| 第4戦 (4月4日) |
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福原でかした!2000年初星7回1/3ピシャリ…21世紀のエースだ
プロ初先発、わずか4安打
「怪物」が松坂なら、福原は「化け物」だ。プロ初先発。しかも、チームは開幕3連敗中。極度の重圧におしつぶされても不思議ではなかった。ところが、「化け物」は、平然とスコアボードにゼロを並べていく。昨年同様、いや、より力強くなったピッチングで、ひん死の野村阪神に生命の息吹を吹き込んだ。 「連敗を止めたいな、と思ってました。(ストッパーでの喜びと)違うといえば、違いますね」。ヒーローインタビューでは、珍しく声が上ずった。だが、マウンドでは、緊張の素振りはまるでなし。立ち上がりから、トップギアで全開発進だ。初回を三者凡退でスタートすると、2回2安打による無死一、三塁のピンチも、力で圧倒。岩村二直。ロブロを一ゴロ併殺打。いずれも、けっして抜群のコントロールではなかったが、146キロの剛球で、目の前の敵を蹴散らした。3回から6回までの4イニングは、なんと1本の安打も許さなかった。 初先発の試合前、実は福原1人が困惑していた。「ボク(が先発)じゃないのかな、とホントに思ってたんですよ。新聞見たら、藪さんだったから、変わったんだと思って」。開幕直前に、この日の先発は言い渡されていた。しかし、首脳陣は、藪が先発と思わせるように前日の調整を工夫。「カモフラージュできたよ」(松井ヘッドコーチ)という策に、ヤクルトや報道陣だけでなく、福原本人までもが幻惑されていたのだ。しかし、そんな“ハンデ”も見事に克服。新人の昨年、ストッパーとして10勝9Sを挙げた度胸は、やはり並ではない。
「よう投げたね。藪ではなく福原? そんなに深い意味はないよ」。野村監督はローテーション事情を明かさなかった。だが、開幕2カード目の初戦の先発は、昨年まで「エース」と呼ばれた藪ではなく、「21世紀のエース」に託した。それだけ、福原への信頼と期待は大きかった。 8回無死一塁から、代打本郷を左飛に打ち取った直球が、初めて140キロを切った(139キロ)。ここで、野村監督は交代を決断。「スピードが落ちてきたし、ボールが真ん中に集まってきてたから」。しかし、プロ初勝利をプレゼントしてくれた福原に、頭が上がるはずもない。「よう投げたね」。完封リレーで白星をつかむと、孝行息子とガッチリと握手を交わした。 「最初から飛ばしてたから、バテました。(先発は)疲れますねえ」。福原は他人事のように話し、報道陣を笑わせた。「完投? 次、頑張ります」。それが甲子園開幕の巨人戦(11日)になる可能性も高い。この右腕は今年、虎を支えるエースになるのかもしれない。 <写真=ノムさんの期待に見事にこたえた先発の福原>
ノムさん「ナイスゲーム」これぞ今季の白星パターンベンチから飛び出した野村監督は、ゆっくりとマウンド方向に歩み出た。そして、ナインと手を合わせあった。開幕4戦目、やっと巡ってきた勝利の儀式だ。 帰りのバスに向かうまでの監督の表情に笑顔はなかった。「三塁まではいくが、三本間が遠いね…」。先発に回した福原の好投は、今後に生きる大きな収穫だ。しかし、わずか2点のリードを守り切った試合運びは、とても楽勝の展開ではなかった。たった1勝だけで安堵していられないチーム事情が、指揮官の表情を固くさせた。 開幕から横浜相手に3連敗を喫した。いきなり最悪の事態に陥った。だが、そんな状況でも、“信念”を貫くことで勝機を見出した。8回1死一塁。わずか82球しか投げていなかった福原を、迷わず遠山にスイッチ。そして、最後は抑えのミラーに託す。そんな投手陣を信頼したベンチワークも、この1勝の裏に隠された大きな勝因だった。 「ナイスゲーム!」。バスに乗り際、チームを待ち構えた助っ人タラスコの婚約者ラティシアさんに声を掛けた。監督2年目の初白星。低迷からの脱出がこの1勝から始まる。 ミラーが151キロ締めで1S“勝利の方程式”遠山と完封リレーウイニングショットは渾身の力を込めた151キロ直球だった。新守護神ミラーが、2点リードの9回裏、最後の打者古田を三飛に斬って今季の初勝利を決めた。この日の主役福原に新ストッパー助っ人が、記念のウイニングボールを渡す。昨年とは逆転した、このシーンが虎投の2000年バージョンを象徴していた。 「集中して投げられたよ。抑えは全力投球で積極的に投げられるからね」。ミラーが196センチの大きな体いっぱいに喜びを表した。ペタジーニを148キロの直球で空振り三振に斬るなどヤクルトのクリーンアップをピシャリ抑えての初セーブ。「抑えがあっている? まだ結論を出すのは早いけど、楽しいね」と、充実の笑顔だ。 カムバック賞男、今年も健在福原からミラーへ、貴重なつなぎ役を果たしたのは、もちろん炎のセットアッパー左腕遠山だ。8回1死一塁で救援し、代打高橋も右飛、稲葉も遊ゴロで仕留め完ぺきな仕事をこなした。「気合が入ったよ。福原があれだけいい投球していたからね。いい形で終わらせたかった」と息を弾ませた。昨年のカムバック賞男は今季も健在。遠山―ミラーの2000年勝利の方程式が、ズバッと決まった痛快な完封リレーだった。 大豊1号、タラスコがV打両主砲打ちゃスッキリ快勝や歓喜のゲームセットだ。センターから駆けて来たタラスコが、ミラーにジャンプ一番、飛びついた。興奮状態の一塁・大豊は、殴りかかるようなハイタッチで手洗い祝福だ。 先陣を切ったのはタラスコだ。初回、坪井を三塁において、川崎のスライダーを弾丸ライナーで右前へ弾き返した。これで開幕3連敗の暗いムードに、日が差した。「坪井の一撃に勇気づけられたよ。先制して雰囲気もよかったし、何としても勝ちたかったから…」。来日初V打のタラスコがまくし立てる。 タラスコは開幕してからも、ウエスタンに出場している僚友バトルと毎日、電話連絡を取り合っている。2軍で4連勝するバトルに対し、自分の方は景気のいい話ができなかった。それだけに、早く白星が欲しかった。「日本での1勝目。カート(ミラー)も一生懸命投げていたし、本当にうれしい1日だ」。6回、中安で出塁したタラスコは「果敢なところを(ナインに)見せたかった」と単独盗塁を試みた。失敗にはなったが、その積極性こそが、沈滞阪神に欠けていると判断してのものだった。 ノムさん「大豊の1発大きかった」もう1人、大豊も燃えていた。野村監督が「欲しいところで、大豊の(一発)が大きかった」と言う千金弾が出たのは6回だった。「どう打ったかは自分でも覚えてない」。開幕初戦は得点機に三振。開幕2試合は、それを含めて5三振で、ついに2日の横浜戦ではスタメン落ちとなった。だからこそ、この日の復帰戦にすべてをかけていた。 しかも、マウンドで福原が力投していた。「オレは単身赴任だから、独身のやつを…」と、昨年ルーキーだった福原を食事に誘い、プロの厳しさ、喜びを教え続けたのも大豊だった。 タラスコが言った。「みんなきょうはいい集中力をしてた。でもこれは始まりに過ぎない」。その熱い語りは、チーム全員の総意だ。 坪井、けん引2長打気迫の激走ヘッドみせた
核弾頭・坪井が、初先発・福原を助ける先制点を呼び込んだ。1回表、ヤクルト川崎の直球をとらえ左中間二塁打で出塁。1死三塁からタラスコの適時打で先制のホームを踏んだ。第2打席も、またまた左中間へ快打。気迫のヘッドスライディングまで披露する激走で、狭い神宮球場では難しい三塁打にして見せた。 「打ったことより、とにかく勝ったことがうれしい」。試合後、阪神ファンの声援を背中に受けながら喜びをかみしめるように話した。開幕前、野村監督から新庄とともにキーマンに指名された1番打者。けん引役として「いつも意識している」と自覚をしっかり持つ。「3連敗したぐらいで悪いムードになっていたら135試合持たない」という前向き男も、うれしい初勝利には笑みが絶えなかった。 <写真=3回、坪井は左中間に三塁打を放ち、三塁へヘッドスライディング> 矢野がスタメン復帰スタメンに戻った矢野が、初先発福原をサポートした。2日の横浜戦で、スタメンマスクをカツノリに奪われたが、この日はすかさず奪回。大声でゲキを飛ばすなど、福原を力強く引っ張った。「もともと、それほどコントロールがいいピッチャーではないし、大胆に攻めていきました」。遠山からミラーへの完封リレーを導き、正捕手の功績が光った。 新庄、判定にクレーム新庄が盗塁死のジャッジにやんわりとクレームをつけた。1回表1死一、三塁。大豊の打席で、一走の新庄は盗塁を試みたが、谷塁審の判定はアウト! 微妙なプレーだったが、加点機をつぶしてしまった。試合後の伊原三塁コーチも「あれはないよ。セーフだろ、谷審判…」と苦笑い。6回表の真中の左中間への飛球も好捕するなど、守備ではいいところを見せたが、肝心のバットは4打数無安打でしょんぼりだった。 (1勝3敗:5位) | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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