| 第18戦 (4月23日) |
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強い!14年ぶり8連勝芸術ピッチだ、星野伸が完封
虎の子1点守り切った
星野伸は心底からあふれ出る喜びを抑え切れない。9回、2死、ペタジーニを空振り三振に仕留めてゲームセット。いつもはクールな17年目の左腕が、野球人生でほとんど見せたことのない、珍しい、珍しいガッツポーズを決めた。今季最高4万8000人の大観衆から星野コールが降り注いだ。 「終わって見たら最高の気分です!」。14年ぶりにチームは8連勝。自身も阪神に移籍後、初の完封。しかも初回にもらった1点を最後まで守り切る1―0での勝利。投手冥利につきる“スミ1”の完封ショーを決めた。 「0点に抑えられる立ち上がりじゃなかった。連勝にプレッシャーはあったけど、他の投手もいいんでオレで負けてもいいかなって気持ちで」とテレくさそうに振り返ったが、回を追うごとに自分のペースをつかむ辺りはさすが。「芸術投法」で4安打に封じた。 勲章も手にした。今季2勝目は通算170勝目。さらに初回、3番佐藤を中飛に打ち取り2死とした時点で、史上40人目の通算2500投球回を達成した。「長くやってきたからついてきただけ。ただ、そんなに数がいない記録。光栄に思います」。自らの球史に新たな1ページを加えた。
登板を重ねる度に成長する。それが強さの秘訣だ。前回14日の対中日戦(甲子園)で移籍後初勝利を飾った夜、いつもと違う「行動」に出た。その日はナイターにもかかわらず、帰宅後、テレビで深夜放送された録画中継を見た。メモリアル勝利のイメージを脳裏に焼き付けておきたかったからだ。「気持ちよく見れたよ、この前は」。ただ単に喜ぶだけじゃなく、すかさず次につなげる。次々と記録を更新できるのは研究心があるからだ。 「最後の走塁ミスがダメ。流れが変わっちゃうから。でも今日は0点に抑えられたんで、ヨシとしないとネ。それ以上はぜいたくだから」。8回裏、四球で出塁した星野伸は三塁まで進み、タラスコの遊直で飛び出して併殺になったが、それはご愛嬌。 野村監督も「ピッチャーの芸術です」という粋なフレーズで称賛する。「まだ4月。今いい波がきているけど、悪い波がくる時がある。悪い時にどうするかが1番大事だよね」。首位の座がすぐそこに迫っても、浮かれず、地に足をつけている。勝ち続けることの難しさと喜びを知っている。そんなエースの存在が頼もしい。 <写真=ヒーロー星野伸はスキを見せない完封劇で矢野(右)とがっちり握手>
タラスコ、値千金の決勝打「いける!? 120連勝」
「チームが1つになってる」
ブッチュー! 試合後のロッカー前、タラスコは人目もはばからず、婚約者のラティシアさん(27)と濃厚なキスを交わした。タラスコが先に唇を寄せれば、今度はお返しにラティシアさんがブチューッ。もう見ていられない。「きょうは最高にエキサイトしたワ!」。フィアンセをそこまで喜ばせたのは、未来の夫が果たした大仕事。初回、見事な速攻劇だった。 先頭坪井が右中間二塁打、2番平尾が送って1死三塁。いきなりの押せ押せムードにバットが火を噴いた。2球目130キロスライダーを捕らえ、前進守備の一、二塁間を真っ二つ。伊藤智の立ち上がりを攻め、わずか6球で先制点を奪う千金タイムリーだ。終わって見れば、野村阪神2000年初勝利となった4・4の同カード(神宮)以来、これが2度目のV打点。夕暮れ甲子園のスコアボードには、虎の子のスミ1が光り輝いていた。 「ツボイが出て、ヒラオが送って、ボクが打つ。それぞれが役割を分かって、本当にいい形で得点出来てる。みんなのお陰で勝てた試合だ。チームが一つになってる。あの時と雰囲気が似てるんだ」。 あの時とは、ブレーブス時代の93年10月。ナ・リーグ地区首位チームに12ゲーム差をつけられながら13連勝し、逆転でプレーオフに進出した時のことだ。23歳のタラスコはその時初めてメジャーに昇格。24試合に出場して「奇跡」に貢献した。あの時のベンチのムード、まとまり、勢いは今の野村阪神とそっくりだというのだ。 「このままなら120連勝ぐらい行きそうだ」。しまいには、そんな威勢のいいコメントまで飛び出した。25日からは、いよいよ広島と夢の首位攻防。興奮を抑え切れないT砲は、24日が練習免除にもかかわらず、参加志願する熱の入れようだ。「きっといい試合が出来ると思うよ」。またもその一撃が、甲子園を絶叫の渦に巻き込んでくれるに違いない。 <写真=8連勝をもたらす貴重なタイムリーを放ったタラスコは、満員のライトスタンドに向かって軽く一礼> 矢野、好リード完封アシスト1死一塁で飯田を刺した
矢野が好プレーでヤクルトの追撃を交わした。1点リードの3回表。1死から飯田が四球で出塁。カウント0―1からの2球目。ウエストを指示したベンチの思惑通り、一走飯田を二塁で刺した。「監督に助けてもらいました」と矢野。ネット裏の広島007は、25日からの首位決戦(甲子園)へ、この矢野の動きに警戒を強めた。 偵察した広島奥昌男スコアラーは「今の阪神は確かに盗塁も多い。でも注意すべきは、走ったり、打ったりというよりバッテリー」と、矢野に要注意マークをつけた。その矢野は「(ヤクルトは)フォークを意識してたみたいだった。後半にマークされるときついので、カーブをあまり見せなかった」と、相手の読みを散らしながらの配球で星野伸を巧みにリードした。黒田バッテリーコーチも「緩急を使って投手の持ち味を出した」と、正捕手の貢献を認めた。 奥スコアラーは「ボール球を放れるカウントで、投手が自信をもってボール球を放っている。矢野の意図した球を投げている。この前の巨人戦の福原も小さく変化するボール球を有効に使った。今日(23日)の星野(伸)もそうだ」と分析。阪神の8連勝に、矢野の配球と、それによって力を発揮する投手陣に要注意マークをつけていた。 <写真=“ナイス!”3回、打者真中の時、一塁走者飯田の二盗を読んだ矢野は、外角に大きく外してショート田中に好送球。ピンチを救う> 坪井、V呼ぶ二塁打坪井が伊藤智キラーの本領発揮だ。「今日は星野さんに尽きますよ」。試合後は、自分のことより、照れながら、星野伸の好投をたたえた。それでも、派手さはないが、渋い働きでチームを8連勝へとけん引。タラスコのV打を呼んだのは、坪井の一打が始まりだった。 1回裏、伊藤智の初球を右中間へ二塁打。平尾の犠打で三進、続く3番タラスコの右前打で楽々ホームインだ。昨シーズン、伊藤智から打率3割4分8厘(23打数8安打)をマーク。得点にはつながらなかったが、3回にも中前打を放つなど、この日も2本のヒットで相性の良さをアピール。あとは2四球で、4打席とも出塁して核弾頭の役目を果たした。 「(星野さんのピッチングは)リズムがあって、守りやすい」。自分のことは後回し。星野絶賛に終始していた。 “バトル神話”17連勝どこまで続くバトル神話―。チームが連勝を伸ばし、途中で1軍に昇格したバトルは、2軍戦から、17試合連続負け知らずとなった。「ボクだけのせいで、勝ち続けているわけじゃないよ。きょうは、星野(伸)がよく投げていたからね」。とはいえ、7回に中前安打を放ち、5度の守備機会を処理。試合後は観戦していた家族と喜びあっていた。 (11勝7敗:2位) | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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