第10戦 (4月12日)
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猛虎がメイに“ナメ”られた

審判に退場もの侮辱行為

 メイに負けた。メイにナメられた。ケンカ別れした左腕との注目の初対決は野村阪神の完敗に終わった。抑えられただけではなく、2打点を稼がれ、審判への指ナメ侮辱行為のオマケつきとは…。猛虎魂、どこいったんや。ファンはもちろん怒ってる。「メイなんて怖くない」はウソやったんかと…。

4月12日・甲子園
  1 2 3 4 5 6 7 8 9
巨 人
阪 神
【勝】メイ【敗】ラミレズ
【本】新庄2号(ソロ=メイ)

伊原コーチ抗議

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 阪神伊原三塁コーチ(守備総合・走塁担当)が、メイの審判への侮辱行為とも取れる態度にクレームをつけた。6回1死一塁、塩谷のカウント0―1の場面。同コーチは、上本三塁塁審に「(審判への)侮辱行為。退場させるべきだ」と処分を迫ったことを試合後、明らかにした。

 メイが左指につばをつけた上で、さらにボールをこねたのが伏線。反則投球(野球規則8・02、投手の禁止事項)に抵触する疑わしい行為を審判団から注意されたメイが二塁に戻ろうとした真鍋塁審の背中に向かって、わざとベロベロと指につばをつける行為をとった。この行為を見ていた伊原コーチが、激しく審判に詰め寄ったものだ。

 伊原コーチは「態度が悪いから退場させろと言ったんだ。日本の野球がナメられてしまう」と強い口調。これを受けた審判団も「次回も同じような悪い態度があった場合は、しかるべき措置をとる」と、退場処分に踏み切る姿勢を示唆した。

<写真=態度悪いぞメイ! 6回無死1塁、坪井を三振に打ち取った後、真鍋二塁塁審からボールの交換を命じられたメイは、わざと指を舌で舐める侮辱行為を取る>

 ◆野球規則 8・02 投手は次のことを禁じられる 6項目の(3)ボール、投球する手またはグラブにだ液をつけること。投手が本項に違反した場合、(中略)球審は投球に対してボールを宣告し、投手に警告を発する。(中略)。再び違反を繰り返した場合、その投手を試合から除く。

打線「技術ないということや」ノムさん

5回2/3を3安打

スタメン
阪 神巨 人
坪 井仁 志
塩 谷清 水
タラスコ江 藤
広 沢松 井
新 庄マルティネス
矢 野高橋由
平 尾二 岡
的 場村田真
ラミレズメ イ

 一番負けたくない相手にひねられた。巨人メイに、本拠甲子園でヒット3本の完敗だ。これ以上の屈辱とやるせなさはない。ライトスタンドは怒号バ声の嵐。そして野村監督以下、阪神ナインはただ唇をかむだけ…。昨年までの阪神左腕エースが、長嶋監督や松井、高橋由らと勝利の握手を交わす姿は、恨めしさを倍増させた。

 「(1死二、三塁の)6回に1本出てたら? あそこやね。そんなに難しいピッチャーじゃない。(阪神打線に)技術がないということや」。

 表情険しく、ロッカーに消えた野村監督の自虐的つぶやきが、悔しさを象徴していた。昨年の監督批判ビラ撒き事件、退団、そして宿敵巨人入りした「裏切り者」(野村監督)には、勝ってギャフンと言わせるしかなかった。メイ撃ちで巨人戦通算600勝ならWの喜びだが、見事なまでの返り討ち。4万2000人のファンの前でさらした赤っ恥が、4月12日を野村阪神の「屈辱記念日」にしてしまった。

 メイ対策は不発に終わった。「去年と配球は変わってないけど、バックが(重量打線に)変わって伸び伸び投げてたんじゃないか」。福間投手コーチ補佐が話す通り、MAX140キロの直球を主体に、別人のスイスイ投球。唯一の得点は2回新庄の1発だけ。この日プロ初の4三振、うち3個をメイに喫した坪井は「おかしいっス。全然タイミングが合わない」と脱帽した。重盗で揺さぶり、何とか6回途中でマウンドから引きずり降ろしたが、散発3安打7三振。青白い顔の不敵な笑みは、昨年までの味方打線を見下すように凡打の山を築いた。

 投げるだけでなく、バットでもやられた。2回1死満塁では、ラミレズが押し出し四球を与え、先制点をプレゼント。同点の4回1死二、三塁では、勝ち越しの左犠飛まで浴びた。これが決勝点。「(ボールが)高かった? (ラミレズ)本人に聞いてくれ!」。去年までの女房矢野のうめきが、勝利投手&勝利打点まで記録された惨めさを物語っていた。

 「何とかやっつけたい」と松井ヘッドが必勝を誓い、「クセは一番知ってるから」と矢野がミーティングの講師役を買って出た甲斐なく、メイにやられ放題。野村監督が言うよう「技術がない」といえばそれまでだが、余りにも寂し過ぎる1敗だ。メイとは1週間後の18日、東京ドームで再びぶつかる。こんなむなしい試合はもうたくさんだ。

ラミレズ、5回3失点

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 陽気なメキシカンが、不本意な投球に笑顔を失った。来日初登板のラミレズだったが、5回0/3を投げ10被安打、3失点。「コントロールが悪く、納得いく所に投げられなかった。自分でカウントを悪くして、甘い球を投げてしまった」と淡々。2回の1死満塁でメイに押し出し四球を与え、4回の1死二、三塁に、メイに今度は左犠飛を許す。続く仁志に左翼線を破られ、もう1点を失った。「メイに特別な意識はなかった。力みもなかったが、変化球で攻めるべきだったかな」。

 ハンセルと入れ代わっての1軍昇格、そして初先発。試合前には、サントリーカップ優秀選手賞の表彰も受け「賞金100万円で、すしでも食べに行こうかな」と笑顔も見せていたが、公式戦で結果を出すのは次回の登板までお預け。「野球はどこでやっても野球。次回は工夫して投げるよ」と言ったが、表情は最後までさえずじまいだった。

<写真=2回表無死、マルティネスに二塁内野安打を打たれるラミレズ>

新庄2号も好機に凡打

2安打、爆発兆し

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 ガッツポーズが飛び出した。右翼スタンドの大合唱「シンジョー!」コールに向かって、右腕を力強く突き上げる。甲子園では、今年初めて披露したお得意のポーズ。新庄が復調をファンに知らしめた。

 「体が突っ込まずに、軽く振り抜けた」。2回1死、メイの直球を捕らえる。打球は左翼席へ一直線。2号ソロは、1―1とする同点アーチだった。

 開幕から4番を務めたが、打率1割台の不振で、前日6番に格下げ。「打順は関係ない」と言うものの、この日は5番に上がり、再び責任感が増した。意気に感じるタイプの男は、5試合ぶりの1発でこたえてみせた。

 この主役の1発が、この日もっとも阪神ファンを沸かせた。だが、もっとも、ため息を招いたのも、新庄だった。本塁打の直後、広報を通じて「早い回に追いついたので、ゲームはこれからです」とコメント。しかし、皮肉にも、その新庄がチャンスの芽を摘んだ。2点差の4回1死一、二塁。1―3という有利なカウントだったが、中途半端にバットを止め、投ゴロ併殺に倒れた。さらに、6回2死満塁。メイを攻略し、押せ押せムードだったが、2番手木村に左飛に打ち取られた。柏原打撃コーチも「あれ(本塁打)はよかったけどな」と安定感に欠ける新庄の打撃をほめることはできない。

 しかし、最終回にも、右前安打を放ち、やはり5試合ぶりとなる1試合2安打。この日2安打したのも、新庄1人。開幕戦以来、9試合連続1ケタ安打の貧打線にあって、新庄の爆発気配だけが頼りになってきた。

<写真=2回1死、新庄がメイのストレートをライナーでレフトスタンドへ叩き込んだが…>

6回鮮やか重盗

 鮮やかな重盗に、4万2000人が一瞬ながら沸きかえった。6回1死一、二塁で打者タラスコの初球に、二塁走者田中と一塁走者塩谷が敢然とダッシュ。オールセーフとなり、チャンスを大きく広げた。後が続かず得点には至らなかったが、伊原コーチ直伝の走塁革命は徐々に浸透しつつある様子。三塁をおとしいれた田中は「サインで走りました。メイの癖は分かっていたので、準備はしていましたから」と、完敗の中で少しだけ誇らしげだった。

(3勝7敗:5位)


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