| 第7戦 (4月8日) |
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大豊250号!V呼んだ1000本安打とW達成
4年ぶり盗塁も成功
大きな花束を、目いっぱい天に掲げた。それも1日で2度。大豊の目はうっすらとにじんでいた。通算250号本塁打と通算1000本安打。2打席連続の偉業達成に、さすがの大男も感極まっていた。しかもその二振りがチームの勝利を呼んだのだから、なおさらだ。4月8日。大豊が新伝説を作り上げた。 「私よりも何倍も打った大先輩たちが多くいる中で、250号本塁打は大記録ではないと思います。でも大豊にとっては汗、涙、努力の結晶と思いたい。1000本安打も1本1本の積み重ね。そして勝てたことが、何よりうれしい」。 ハイライトはいきなり訪れた。2回1死の第1打席、紀藤の内角直球。史上39人目となる250号は、右翼上段まで飛ばす驚弾だった。89年プロ1号の広島北別府に始まり、記念弾はすべてエース格から打って来た、大豊らしい紀藤撃ちだった。 1000本安打も一発で決めた。4回1死一塁の第2打席。今度は紀藤のスライダーを捕らえ一、二塁間を真っ二つに割った。89年4月9日の大洋戦(ナゴヤ)、斉藤から放ったプロ初安打から、ちょうど12年。区切りの一打がチャンスをい広げ、この回一挙4得点のビッグイニングを作り出した。 「今まで大豊を支えてくれたファンや関係者の皆様、そして父と母ににお礼を言いたい」。
両親が朝から晩まで畑で働いても、その日食べるものも苦労した台湾での少年時代。スパイクが買えず、当時投手だった大豊は裸足で投球練習したという。そんな東峰中3年の79年春、台北棒球場で「王貞治756号本塁打特集」の雑誌を見つけた。「あれでボクの人生が決まったよ」。両親を楽にするため日本球界を目指し、名商大に留学。中日球団職員を経て中日に入団した。 だが、言葉の壁に悩み、星野監督に怒鳴られ「手相が変わってしまった」ほどバットを振りまくった。94年に2冠王となるがトレードで阪神に。試練は今なお続く。だから大豊の「汗、涙、努力」は途切れることはない。「みんな練習し過ぎというけど、あれほど一生懸命、泥にまみれて働いてる親の背中を見たら、ボクも手を抜けない。あの親がいて、今の自分がある」。 死球出塁の8回には二盗まで決めた。タテジマ初、中日時代以来実に4年ぶりの盗塁にベンチも大喝采。この日“3つ目の快挙”は、ナインの士気をも高めていた。「これに満足せず、自分のため、チームのため、ドン欲に1本でも多くチャレンジして行きたい」。今年37歳にして衰え知らず。まずは251号、1001本目のヒットで9日、広島戦連勝を目指す。 <写真=ダブル記念打! 2回先制となる通算250号を放った大豊は、4回一死一塁から通算1000本安打を放ち広島のマスコットガールから花束をもらいファンの声援にこたえる> 「怪人」ハンセル、粘って初星“ノラリクラリ”6回2/3を4失点
ノムさん笑顔も「まだ分からん」左翼スタンドの虎党の声援に、野村監督は2度も手を挙げてこたえた。今季初のパフォーマンスだ。終わってみれば1点差逃げ切りの辛勝。だが、その過程にある「ノムラの考え」がはまったから、思わず右手も上がってしまうのだろう。ファンの前で虎の将に胸を張らせたのは、来日初勝利を挙げたハンセルの投球だった。 ローテーション通りなら先発は中6日の湯舟。ところが、広島ベンチの予想を覆してマウンドに送り出したのが新外国人だった。初登板の前回横浜戦(2日)は、初回に連打を食らう散々な内容で4回6失点。オープン戦でも“怪投”を連発した不安いっぱいの助っ人で奇襲に出た。 バクチ的な要素も含んだ起用にハンセルが粘り強い投球でこたえる。前回の反省を生かし球速より制球で勝負。「全部低めに投げるようにした」。6回まで3安打の好投。最大のピンチは3点リードで迎えた自身7年ぶりという7イニング目だった。ヒットと連続セーフティーバントなどであっという間に無死満塁。投げ終わった後、体が大きく一塁側に倒れるフォームを広島にゆさぶられた。内野安打と押し出し四球で、ついに1点差…。 これまでならイライラ病で自滅するところ。しかし、同じ過ちは繰り返さなかった。続投させたノムさんの信頼にこたえ、緒方を浅い中飛に仕留め、遠山に勝利のバトンをつないだ。「チームが勝ててよかったよ」。助っ人右腕は、前日のサヨナラ負けの悪いムードを吹き払うチームの勝利を何より喜んだ。 左腕ラミレズが2軍で出番を待つが、この日の力投で「(入れ替えは)どうなるか分からない」と松井ヘッドコーチはうれしい悲鳴。「前回よりはいいが、まだ分からん。安定感とまではいかない」。野村監督は起用の意図を明かすことなく、厳しい評価を残して球場を去ったが、この1勝の意味は小さくない。
リリーフ陣お見事「勝利の方程式」だ遠山→伊藤→ミラー(2S目)
阪神リリーフ陣が、広島打線の粘りを封じこんだ。2点返され、5―4となった7回裏2死満塁の場面。先発ハンセルを受け、まずは遠山の登場だ。打席の前田を左飛に打ち取りピンチを脱した。「あそこは気持ちだけでしょう。どうしても、前田で切らないといけない場面だったからね」と、話す言葉が頼もしい。 遠山の次は、伊藤が抑える。8回裏無死1塁から登板し、2者を料理した。後は、抑えのエース・ミラーの独壇場だ。8回2死1塁から登板し、東出を三振に切る。最速145キロの直球を武器に、9回も3人で打ち取った。試合後は、僚友タラスコと談笑するなど余裕の表情。今季初めて1イニング超えたが、もちろん問題なく、貫録で、2セーブ目をもぎ取った。先発が踏ん張り、リリーフ陣がキッチリ抑える。阪神勝利の方程式が完成だ。 <写真=ラストはお任せ! 1点差で登板したミラー(左)は、後続を断ち矢野とハイタッチ> 坪井に今季初の代打開幕以来1番・左翼でフル出場していた坪井が、今季初めて代打を送られた。5―4で迎えた9回表2死一塁。広島の投手が右の小山田から左の田中に代わった場面で、右の代打広沢を送られた。安芸キャンプでは休日返上で練習に励んだが、開幕以来ここまで打率2割2分2厘と低迷。この日も4打数0安打の成績で、試合後はブ然としたまま。報道陣の質問にも、無言を貫いていた。 平尾が起爆剤、2点タイムリー平尾がチームの“起爆剤”になっている。1―1の同点で迎えた4回表だ。つかんだチャンスは逃さない。1死満塁から中前に2点タイムリーを放った。「謙虚さと素直さを忘れずに一生懸命やっているだけです。1球1球、集中して打席に立っているのが、いい結果につながったんだと思います」。勝利をもたらした殊勲打に声を弾ませた。 2安打2打点の活躍はもちろんだが、走塁面でも積極的だった。2点タイムリーを放った後、なおも2死二、三塁の場面。ハンセルがショートへのボテボテの内野安打を放つ間に、二塁から俊足を飛ばして一気に生還した。伊原三塁ベースコーチのGOの指令にすぐさま反応し、本塁を陥れた平尾は「スキがあればいこうと思っていました」としてやったり。野村監督も「平尾は気分的に乗っている」とたたえていた。 新庄“超美技”で救った新庄が「美技」で窮地を救った。7回裏の大ピンチ。4―5と1点差に詰め寄られ、なおも1死満塁の場面だった。押せ押せムードの広島は、緒方がセカンドの頭をこえるライナーを放った。あわや中前逆転タイムリーという当たり。スタンドの広島ファンが歓声を上げかけたほどだが、新庄が「待った」をかけた。判断よく、前進してキャッチ。ファインプレーに敵地・広島市民球場のスタンドからはため息が漏れた。新庄は「あれが大きかったでしょ」とニヤリ。傾きかけた流れを、阪神に引きもどす好プレーだった。 (3勝4敗:4位) | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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