| 第14戦 (4月18日) |
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福原、初完封!4連勝で5割だ見たか“巨満”打線を4安打
変化球中心に組み立てGパワー“封印”
悔しさは、倍にして返した。1週間前は、撃沈KOに、うなだれてベンチに戻った。その福原が同じ巨人打線相手に、この日はマウンドではにかみながらもガッツポーズだ。先発転向1年目、3試合目の大仕事だった。プロ初完投が初完封。野村阪神が昨年7月10日以来、283日ぶりに5割復帰を果たした。 「とにかく低めに変化球を集めようと思ってた」。今季、巨人ミレニアム打線を9回0点に抑えた投手は、だれ1人いない。前回11日とは別人の福原が、それをやってのけた。2回、先頭の松井を四球で歩かせた後、高橋由との勝負。得意球の直球は1度も投じなかった。フォークとスライダーを連投し、5球目のフォークで空振り三振。続くマルティネスもフォークで三振。3回1死二、三塁でも、速球を封印した。清水、江藤に、いずれも初球のフォークに手を出させ、たった2球でピンチを脱した。 「前のビデオを見て、いろいろ反省したんです」。KOの教訓を、再戦で生かした。自軍が5回にダメ押し2点を加えるまでの4イニング、53球を投じたうち、変化球が半分以上の29球を占めていた。 この転身を導いたのは、女房役の矢野だ。「同じようにやられたら、意味がない。巨人がすごい打線なんで、うまく変化球を増やした」。登板前、福原と打ち合わせ。「矢野さんに任せます」。福原の言葉で、モデルチェンジが決定。すでに完封ショーの下ごしらえはできていた。
もっとも、このフォーク、去年までは「ほとんど落ちなかった」という代物だった。だが、先発転向が決まった今年3月、フォークの握りを変えてみた。すると「自分でもビックリするぐらい落ちるようになりました」。MAX152キロの直球一本槍から、2年目の武器を手に入れていた。 4連勝で借金完済。福原を迎えるベンチは笑顔が並んだ。野村監督は「バッテリーに聞いてやってください」と手放しで絶賛。投手陣を中心に、しのぎ勝つための手ごたえが、その顔にあった。今回の連勝街道は、先発投手陣が支える。16日中日戦では湯舟が完封。2試合連続完封はシーズン終盤までV争いした92年9月15、16日(対広島)の仲田、湯舟以来だ。 「完投したのは、大学(東洋大)4年の時以来かな。きょうは、3、4回ぐらいからしんどかったですよ」。試合後の福原はフラフラだったが、矢野は「これで、先発でやっていく感触ができたんじゃないですか」と脱皮を認めた。『21世紀のエース』という称号は、間違いなく、福原のものだ。 <写真=借りは返したぜ! ゴールデン打線を手玉に取り、プロ初完投を完封勝利で飾った福原は、ラストバッター二岡を右飛に打ち取り「ごっつぁんです」> 矢野が3号2ラン、タラスコ二塁打工藤をKO…甲子園のお返し打!
福原のために憎っくき工藤をマウンドでうなだれさせた。甲子園の屈辱は、お江戸東京ドームで倍返しだ。164勝左腕に巨人移籍初黒星をつけたのは、猛虎打線意地の結晶。11日の甲子園今季開幕ゲームで7回6安打2点に抑え込まれた宿敵を、5回6安打で壮絶KOだ。リベンジの号砲は、矢野&タラスコのバットだった。 まずは6番矢野が、3号2ランで襲いかかった。「福原が頑張ってたんで、何とかランナーをかえして少しでも楽にしたかった」。1点リードの4回1死二塁。141キロ直球を強振、左翼席上段まで飛ばした。前回の対戦では3打数0安打2三振、途中からはベンチに下げられた男が、ここ一番で見せた男の意地だった。 こうなればもう一気だ。工藤にトドメを刺したのは3番タラスコのひと振りだ。続く5回1死二、三塁。「前回やられてるから、みんなで何としても勝ちたかったんだ」。T砲のバットが工藤自慢のカーブを一撃。一塁マルティネスが一歩も動けない一塁線突破二塁打で、ダメ押しの2点を奪った。対工藤には前回の対戦でも2ランを含む2安打。このヒットで昨年のシリーズMVP投手を見事KO、勝負は決まった。 盟友とともに、工藤撃ちを誓っていた。「ここがハワードにとっても、オレにとっても腕の見せ所だゾ」。決戦前夜、バトルとともに、六本木のハードロックカフェを訪れ、酒を酌み交わした。新外国人ハートキー獲りが決まったバトルの立場は、十分承知。長く一緒にプレーしたいからこそ、この試合の重要性が分かっていた。その相棒が、4回に右翼線二塁打を放ち、守備でも再三好守を見せるハッスルプレーを連発。タラスコが燃えないハズはなかった。 第2戦は、いよいよメイと再戦する。「自分の力を信じて戦うだけだ」。ナインの意気込みを代弁するタラスコにも気合が入る。 <写真=4回一死二塁、矢野がレフトスタンドへ3号2ラン> “陰のヒーロー”坪井「対工藤5の5」好返球でも魅せた工藤KOの立役者は、守っても福原の初完封を演出した。このところ好調の坪井が攻守に大活躍、勝率5割達成の隠れたヒーローになった。打ってはこの日も初回に内野安打、死球を挟んで、5回にも中前打を放ち、工藤から2打数2安打。前回の対戦でも3安打を飛ばしており、今季工藤から5打数5安打になった。 3点リードの4回には、2死二塁で二岡が左前打。本塁へ突入した高橋由をストライクの返球で刺した。「福原が一生懸命に投げていたので気合が入った。僕の肩が弱いというデータから(三塁コーチが)手を回したんでしょうね。これからもどんどん回してほしいね」と不敵なコメント。阪神を引っ張る1番打者は試合後も気合が入っていた。 <写真=4回2死二塁、二岡の左前打を坪井がストライクの好返球。二塁走者・高橋由はホーム寸前で矢野にブロックされタッチアウト> “伊原効果”重盗でほんろう村田善の二塁悪送球誘い先制
5万5000観衆が、息を飲んだ。一瞬のスキを突かれた巨人工藤があわてふためく。TOP野球を掲げる阪神が、練りに練った巧みな“奇襲戦術”を仕掛けた。寸分の狂いもない、鮮やかなダブルスチールだ。 3回表、1死一、二塁。2番平尾のカウント0―2からの3球目だった。モーションと同時に二走田中、一走坪井がスルスルとスタートを切る。完全にフイを突かれた巨人バッテリー。慌てた村田善の二塁への送球が悪送球となって、田中が先制のホームを落とし入れる“オマケ”がついた。 ノムさん「100%の確率」「100%の確率? うん、そりゃそうだ。そんなの企業秘密や。教えられへん」。野村監督が不適な笑みを見せながら言った。100%の自信―。これを生んだのは伊原三塁ベースコーチだった。マウンドの工藤とは西武入団から12年間、一緒に戦った仲。何から何まで知り尽くしている。「クセ? 違うよ。彼のしぐさだよ。ダイエーのときから変わってない」。マウンドでの一挙手一投足に目を凝らした伊原コーチに確信を持たせた「しぐさ」とは…。 多くを語らない伊原コーチに変わって松井ヘッドコーチがヒントをにおわした。「けん制をやるときとやらないときがハッキリしている」。二走田中も「けん制はないと思った」と好スタートを切った。 12日の巨人戦、6回に同じ場面でメイのクセを見切って重盗を成功。まさにその再現が、この日の工藤攻略のきっかけになった。今季の巨人戦は4戦連続の8盗塁。「俺はアンチ巨人。巨人が負ければ最高にうれしい」と言う伊原コーチが、虎に絶大な効果を呼んでいる。 <写真=4連勝や! 3回1死一、二塁、打者・平尾の時、ダブルスチールを敢行。三塁へヘッドスライディングを見せる田中> バトル、不敗の13連勝日本で負けを知らない男だ。バトルは自らの好守で不敗神話を守った。ファームで開幕10連勝に貢献し昇格。1軍に来てから3連勝。阪神に計13連勝をもたらした。「ヘイ、ラッキーボーイ」。ナインにそう呼ばれて人なつっこい笑顔をみせた。4回にはマルティネスの三塁線の強打を好捕し大遠投でアウトにした。その後も再三、好プレー。「もともと三塁線の当たりには自信がある。それに投手が好投していたから乗せてもらっただけ」。打っても5番に戻り工藤から右翼へ二塁打。矢野の2ランでホームを踏む活躍をみせるなど勝利に貢献した。 4番・大豊が1安打寝違いによる首痛から今季初の「4番」で復帰した大豊も、バットで快気祝いを飾った。工藤の前には3打席凡退したが第4打席、左腕岡島の直球を捕らえて中前へ。9日広島戦(広島)以来9日ぶりのスタメン復帰に華を添えた。「いきなり4番? オレもビックリしてるよ。でもいいピッチャーだから、なかなか打てないな」。左腕工藤に対しても好調の右広沢でなく、自分を起用してくれたことを感じ、大豊も必死だった。 ひとり反省…平尾快勝に沸くベンチで平尾がただ1人、反省しきりだった。3回、重盗を決め1点を先制した直後の1死三塁でサインは初球スクイズ。だが工藤の高めの球を転がすことができず失敗した。5回、無死一、二塁で回ってきた第3打席では打席に向かう直前に野村監督からアドバイスを受けた。「特に秘策というわけではありませんが、授かって何とか送ることができました」。ささやきの内容は明かさなかったが“野村の教え”に感謝していた。 (7勝7敗:4位) | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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