| 第12戦 (4月14日) |
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星野伸“芸術”完投1勝107球1失点ドラ斬り
ノムさん舌巻く“緩急差34キロ”勝利への執念。通算168勝のベテラン左腕が、たった1勝をつかむのに必死だった。最大の難所は、7回無死一、二塁。ディンゴの打球はワンバウンドで高く弾む。星野伸はジャンプしてキャッチ。宙に浮きながら振り向くと、着地時に足元がグラつきながらも、二塁へ送球。この美技で併殺を完成させた。続く中村を二ゴロに仕留め、ピンチを脱出すると、グラブを左手で何度も叩き、みずから祝福の拍手を送った。 「真っすぐだけど、ディンゴには、ちょうど変化球になったんじゃないかな」。ディンゴを併殺に仕留めたのは、121キロの直球。球が遅い分を緩急と制球でカバーする。これが星野伸の本来の姿だ。 3回まで無安打。4回、ゴメスに『力』でスタンドまで運ばれたが『技』のスタイルは変わらない。直球の最速126キロ。もっとも遅いカーブは92キロ。最大34キロの緩急差。「言うことなし。ユニークな投手です」。野村監督も舌を巻く投球術。わずか107球完投勝利という球数だった。 「開幕でぶざまなピッチングをしてしまって、早く勝ちたい、っていう気持ちがどこかにあったね」
開幕戦(3月31日、対横浜)で、悲惨な2回KO。初回に5連打を浴び、5失点でマウンドを降りた。セ・リーグでは通用しないのか…。星野伸の自信がぐらついた。4月1日の試合前、横浜球場のブルペンに向かった。登板翌日のブルペン入りという極めて異例の練習。ネットピッチングでフォームを確かめ、もう一度自分を信じた。「セで通用しないのではという不安? うん。でも、それはこの前の試合である程度、なくなってたんだ」。7日の広島戦で、プロ16年間の投球をすべてぶつけた。サヨナラ負けはしたものの、2失点完投の好投。これで、自分の姿を取り戻した。 「投げちゃおうかなと思ったんだけどね」通算169勝目のウイニングボールは、大切にバッグにしまった。開幕から15日。やっとエースが勝ち名乗りを挙げた。お立ち台では「またボクの遅い球を見に来て下さい」とイキなコメント。慣れぬ環境への戸惑いの中でつかんだ1勝は、細腕左腕に弾みをつけてくれる。 <写真=見事な芸術的投球を見せ169勝目を完投で飾った星野伸、マウンドでの動きもまるで躍るようだ> 広沢、矢野、平尾アーチ競演虎党酔いよい、今季最多7点
地響きとともに甲子園の夜空にド派手な花火が3発舞い上がった。広沢、平尾、矢野が虎党の狂喜乱舞のバンザイ三唱を呼び起こす。甲子園が狭く感じてしまうほどの豪快弾が一夜にして3本。あの85年日本一へ勢いづけたバース、掛布、岡田のバックスクリーン3連発をもほうふつとさせる。猛虎の名にふさわしい爆発劇が演じられた。 花火大会の幕を切ったのは主砲広沢の1発だった。同点となった直後の4回裏。中日山本昌の真ん中高め133キロに鋭く反応した。「フェンス直撃ぐらいかな」と思った打球はグングンと伸びてバックスクリーンへ。今月10日に38歳となったベテランは「よく飛んでくれて自分でもビックリした」と衰えぬパワーを実証。貴重な勝ち越し2号アーチだ。故障中の右肩を含め筋力トレで鍛え続ける陰の努力がバットに乗り移った。「4番だろうが8番だろうが、期待されて使ってもらってるんだから」。連夜のV打点に現役の集大成を恩師・野村監督に捧げる男の情熱があふれ出た。 さらに7回、伏兵平尾が2発目を打ち上げる。バットをたたきつけて悔しがった5回の犠打失敗(捕邪飛)を取り返す2号ソロを左中間へズドン。トドメの3発目は星野伸を好リードした矢野が3ラン。スタンドのボルテージを最高潮に導いた。「もう1点追加点があれば」(矢野)という粘りの精神が今季最多の7得点。連夜の11安打に柏原打撃コーチも複雑な心境? 「うちはこんなに本塁打を打つチームじゃない」。いやいや、こんな派手な勝利をファンはもっと見たいはずだ。 <写真=7回、平尾が試合を決めるソロでベンチ前でお祭り騒ぎだ> 背水バトルが2安打「ライバル来てもプレッシャーない」
背水のバトルが、周囲もビックリの2安打だ。この日、登録されたバトルは5番サードで初出場。第2打席で、中日山本昌のスクリューボールを左前に弾き返し、第3打席では直球を左二塁打した。4打数2安打。新外国人ハートキー入団交渉の日程が14日に発表されており、失態を演じることは、即「1軍失格」の烙(らく)印を押されかねない状況だっただけに発奮だ。「1打席目に凡退し、エラーもしていたからね。ヒットが出てホッとした。新しいライバルが来てもプレッシャーはないよ」。米国マイナーリーグ時代に対戦経験のあるハートキーとの競争に向け、気を引き締めていた。 <写真=6回裏、無死二塁。矢野の送りバントでバトルは三塁にすべり込む> ノムさん、祝1200勝を達成のべ19シーズン野村監督が通算1200勝を達成した。連勝を飾り、ゆっくりとベンチ前に出て、ナインを迎え入れた。甲子園での勝利の儀式が、のべ19シーズン1200回目のセレモニーだった。 70年(昭45)関西の老舗球団だった南海ホークス(現ダイエー)を率いてから積み重ねた白星。阪神監督に就任した98年オフ。「関西に帰ってきました」。ファンを泣かせるセリフで始まったタテジマ再建への道。ただ、それは2年目に突入しても、決して平坦ではない。 戦力不足を嘆く一方で、監督は「そこにやりがいがあるかもしれない…」と、話したこともある。監督自ら「ピンときませんな」と話す1200勝。ノムラの考えを浸透させれば、いつかきっと猛虎復活につながると信じたい。 田中、連日の2安打田中が、前日の巨人戦に続く連日の2安打を放った。1、2打席目で、いずれも中日先発・山本昌から中前打。打点1もマークした。これで3試合連続して安打が出ており、表情も明るい。「きょうはいい仕事ができました。状態も徐々に良くなってきているので、これからもがんばりたい」。和田、的場らとの内野守備位置争いに向け、この日はバットでのアピールとなった。 新庄、強行出場も…前日(13日)左肩を痛めた新庄が強行出場。松井ヘッドは「打てるからスタメンで」と説明したものの、結果は今ひとつだった。6回、無死二塁の場面、野村監督がベンチから飛び出し、矢野と新庄を呼び寄せ「ささやき戦術」。矢野が犠打を決めて1死三塁とすると、続く新庄は初球にスクイズを試みた。ところが、ファウルとなり、あえなく失敗。結局三振に倒れた。9回の守備も高波と交代。試合後、新庄は「頑張ります」とだけ話した。 タラスコ、先制タイムリー先制点は助っ人タラスコがたたき出した。初回、1死三塁で山本昌の外角低めのカーブにバットを折りながらも右前にタイムリー。「最低でも犠飛と思ったけど、それ以上の結果が出てよかったよ」。7回にも追加点につなげる右前打で4打数2安打と頼もしい働きぶりだ。試合前、猿木チーフトレーナーに右脇腹の軽いハリを訴えた。しかし、そんな気配も感じさせない活躍だった。 (5勝7敗:4位) | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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