| 第17戦 (4月22日) |
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美技連発で7年ぶり7連勝坪井が秀太がスーパーキャッチ
「守りは攻撃にまさる」ノムさん
フラフラッと舞い上がった古田の打球を、ショート田中が全力で追う。4万ファンが悲鳴をあげた。また同点か…。9回、絶体絶命の大ピンチ。ベンチの野村監督も白球の行方を追った。 頭上を越えた打球。ホームに背を向けて走った田中の、とっさの判断だった。「飛ぶ!」。ダイビングしながら、左手を必死で差し出した。その瞬間、まさに神がかり的なプレーは生まれた。ボールは、すっぽりと田中のグラブに入った。「追いかけていたら捕れないと思った。だから飛びついた。ちょっと大げさになってしまいましたね」。ミラクルキャッチに外野から新庄が、坪井が駆け寄り、田中を抱きかかえるように祝福してみせた。 小さな体をフルに使ったスーパーキャッチ。勝利に貢献したのは、田中だけではない。8回2死二塁。代打青柳の左邪飛を、坪井がフェンスの金網にぶつかりながら好捕した。「空中でとれると分かったから…。体はどうでもいいかなと思った。左足をぶつけたけど大丈夫です」。野村監督は「よく捕った。秀太か…。坪井もそうだ。投手を中心によく守った」と興奮気味に話し、ロッカーまでの階段をゆっくりと上がった。 「勝利の原理です。つまり“守りは攻撃にまさる”というね。それが連勝につながっている。原理のままだ」。
「守り勝つ」。それは監督が理想とする“甲子園野球”だ。開幕直前、こう宣言した。「甲子園はファウルグラウンドを含めて広い。投手中心の守りの野球をする」。昨年の経験を生かしチームの進むべき方向性を模索し、勝利の術を「守り」に定めた。 春季キャンプでは、選手に「ノムラの考え2」を配布。眠そうに目をこするナインを前に、今年も熱弁をふるい続けた。その教本は、まず「初めに…」で始まる。そのページの中で指揮官は、こう力説している。「野村という男を知ってもらいたいから、この本を書いた」。自分が目指す野球を、徹底的に選手の頭に叩き込んだ。その象徴が、田中が飛び込んで守り勝った“奇跡の瞬間”に凝縮されている。 93年(平4)7月以来の7連勝で今季10勝目。膨らんだ貯金は「3」。ドロだらけのユニホームで引き揚げて来たナインの笑顔、笑顔…。ミラクル阪神は止まらない。首位の座が、もうすぐそこに見えてきた。 <写真上=「9回1死一、二塁、古田の飛球を遊撃手田中が背走しスーパーキャッチ。一打同点のピンチを救い、7連勝をつかみとった 写真下=8回2死二塁、代打青柳の左翼フェンス際の飛球を坪井が好捕>
ナイス救援、川尻が今季初星伊藤→遠山→ミラー
虎の救援リレーが何とか7連勝をつかみ取った。中継ぎ2試合目で今季初勝利を挙げた川尻が、火消しの先陣役だった。5回表、先発ハンセルが同点とされ、なお2死一、二塁の危機。「あそこは準備していたよ」と川尻。土橋をカウント2―1から外角直球で見逃し三振。さらに7回の1死一、二塁で迎えたペタジーニもスライダーだけで3球三振に仕留めた。「調子? わかんない。まあ、よかった、よかった」。投球スタイルそのままにノラリクラリの言葉もロング救援の成功に表情は自然と緩んだ。 8回に伊藤が1点差に迫られても、2死二塁の危機を遠山が断つ。「1点あったし焦ることはなかった。あそこは気持ちだけ」という気迫が坪井の美技も呼んだ。9回はヒヤヒヤながらミラーが締めくくって辛勝。「絶対に剃らないよ」。連勝のゲンかつぎで伸ばし始めた守護神のアゴヒゲも立派になってきた。 新“代打の神様”は和田19日G戦に続き、石井一撃ちV打
「今まで打てなかった」スライダー狙いズバッ4万人の和田コールにホオを染めながらお立ち台に上がった。37歳の大ベテランが、またまた“いぶし銀”の大仕事をやってのけた。狂喜乱舞の虎ファンが浴びせる大歓声。それは「新・神様」の襲名を祝う喝采だった。 出番は、またもラッキーセブン7回だ。無死一、二塁。田中がから、野村監督直々に「ここはバントだぞ。しっかり決めて来い」とゲキを飛ばされた執念でスリーバントを決めてお膳立て。19日の巨人戦(東京ドーム)の7回表、憎っくきメイを一撃で倒した代打和田のコールに、だれもが再現を願った。手に汗を握った。 「今まで、石井一のスライダーがどうしても打てなかったんで、カウント2―3になって待っていた。これまでの対戦から、いろんな状況を考えたよ」。勝負をかけたギリギリの駆け引き。和田の頭は冷静だった。昨季、石井一には15打数でわずか1安打、6三振。相手の勝負球は見切っていた。123キロの抜けたスライダーをまんまと中前に弾き返す。ベテランの勝ち越し適時打に「どんな形でもいいから走者を返そう」と坪井も勢いに乗って右前タイムリー。昨季4勝を献上した石井一をKOした。 刺客となった和田は4回から黙々と素振りを続けていた。「何回素振りしたか分からないよ」。連勝で波に乗るチームをベンチで見守るもどかしさを振り払い、ひたすら1打席の勝負に備えていた。「打ってうれしいという気持ちはない。何とか自分の仕事を果たせてホッとしたよ。代打って難しい。もうちょっと勉強します」。ヒーローらしからぬ言葉が、また和田らしい。 7年前の7連勝は中軸として経験したはずが「あまり覚えてない」と苦笑い。「ここで上がっていけるかの瀬戸際。現状に満足しないでもう一つ上にいかないと」。今や神様和田…。チームを支えるベテランらしいセリフが、頼もしく響いた。 新庄、スタメン復帰即3号迷いなく初球フルスイング
“お祭り男”の血が騒いだ。「5番センター」で5試合ぶりのスタメン復帰。グラウンドに出てしまえば、迷いなど一切ない。新庄がド派手なパフォーマンスで、自らの復帰戦を鮮やかに彩った。 2回、無死一塁。ヤクルト先発石井一が投げた外より低め121キロのスライダーをフルスイングした。打球はグングンのび、左翼席へ。先制の3号2ランだ。復帰戦の第1打席、しかも初球。何の躊躇(ちゅうちょ)もなくカッ飛ばす当たり、さすが役者だ。 価値ある先制弾。新庄は「ケガで戦列を離れていたので、復帰した時には全力でプレーしようと思っていました。ストレートをねらっていたのですが、体が自然に反応して軽く振り抜けました」と声を弾ませた。 13日の対巨人戦(甲子園)で二盗した際、ヘッドスライディングをして左肩を痛めた。14日の対中日戦(甲子園)こそ強行出場したものの、15日以降スタメンから外れた。フルスイングができない状況が続いた。 くしくも、左肩を痛めた巨人戦からチームの「連勝街道」は始まった。快進撃をベンチから見守り続けるのはちょっぴり、いや、かなり寂しい。自分が貢献できず、じれったくてたまらなかった。試合に出たくて、出たくてたまらない思いを、グッと我慢。そんなモヤモヤを、この日の復帰戦で一気にスパークさせた。 試合後「広沢さんが四球で出たから初球から甘い球が来ると思っていました。マグレでしょう。7連勝? 関係ないですよ」と謙そんしたが、とてつもないことをしでかすのがこの男の魅力。新庄が「首位獲りムード」を加速させる。 <写真=2回無死一塁、復帰即1発を放った新庄君、やっぱり君には派手なガッツポーズが似合います> テーマソング効果、広沢3回タイムリー4番に入った広沢がタイムリーを放った。3回、2死一、二塁の場面。ヤクルト先発石井一が投げた138キロ外角シュート気味の球を弾き返し、中前適時打を放った。「(バットを)振った場所にたまたま球がきてくれた。打席に入る時の音楽を変えたのがよかったのかもね」。これまで甲子園で打席に入る際の曲は、長渕剛の「HOLD YOUR LAST CHANCE」だったが、この日から映画「パルプフィクション」の主題歌にかえた。広沢は「清原が(ケガから)復帰しただろう。清原が1番好きな歌なんだよ」。昨年までチームメートだった清原に対する“復帰祝い”の意味をこめた音楽変更であることを明かし、その「効果」にホオを緩めていた。 (10勝7敗:2位) | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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