第5戦 (4月6日)
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連勝!新庄が予告弾

2打席目も宣言通り二塁打

 4番新庄に惚れなおした。きっと野村監督も、そんな気分なんでしょう。初回、1号2ランで試合の流れを阪神に向け第2打席ではもう少しで連続アーチの左中間フェンス直撃二塁打。ヤクルトに連勝で気分を良くして、広島で勝率5割を手に入れる。

4月6日・神宮
  1 2 3 4 5 6 7 8 9
阪 神
ヤクルト
【勝】藪【敗】レモン
【本】新庄1号(2ラン=レモン)、稲葉1号(ソロ=藪)
大豊2号(2ラン=レモン)、広沢1号(ソロ=山本)
ペタジーニ1号(2ラン=ミラー)

3年ぶり“神宮連勝”呼んだ

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 有言実行の今季1号アーチだった。4番新庄のバットに弾かれた打球が、東都の虎党で埋まるレフトスタンドへ吸い込まれた。初回、2死二塁。今季18打席目にして待望の2000年1号が飛び出した。しかも、チームを鬼門神宮で約3年ぶりの連勝へ導く貴重な先制2ランだ。来日初登板のヤクルト先発レモンに強烈なダメージを与えるには十分過ぎる4番の働きだった。

 「感じは悪くない。結果は出るでしょう」。雨天中止となった5日の練習後、新庄はきっぱり言いきっていた。この日まで打率1割2分5厘。10打席ノーヒット中だった。だが、復調の手ごたえがあるからこその強気発言。体中にうごめく爆発の予感を素直に口にした。そして試合後「そのうち出るって言ったでしょ」。いたずらっぽい笑みに白い歯が光った。

スタメン
阪 神ヤクルト
坪 井真 中
和 田稲 葉
タラスコ佐 藤
新 庄ペタジーニ
福 原古 田
矢 野岩 村
今 岡ロブロ
平 尾宮 本
 藪 レモン

 143キロ内角低めをすくい上げた技ありの1発。「まぐれです。1年に1回あるかないか。少し詰まったけど、よく飛んでくれた。初戦(4日)も内角でやられたから、目線は内角。あの打ち方はもうできない」。ダイヤモンドを1周すると、偵察要員福原の代打大豊を審判に告げにベンチを出た野村監督が出迎える格好になった。“師弟”が歓喜のタッチだ。「1発が出ると違う。特にチームの中心でいる人が打つとスッキリする」。野村監督も主役の一撃に痛快な思いだった。

 いつまでも4番が安泰でないことは分かっている。プライドをかなぐり捨てこの日も試合前、2日連続の早出特打ちに参加した。練習はウソをつかない。続く第2打席の3回2死、今度も146キロ直球をとらえて左中間へフェンス直撃の二塁打。大豊の2ランへつなげて、全開モードに突入した。

 乗ってるプリンスは自慢の守備でもチームを救った。3点リードの7回2死満塁。古田の中飛が“変化”して最後は転げながらキャッチした。「打った瞬間、シュートして捕る前にスライダーして最後にナックルしたから」。それでも絶対に落とさない。必死の思いがつまった美技だった。攻守に暴れまわった虎の主役が言った。「明日も勝ちたい」。2連勝で、7日からは広島へ。さあ、一気に借金返済、有言実行の男・新庄の言葉を信じよう。

<写真=「結果は出る」と前日5日の予告通り1号ホームランを放った新庄。塩谷の祝福に満面の笑顔でこたえた>

大豊2号、250号に王手

「風が味方してくれた」

 大豊が技ありの今季2号本塁打を放った。2点リードの3回だ。新庄を二塁に置いて、カウント0―2から打って出た。レモンの外角へのシュート気味のストレートを左翼ポール際スタンドに運んだ。

 「自分の必死な気持ちを、風が味方してくれたんだよ」

 燃えないわけにはいかなかった。ヤクルトの先発に左の高木も想定して5番に偵察メンバーの福原を入れていた。結果的には、右のレモンが先発だったため5番に入った。結果を出さなくてはいけない必死な気持ちが、スタンドぎりぎりに入った打球に乗り移った。大豊の通算250号へ王手をかける一発が、チームに連勝を運んでみせた。

広沢が古巣前に代打1号

恩師・ノムさんへ“感謝の一発”

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 広沢復活! 思い出の神宮で、かつての打点王が、豪快な一撃を放った。9回2死代打で登場し、左腕山本の直球を激振。移籍初安打を、バックスクリーン右へ放り込んだ。センターから右へ。往年の独特の放物線が、ヤクルト時代の本拠地でよみがえった。

 「気持ちよかったよ!」16年目のベテランが、ルーキーのように顔をくしゃくしゃにした。過去2年、本塁打はひとケタ止まり。昨オフ、巨人を自由契約。阪神に移籍したが、昨年6月の右肩骨折が完治せず、いまだに満足に投げられない。それでも、野村監督は2日の横浜戦でスタメンに起用。この日も5番に偵察要員を置き、ヤクルト先発が左腕ならば、大豊ではなく広沢を起用する策を用意していた。「(完全には投げられないのに)ありがたいよね」。ヤクルト時代の恩師への、感謝の一発ともなった。

 「勝ちゲームで打てたのがよかったよな。『自分が打てなくても、チームが勝てばうれしいです』って、昔は社交辞令で言ってたけど、今はホントにそう思うよ。ま、それだけ、年とったってことかな。アハハ」

 ダイヤモンドを一周し、ベンチに戻った広沢を、若手選手までもが抱き合うように祝福する。明るいキャラクターは、早くもチームリーダー的な存在だ。

<写真=9回代打の広沢は中越えにソロホームランを放ち、ベンチ前で笑顔で出迎える藪とハイタッチ>

藪、初登板7年目でやっと初星

“エース”の意地、6回2/3を1失点

 阪神が藪の好投で連勝した。藪にとっては今季初登板となった神宮球場でのヤクルト戦、6回2/3を投げて8安打を許しながら、稲葉の1号ソロによる失点だけに抑えた。過去、プロ入りしてから自身の開幕試合にひとつの白星もなかった藪だが、今季はそのジンクスも打破した。昨季、6勝16敗という不本意な成績で終わったエースが、勝ち星先行でリベンジのスタートだ。

変わらなきゃ!打たれても後続断ち

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 快勝に沸く阪神ベンチの中に、ひと際明るい藪の笑顔があった。1発V2ランの新庄とハイタッチを交わすと、「ヨッシャー」の雄叫びだ。藪が踏ん張った。被安打8と毎回走者を出す苦しい展開も、6回2/3を1失点。打たれても後続を断つニュースタイルが、野村阪神に連勝をもたらした。

 位置付けは福原に続く、第5の先発の格付け。昨年開幕投手を務めた男も、野村監督の評価はそこまで下がっていた。「5番目? いや、投げさせてもらえただけでいいよ」。強がる口調は本意ではない。生き残りへの道は、この日のスライド先発で結果を出すことだけだった。初回の稲葉の1発以降、毎回走者を背負っても、後続は打たせない。これまでなら一気に崩れる場面の連続。「粘り、それしかないでしょう」。そう話す藪に、八木沢投手コーチも「ピンチもあったがよくしのいだ。強い意思を持って投げていた」と賞賛。魂の93球だった。

 2000年、藪が選んだテーマは“変わらなきゃ”だ。「これまでと同じことをやっていては、また一緒だからね」。特に大きな変化は、食生活の改善だ。大好きな肉食料理中心だったものを、魚と野菜系に転換している。「胃にもたれるようなものは食べなくなったし、夜遅くの食事もやめたんです」と祐基子夫人(31)。これまで、好きな時に好きなものを好きなだけ食べていた大食漢が節制した。エースと呼ばれながら、同じ不本意を繰り返した自分を、何かの形で変えたかった。これでプロ初登板の94年4月3日の中日戦(甲子園)以降、シーズン最初の登板で勝ち星がなかった(6戦0勝5敗)不名誉ともおさらば。そしてチームは一気の波乗りだ。「まだまだこれから。始まったばかりだよ」。力強い藪のセリフが、また頼もしい。

<写真=お待たせ、藪が7回途中まで1失点の好投で初勝利>

5継投、余裕の逃げ切り

9回、ミラー2ラン被弾も

 強力リリーフ陣が、勝利をしっかりとつかみ取った。7回2死一、二塁で、先発・藪に代わって登板した遠山は、ぺタジーニに四球を与えたが、3番手葛西が熱投。古田を中飛に打ち取り、最大のピンチをしのぐ。その葛西が、左足首ねんざで退いたが、自慢の救援陣はびくともしない。

 8回は伊藤が登板。先頭岩村に安打を許したが、宮本を見逃し三振。代打池山からは内角直球で空振り三振を奪い、セットアッパーの役目をきっちり果たした。「これで、悪い流れを断ち切れたんじゃないの」。9回は新守護神ミラーがペタジーニに2ランを浴びたが、2点差を残して、余裕の逃げ切り。4日の今季初勝利は、福原をつないだ遠山、ミラーの完封リレー。そして、この日の磐石継投。開幕3連敗の悪夢は、リリーフ陣の奮投で、過去のものとなった。

葛西が足首ネンザ

 葛西が左足首ネンザのアクシデントに見舞われた。3点リードの7回2死満塁。遠山の後を受けて緊急リリーフ。迎えたのは古田。カウント2―3からの6球目を投じた瞬間、マウンドで左足を引っ掛けて、つんのめってしまった。2球ほど投球練習をした後で、中飛に仕留めた。「新庄がよく捕ってくれたよ。気合い? そうですね」。試合後、野村監督が「葛西のネンザが心配や。よく抑えてくれたけど…」ともらして負傷が発覚。「大丈夫です」と葛西はいうが、好調で欠かせないリリーフだけに心配だ。

(2勝3敗:4位)


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