| 第13戦 (4月16日) |
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湯舟が完封初星!3連勝背水マウンドで復活
3安打ドラ斬り
湯舟のしかめっ面は振り向きざま、この日一番の笑顔に変わっていた。9回2死。完封の夢が消えたかに思えた山崎の大飛球を、レフト坪井がフェンスに激突しながらスーパーキャッチだ。左足甲骨折から完全復活を果たす3年ぶり完封は、余りに劇的なゲームセット。ナイン一丸のウイニングボールが坪井、田中と転送されてグラブに帰って来ると、さすがのポーカーフェイスも感極まっていた。 「ビックリしたよ。坪井がよう取ってくれた。平尾にも再三助けられたし、バックのおかげ。ボクの方はマグレ、マグレ。でも完封なんてホンマ久しぶりやなあ。お客さんの(2ストライク後の)『ウウー』の響きも久しぶりに聞いたし…。でも完封なんて意識してへんで。そんなんおこがましいもん。でも3度目の今回で何とかせなヤバイと思ってた」。 背水のマウンドで、見事生き返った。「今年ダメならクビ」の覚悟で挑んだ今季は、開幕から2戦勝ち星なし。ここ2年で1勝と追い込まれた男は、最後の賭けに出た。「こないだの2試合もそうやけど、ここ数年結果を気にし過ぎて投げてた。でも、きょうは打たれたらしゃあないと開き直った」。MAXは138キロしか出なくとも、4番ゴメスの内角をグイグイエグって3三振。中日データにない攻めの投球で、完全に裏をかいた。外野まで飛んだのは散発3安打を含め、わずか6本。7個の三振を奪った。「終盤までキレが落ちなかった」(矢野)こん身の126球が、最高の形で今季初勝利に結実した。
家族のためにも、まだまだ頑張らなければならない。この7月、念願の一戸建てマイホームが完成する。「上の子が今年10歳で双子の下2人が3歳。子どもが大きくなった分、部屋が狭くなってきたしね」。これまでの宝塚のマンションから羽曳野市内に住居を移し、現在、俊江夫人(31)の実家に近い泉南市に新居を建築中だ。甲子園までは、阪神高速湾岸線を使って1時間近くかかる遠距離通勤。阪神選手では1番遠くなるが「そんなんは苦にならんよ」と笑い飛ばした。 湯舟の力投が今季初の3連勝を呼び、借金はついに1。18日からの首位巨人戦(東京ドーム)で5割をかける野村監督の目尻も下がる一方だ。「本人に聞いてやってよ。(味方が)点を取れないから、いい緊張感があったんだろうね。気持ちが守りに入るとやられるタイプだし…。それに矢野の配球もよかった。陰のヒーローやな」。 西日傾く甲子園は、43000人が万歳万歳また万歳。ウイニングボールをバッグに忍ばせて帰るパパは、いつになく誇らしげだった。 <写真=“完封だ。3連勝だ!3年ぶりの完封勝利を飾った湯舟は、矢野(左)と歓喜のハイタッチ> 平尾、ノリノリ連発美技“守り勝つ野球”の象徴これぞ「守り勝つ野球」。その象徴がセカンド平尾のプレーだ。1―0。ミスの許されない展開でスタンドを沸かせる好守を連発した。まずは7回表2死一、二塁の場面だ。中日代打筒井の痛烈な打球は一、二塁間へ。外野へ抜ければ同点というケースだったが、ダイビングキャッチして素早く起き上がり、1塁へ送球。失点を防いだ。 さらに続く8回にも先頭関川の一、二塁間への打球をうまく回りこんでさばくと、体をクルリと一回転させて一塁へ“技あり”のスロー。気持ちの乗っている平尾は、自然とガッツポーズを披露した。 「やるだけのことはやりました。でも、バントの失敗が…。バント失敗を引きずっていたので、守備だけでも、と思っていました。何とか最低限の仕事ができました」。初回、無死一塁から投前に転がしたバントは最悪のゲッツー。試合後は好守のことよりも、反省の弁が口をついたが、そのあたりも成長の証しだ。 8日の対広島戦(広島)では決勝タイムリーを放ち、お立ち台に上がった。14日の対中日戦(甲子園)では試合を決める2号ソロ。そして、この日は堅守でチームに貢献した。獲得が決定的となった新外国人ハートキー内野手の本職も同じセカンドだが、平尾は「関係ないです。出られる試合で頑張るだけです」と意気込み十分。チームの「起爆剤」としてフル稼働する姿が頼もしい。
坪井、スーパーキャッチ締め坪井が「スーパーキャッチ」でウイニングボールを処理した。9回2死、あと1人の場面。最後の打者・山崎の放った打球は左翼フェンスギリギリに飛んだ。坪井は打球にすばやく反応し、フェンスを恐れることなく、果敢にジャンピングキャッチを決めた。2―0と均衡したゲーム。その最後を好守で締めくくった坪井は「いつも気合が入ってますからね」と目を細めていた。 <写真=9回表2死、坪井は山崎の左翼への大飛球をジャンピングキャッチ> 矢野、好リード&三塁打矢野が攻守にわたって活躍した。14日に完投勝利を飾った星野伸に続き、この日は湯舟が97年以来の完封勝利。好リードした矢野は「シュートとフォークがよかった。特にシュートを生かすことを心掛けた。序盤は球のキレがイマイチだったけど、しり上がりによくなった」と振り返った。打撃でも2回、右翼線に三塁打を放ち、桧山の犠飛で貴重なホームイン。湯舟をアシストした。 バトル発奮、出たゾ1号新助っ人ハートキー効果や
ライバルに先制パンチ
高々と上がった打球の行方を見るまでもなく確信した。出た。やっと出た。バトルの苦悩の日々を象徴するかのような滞空時間の長い大アーチが左翼スタンドに吸い込まれた。待ちわびた来日1号。ドッとわき返った虎党の声援を背に、B砲は「どうだ!」と言わんばかりの大股でベースを1周した。 「ちょっと泳いだけど、自分ではよく打てたと思うよ」。1―0で迎えた終盤8回。カウント1―2から中日岩瀬の131キロスライダーだった。「先頭打者だったから塁に出ようとストライクを積極的に打ちにいったんだ」。真ん中に入ってきた失投を逃さず貴重な追加点。2回の守備で三塁線の痛烈なゴロに飛びつく美技と合わせ攻守で背番号「99」が輝いた。 4番候補のはずが、キャンプから評価は下がる一方だった。不振を極めたオープン戦終盤、ついに先発落ち。「来日したころ、ダメなら2軍落ちもあると言われていた。それは承諾している」とはいえ、メジャーを経験した男にとって開幕2軍は屈辱以外のなにものでもなかったはず。「自分のやるべきことはベストを尽くすだけ」。その言葉は強がりではなかった。ファームの若手に交じって汗にまみれた。「腐ったところは見たことがない」。バトルに付きっきりだった佐々木通訳は、その姿勢に感心したという。 料理好きな婚約者マーガレットさんの作る食事が最も楽しみ。それでも体重は来日時より10キロ減量(100キロ)で体を絞った。長女オリビアちゃん(1)とともに2軍の福岡遠征にもかけつけた家族のためにも活躍を誓っていた。 すでにバトルに見切りをつけた球団は14日、新助っ人J・ハートキーの獲得を内定。奇しくもその日1軍昇格、即5番サードで先発したB砲は2安打で気を吐いた。「早く大きいのを打ちたい」と気合をみなぎらせ、この試合は7番降格に発奮する予告通りの1発でもあった。 「1度2軍にいっているから失うものはないよ」と言うバトルの“変身”に柏原打撃コーチも「精神的なものだろう」。まだ見ぬライバルの存在が、ダメ助っ人と言われた男の力を呼び起こした。 <写真=ハートキー見たか、1軍残留を強烈アピールだ! 2回、バトルは山崎の強烈なサードゴロを横っ飛びでナイスキャッチ> 今季初スタメン桧山、V犠飛新庄の代役“読みピタリ”今季初スタメンの桧山が自らの“存在”を改めてアピールした。「元4番打者」はシーズン開幕からここまで、控えに甘んじていたものの、新庄が左肩痛のため欠場したことにより、チャンス到来。6番ライトでスタメン出場すると、2回の第1打席、1死三塁の先制機に、きっちり仕事を果たした。 中日先発の小池が投げた初球だった。外より高め107キロのカーブを、迷わずにフルスイング。右犠飛を放った。初スタメンとなった試合、しかも第1打席で、今季初打点をマーク。貴重な、貴重な、勝利打点をたたき出した。 桧山は「ランナーが三塁にいたので、ゾーンを高めに上げて待っていました。あの場面はカーブをねらっていました。高めの球だけをネ」。配球の“読み”もバッチリ。ポイントゲッターとしての本領を発揮した。 大豊、4試合ぶり復帰寝違いによる首痛に見舞われていた大豊が、4試合ぶりに代打出場した。7回中日投手が鈴木平に代わったところで広沢と交代。カウント2―1から、最後は見逃しの三振に終わった。「バッティングはいいけど、当たらんな。(試合)感覚が…」。4番については、今後も広沢との併用となる方向。結果が求められるだけに、ベテランにとって厳しい戦いとなる。 (6勝7敗:4位) | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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