中で打線を変えるのはイヤなものやった」(松井ヘッド)という首脳陣の不安を消し去り、2番H砲が大当たりした21通り目の猛虎新打線。一気の広島3タテは、そのバットが導いてくれるに違いない。 <写真=ハートキーは初打席の1回、あいさつがわりの右翼線二塁打を放ち一塁へ猛ダッシュ>
4番タラスコV打&5号ハートキーが打って、それをタラスコが返す。阪神の新しい得点パターンが、はやくもお披露目だ。初回、タラスコが、貴重なV打点を上げた。「彼(ハートキー)が塁に出て僕が返すパターンが続けばいい。彼がチームに活性を与えてくれた」。初回2死二塁、ミンチーから4番に入って初安打になる右前適時打を放つと、二塁からハートキーがホーム生還だ。 新助っ人加入に刺激されたタラスコは、5回にも4号本塁打を放った。「コンパクトに振ったのがよかった」。1死から初球カーブを狙った当たりは、右翼スタンドへ飛び込んだ。4月11日巨人戦(甲子園)以来、56打席ぶりの1発。 前日(5日)、チームは今季最多の15安打だったが、タラスコは5打数無安打。「昨日はカヤの外だった。結果が出なくても失敗を学び立ち直るのがベースボールだ。神様に感謝している」。先制打と久々のアーチを放った4番に、野村監督も「今までが悪過ぎたからな」と、苦笑いしていた。 8番田中が猛打賞…野手全員安打や“打てない虎”が3戦連続2ケタ貧打で泣いてきた阪神が、3試合連続の2ケタ安打だ。この日も12安打の猛攻。柏原打撃コーチも「打線はわからん。不安ばかりや…」と、うれしさを通り越して首をひねるしかなかった。 新助っ人ハートキーが火をつけた先制劇、5回は4番タラスコに1発が飛び出して、9回敵失がからんだダメ押し。そんな理想的な攻撃に、ベンチには笑顔が絶えなかった。「第1、第2打席を大事にしていきたい」という田中が3安打の猛打賞。すべてが好転して試合に出場した野手全員がヒットを放った。 2安打を放ち「勝ててよかった。勝てる時は、勝てるもんですね」と新庄。あまりの痛快な連勝には「連勝中にもいい勝ち方、いい勝ち方といいながら(次は)連敗してしまうんだから」と、松井ヘッドは逆にチームを戒めるように試合を振り返るほどだった。 湯舟、完封!8年ぶりの無四球今季2度目、4安打“復活祭”
ノムさん、おホメ「本来の彼のピッチング」
あのときと変わらぬポーカーフェースで湯舟は投げ切った。夏を思わせる陽気の中、夕陽に汗が光るヒーローインタビュー。110球であっさりコイを料理した左腕が、やっと笑みをこぼした。「たまたまですよ。(捕手)矢野をはじめ守備陣のおかげ」。5試合目の登板で早くも今季2度目の完封勝ちは、無四球の勲章がついた。 8年の時を越えての再演を完結した。投手にとって何より胸を張れる無四球シャットアウト。湯舟のそれは、シーズン最後までペナントを競り合った92年の9月10日以来になる。相手はこの日とまったく同じ相手、同じ舞台で許した安打も同じ散発4安打だった。 「すごく調子がいいというわけでもなかった。守りでみんながカバーしてくれた。うまく点を取ってくれたしね」。ベテランと呼ばれるようになった10年目は、謙虚に快挙を振り返った。1点をもらっての初回、2死から町田に二塁打を許しても4番金本を投ゴロでピシャリ。それが、得点圏に走者を置いた最初で最後のピンチだった。 終盤の7回裏になって今季最速の142キロをマーク。「この球場は(スピードガン表示が実際より)速いから」と笑い飛ばしたが、力が入るわけがある。開幕2戦目の横浜戦で浴びた逆転3ラン、連勝ストップとなった前回(4月28日)の中日戦で降板につながる失点は、いずれも“魔の7回裏”。「この前は勝てそうで勝てなかったから、今日はできるなら勝ちたかった」。言葉はあくまで控えめでも、白星を求めるハートは静かに燃えていた。 「本来の彼のピッチングができてきたんじゃないの」。野村監督にやっとお褒めの言葉ももらった。女房役の矢野が言う。「気持ちの面でどんどん攻めていけた」。2勝がいずれも完封勝ち。昨年まで2年間たった2勝に甘んじた湯舟が、完全復活への自信もつかみ取った。 <写真=気合満点のピッチングで広島打線をピシャリと4安打にきってとった湯舟は、今季2度目の完封劇> 湯舟、8年前は連続完封湯舟の無四球完封勝利は、92年9月10日の広島戦(広島球場)以来だが、その次の登板でも、甲子園の広島戦(9月16日)でも2―0の連続完封劇を果たした。湯舟は、その9月、その2完封で月間防御率0・32。自身2度目の月間MVPを獲得した。 ヤクルトと優勝争いを展開していたその92年、9月は激動の月で、9月11日にはヤクルトと6時間26分の延長15回引き分けがあった。9月19日、チームは7連勝を果たし、ヤクルトと3差。そこから19泊20日の大遠征に出た。優勝確実と言われ、最も好調だった湯舟は、その遠征からストッパーに転向した。が、これが裏目にでて、結局、最後はヤクルトに逆転優勝された。 新庄の内野安打で二塁から一気坪井“黄金の走り”ベンチの野村監督も思わずニンマリだった。「いい判断だった」と、うなずいたのは“走る野球”の推進者、伊原三塁コーチだった。坪井が広島守備のスキを突いた好走塁で3点目をもぎとった。敵に大きなインパクトを与えた走りだった。 2回、坪井が左中間二塁打で、この試合2点目を加点した。なお2死二塁の場面。3番新庄がミンチーのカーブを泳ぐように放ったのはボテボテの三遊間への当たり。ショート東出が一塁新井に送球した間に、何と坪井が三塁を回り、一気にホームへ滑り込む。一塁新井からの送球に、間一髪セーフだ。 ただ、当の坪井はいたってクールに答えた。「ナイスランでもなんでもないですよ。キャンプからずっと練習してますから。僕でなくても、だれがやってもセーフですよ」。昨シーズンわずか6盗塁の男から、そんな言葉が自然と出てくるのも頼もしい。 坪井は9回にも盗塁を決めて、最後は敵失も絡んで得点に成功し“走る坪井”をアピールした。この回には、新庄も二盗を決めたが、走塁革命の主、伊原コーチも「いつでも先の塁にいこうとする意識が自然と出ている」と、少しずつ手ごたえを深めていた。 平尾、2日連続の笑顔それまで3打席2三振でヒットのなかった平尾が8回、思い切りのいい“らしい”バッティングで三遊間を抜いた。このヒットで湯舟を除く先発野手全員安打が完成した。前日(5日)は9回に決勝のタイムリーを放つ連敗脱出のヒーローだった。この日はゲーム前から「昨日は昨日です。もう忘れてますよ。きょう、気持ちを改めていくだけです」と気を引き締めていたが、8回ようやくのヒットと、チームの快勝に試合後は2日連続の笑顔だった。 大豊の応援ボイコット〉左翼席の虎ファンが大豊への応援をボイコットした。この日、初回の第1打席で一塁線を破る二塁打を放ったものの、第2打席以降はサッパリ。8回の第4打席では、ついに「応援歌」が消えた。阪神移籍後、個人的な「応援ボイコット」を受けるのは初めてのことだ。9回の第5打席、わずかながらに声援は復活したが、またも三振。結局、3打席連続三振だったが、不振の大豊に対してファンのイライラが募っている!? (14勝13敗1分:2位) | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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